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第27話 その頃かぐやは・・・2

「姫様、起きてください。姫様!」


「うぅ・・・。頭痛いよ~」


「目が酷く腫れていますね。ナギ様がいらっしゃっていますが・・・」


「もうそんな時間?!」


目が腫れた状態でお話なんて・・・


「お食事はどうなされますか?ナギ様がお持ちになられていて、きっと姫様も好きだからと」


「とりあえず食べる。でも目はどうしよう?」


「どうしようもありません。諦めてください」


諦めてって言い切られちゃったよ!私が今一番食べたいのは白米とお味噌汁。そんなものあるはずがないのに。


ナギ様が入ってくるとばあやを見て言った。


「クーラは外してちょうだい」


前はあっけらかんとしていて楽しげな人だったのに今はとっても真剣そうな顔をしている。


「・・・かしこまりました」


間は開いたけどすぐに退室する。これで私とナギ様の二人きり。


「やっと落ち着いて話せるわね。先にご飯を食べましょうか。私が作ったのよ」


「えっ?おにぎり?」


差し出されたのはおにぎり。嬉しい・・・。


「もう2度と食べれないかと思った・・・」


「おにぎりにそれだけ反応するってことはあなたも日本人ね。あなたの言動を見ていれば簡単に察せられるけど」


「もってことはナギ様も?」


「そう。私は渚っていう名前の27歳の言語学者だったのよ。ここの人たちは『なぎさ』を一つの言葉として認識できないみたいで・・・。結局なぎってすることになったの。『ナギ様』が言えるのは『なぎ』と『様』を別の言葉として認識しているからだと私は考えているわ」


そんなニコニコと説明されても・・・。言語学者ってどんなジャンルの言語学者?


「・・・私は17歳、朝霧あまねっていう名前の高校生でした。死因はよくわからないんです。でもナギ様はなんでそんなに日本人のようなルックスなんですか?私転生したら堀が深めの西洋美人になっていたんですけど・・・」


「それは、私は『転生』ではなく『転移』してきたからね。せっかくの休みにソファでゴロゴロしてたのにいきなりなんにもない荒野に飛ばされた?んだから」


そ、それはイヤだ!アニメを見終わる前に死ぬことの次の次くらいにイヤだ!せっかくの休み!1週間に2回の!辛いだろうな・・・。


「なぜ、太皇太后に?」


「聞きたい?」


「ぜひ!」


「それはね~。ナ・イ・ショ!」


「え~。もと地球人、もと日本人として~」


「ダメなモノはダーメ!」


気になる。どんな純愛があったのか!・・・私も高校生だよ?当たり前のように恋愛とかに興味あるよ。アニメみたいな恋したい!的なね。


「よかったわ。あなたの表情が随分と明るくなったわね。ずっと暗い顔をしていたのよ?」


「えっ?」


思わずほっぺを抑えると


「ズーンって感じで。アナッサとクーラが随分と心配していたの。転生して4ヶ月弱。地球や日本のことが懐かしくなる頃かと思って、ね?」


ナギ様は本当にすごいな。まるで心を見透かされてるみたい。


「あなたを慰めるためにきただけじゃないけれど・・・。アニメ改革が世間にどんな影響を与えるか知ってる?」


「いえ、アニメ界隈が騒がしくなるかな?程度です」


「そうよ。アニメ界隈が大変なことになるの。アニメ制作界隈がね。あなたの作る日本のアニメは斬新なのよ。今までにないような内容。私も結構見ていたけれど、ああいうのをここで広げるとどうなるか予想できる?」


「いろんなジャンルができる?私は大歓迎ですけど・・・」


アニメの種類が増えるのはなんにも問題があるとは思えないんだけど。


「ヒントを二つ出しましょうか。一つ目、王道しか流行らないのよ」


「王道しか流行らない?私の作品は失敗するかもしれないってことですか?」


「ヒント二つ目、みんな新しい斬新なものが好き、みんなそれに染まっていくわ」


それってつまり・・・


「私がアニメをあげたらそれは流行る?でも今の勇者 vs 魔王のアニメが消える?」


「そう。あなたは今のアニメを根本から否定したいのかしら?」


探るような目で私を見てくる。これで私が否定したいといえば本気で潰しにかかってくるだろう。でも別に私は否定したいわけじゃない。もっとアニメの世界は深くて広いんだって伝えたいだけ。ここのアニメはまた別の良さがあるから・・・。


「否定したいわけではありません。斬新なアイディを使ったアニメでも他のジャンルのアニメを、中華系、恋愛系、転生系、学園系、スポーツ系。全てを流行らせた上で全てのアニメを共存させたい。それが私の願いですから」


「無駄に大きな夢ね。でも理解できないわけでもない。私もずっと全世界の言語を理解したい。喋れるように、聞けるように、書けるように、読めるようになりたいってね。ずっとそんなことを夢見ていたのだから。キリグ君から聞いたみたいね。五芒星の名前は全て私がつけているのよ。バシレウスも、アナッサも、プリシオも、ミーカも、キリグも、クーラも。もちろんあなたもね」


「なんで?なんで私は和風な名前なんですか?」


ずっと気になってた。私の名前だけが和風。他の名前は全部洋風というかカタカナ表記っぽい感じだった

のに。


「それは・・・。言えないのよ。あなたのためにも。考えてみたらきっとわかるわ。私はヒントも何も出さない」


酷く後悔しているような苦い顔でキッパリと断られる。


「そうですか。ありがとうございます」


「それより、あなたが今再現しようとしているアニメはなんなの?」

空気を変えるように笑顔で聞いてくる。


「魔王が倒された後の後日談である・・・」


別に私の名前の由来なんてどうでも良くないことはないけど、今はいい!私が全力をかけるのは様々な種類のアニメを私が寝てても作られるようにすること!


私が今全力で頑張れば頑張るだけ私の老後が豊かになる!アニメ三昧の老後を目指して!

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