第25話 ブリシオ公爵視点〜五芒星会議1:毒入りの食事〜
ついにこの日がやってきた。兄上を、その取り巻きを排除することができる日が!リュクシュール公爵は何も知らぬだろう。自身の食事にも毒が入っていると。毒入りの食事であるとは伝えてある。しかし、この中で毒が入っていない食事をするのは次期皇帝であるこの私のもののみ。
「これより、五芒星会議を始める」
皇帝(兄上)の厳かな開始の言葉とともに始まる会議。
今月の予算。来月の予算の見通し。出生率の減少傾向。独立運動の抑制。
たくさんの議題を1日かけて吟味する。食事は全て皇族負担。しかしその食材に毒を混ぜ込みそれを調理すれば良い。私は新たに食べることができぬもの(アレルギー)ができたとでも言えば自身の持参のものを食すことができる。
私の計画は完璧だ。あとは食事の時間を待つのみ。これで私がこの星を掌握できるのだ!
※ ※ ※
なぜだ!なぜなのだ!
「食事は各自用意するように伝達しているだろう。すまないな、ブリシオ。そなたが送ってくれた食材を使うことができず。送り返すので自分たちで食べてくれたら良い」
だと?事前に暗殺を察知していたか?私にそのような伝達は来ていない!計画は完璧だったはずだ!クソ。今は、バカ息子もしっかりやっているはずだと言うのに!この私が失敗など・・・。
・・・いや、ありえるか?そうだ、全知全能と言われる建国の英雄がいたではないか。私としたことがおばあ様を暗殺対象にしておけばよかったのか。次の標的は太皇太后ナギだ。
私の独断で動こう。毒はまだあまりがあったはず。誰にも伝えず、全て私の中で完結させるのだ。
「どうした、ブリシオ。食事を忘れたか?そなたが用意した材料で作らせても良いぞ」
「いえ、今から出しますゆえ」
「そうか」
遅効性でありながら一度口にすればもう死ぬことが確定する「月光の毒」が入った材料の食事を食べろなど!兄上は私を殺したいのか?!そのような器の人物が皇帝でいいわけがない!
黙々と食事を摂ろう。そう決意した直後に邪魔が入る。
「そういえば、ウチの娘が皇女かぐや様にお会いしたいとずっと申しておりました。今日のお茶会に出席なさるのでしょう?」
ドロワシオン公爵。皇后アナッサの兄であり、法律の専門家。法律の観点において右に出
るものはいないだろうと言われている。
「ああ、次期五芒星のお茶会のことですね。なんでもエミール公爵子息に招待されたとか」
続けるヴィジラン公爵。典型的な脳筋。ただ、頭はキレる人物でもある。
「私も長男のフォーボンを参加させました。エミール公爵子息と仲が良いみたいですし」
リュクシュール公爵。相変わらず何を考えているのかわからない。絶えず微笑みだけを浮かべ続け感情・思考を一切見せない。ある意味貴族の鏡である。
「・・・しかし、私が聞いたところによるとかぐや様は招待されていないとのことでしたが」
いらぬことを言うな!平民上がりの公爵が皇族出身である私を貶めるような発言を・・・!
「それは本当か?ブリシオ」
「いえ、偽りにございます。招待は送らせていただきましたよ」
「では、かぐやが私に嘘をついた、と言うことか?」
「どのような意味でしょう?」
わざとらしく優雅にお茶を一口飲んでカップを置く。そしてすました顔を一気に崩し
「実はかぐやが私の執務室に来てくれたのだ!これほど嬉しいことはほとんどないだろう!内容はかぐやがエミールから五芒星のお茶会の招待状が来ていないというものだった」
あの皇女め!なに余計なことを!
「では娘が大いに荒れているかもしれませんな。私にその怒りが向けられなければと祈るばかりですよ」
「ドロワシオン公爵、それはわかります。私の娘も令嬢らしくできぬものの正義感は人一倍強く今回のような暴挙は許し難いと思うでしょう」
「して、どうなのだ?本当にかぐやに招待状を送ったのか?」
会議の本題は未だ始まっていなかったのだ。
先日、活動報告を投稿させていただきました。
そして、新参者ですが第10回アース・スター・ノベル大賞に応募させて頂きました。応援よろしくお願いいたします。




