前へ目次 次へ 31/64 第三話 現世人類のアタラクシア ② 八キロほど進んで、とうとうソラが泣きに入った。 「もう無理、足が棒……」と実に情けない声で訴えた。 彼女の肩から鳩が離れ、カナタの肩に飛び移った。 『仕方ありませんね。ほら、乗ってください』 そう言うとカナタは、床に女の子座りでへたり込んでしまったソラを抱え上げてやった。 屈強なロボットにお姫様だっこをされながら運んでもらうかたちになったソラは、 「最初からずっとこうしてもらえば良かったな……」と小さく呟いた。 乙女だなぁ、とカナタは思った。