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切れた糸

それから、主人が作ってくれたボードを片手に点検する日々が始まる。

私の後ろにはいつも主人がいた。

私が、窓よし!と言うと主人も頷いてくれた。

そして2人で確認した事の印としてボードにレ点チェックをいれていった。

家からすんなりと出れるようになった。

私は、主人がいなくてもこれだったら1人で出来るかもしれないとさえ

思うまで回復しているかのように思えた。

だが、そのボードも長くは続かなかった。

やり始める時は、新鮮で今までにないやり方だったから不安が消え

うまく出来ていたのかもしれない。

その新鮮だった事も日常と化してしまえば、そのボードさえ本当に今日

チェックしたものなのかという不安に押し潰されるのだ。

私は、いつものようにボードを持ち、点検をしていた。

主人もいつものように私の後ろにいる。

窓よし・・・主人が私のその言葉を聞き頷く。

私は、いつもならボードにレ点を書くのだがボードを見たまま手が

止まっていた。

主人は、「大丈夫?疲れた?」と私を気にしてくれた。

私は、「よしじゃないと思う」と主人に告げた。

「そんなこと無い。2人で確認しているんだよ。」

「分かってる。でも、納得がいかない。」

主人も困った顔で床に座り込んでしまった。

申し訳ない。おかしいのは私だと分かっていたが・・・

苦しいのは私なのに・・・という感情が抑えきれず・・・

主人にはじめてあたってしまった。

「おかしいと思っているんでしょ?本当は、呆れてるんでしょ?

嫌だったらいなくていい!1人でやるから!」と

言ってはいけない言葉を吐いてしまったのである。

主人は、黙り・・・「もう1度初めからやろう」と一言私に言ったが

私は、それさえ拒み主人を受け入れることはなかった。

出来なかった。

「会社に行っていい!ほっといて!」と主人に罵声をとばし

主人は、疲れ切った顔で仕事へ向かった。

その日、主人は私のせいで仕事をはじめて遅刻した。

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