第24話 その頃かぐやは・・・
「うふふ〜!今日はキリグが来ないから、アニメ5時間!どうせなら長編アニメ(映画)も見ようかな〜?」
別にキリグが来るのが嫌ってわけじゃないけどね?アニメが見れるのは喜ぶべきじゃん。
「って!へ?もう完成したの?第一話目?嘘でしょ!クエルぽさんたち、まじサイコー。たった2日で全部色塗ってきてくれるだなんて!」
そう、私がキリグを通さないと自分の言葉を伝えられないことにキレた結果、納品&意見を言うための場所として新しいグループチャットを作ってくれた。キリグはたまには優しいからね。たまには。
「ああ、久しぶりに日本のアニメをこの目で・・・。しあわせ〜」
ただ・・・
「声優はどうしようかな?声の調子、息の吸い方、感情移入の仕方。全てが技術。機械に到底真似できるとは思えない!」
でも、妥協はしたくない。ならどうする?
「できる人を権力使って探す!それがキリグにもできない、皇女の仕事だー!」
「姫様、熱意は十分伝わりますが、喉を使いすぎると潰してしまいますよ」
「流石にこれだけで潰しはしないよ、多分・・・」
「そうですか。安心いたしました。それと、アナッサ様より図書館貸切の許可をいただきました」
ホント?!やったー!
「・・・ですが、今現在、情勢が不安定なため歌詞切れるのは先のことになるかと」
そんな、情勢が不安定って何があるの?私、何も知らないんだけど。
「わかった。今日は一日アニメを見ててもいいんでしょ?」
「いいえ、午前中は見てくださって結構ですが、午後からはナギ様がいらっしゃいます」
「・・・なんで?」
「私が聞きたいです」
なんかこの会話、前もしたような気が・・・。
すると文官見習いの子が
「ナギ様は月についてお話をなさりたいとは一応伺っていますが、詳しいことはわかりません」
と付け足してくれた。
月。この世界の月はまるで地球のようだった。青くて、緑の大陸のようなものがある。白髪のキャラクタ
ーの後ろに浮かぶにはちょっと・・・って感じの星。
失礼ない方であることは自覚してるよ?でも、白に近い同色系の色で浮かぶ月と青と緑、似ている色と言われれば似ているけれど違う色だと認識できる色でできた月。情報量が雑多になるからアニメには合わない。
でも、この世界の「月」は地球そっくりで、窓から見える景色。城下町は賑やかで、美しい白で作られているけれど、その先に見えるのは緑ではなく灰色の荒野。植物が育っていないような。
「姫様?どうなさいましたか?」
「あっ!ごめん、なんでもない。ちょっと考え事を・・・」
「そうですか。私たちにお話ししてくださってもよろしいですから。一人で抱え込まないようにしてくださいね。・・・ただ、陛下だけに伝えるのはおやめください。暴走されると周りの文官たちが困ってしまうので」
「は〜い!」
ばあやは気にかけてくれるけど、言うつもりは微塵もない。私を実の娘のように大切にしてくれるのはわかる。でも・・・これは転生・転移してきた人にしかわからないこと。アニメ文化があるならきっと地球から来た人は多くいたはず。
もう生きてないなんてことはないよね?きっと数名は生きてるよ。でも生きてなかったらどうしよう?
ひとりぼっちは嫌だよ!一人だと感じるほど心細いものはない。生まれたての時、お母様もお父様も信じられなくて、理解してくれる人が一人もいなくて・・・。そんなの、もう嫌!
「あっ・・・」
つぅーと涙が流れてくる。
「姫様大丈夫ですか?」
「ごめんなさい、お昼まで一人にしてくれる?」
「・・・かしこまりました」
何も言わず部屋から出ていくばあや。私のことを理解してくれる人はどこにいるんだろう?
そのまま私は布団に丸まって泣き続けた。




