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ありがとうの意味

待合室で待っていると、カウンセリングの方が出てきて私と主人を

部屋へ案内した。

私は、今までの経緯を全て話した。

涙が出てくることもあった。

カウンセリングの方は、ただただ私の話を聞き優しい顔でこちらを

見ていた。

全て話し終わると・・・「分かりました。話してくれてありがとう。

訪ねてきてくれてありがとう。」と私に言った。

ありがとう・・・なぜこの人は私にお礼など言うのか・・・

私が、死のうが生きようがこの人には関係のない事だ。

仕事上、そう言えとマニュアルでもあるんだろうか・・・

ありがとう。その言葉は、人間であるならば必ず言えなければいけない

言葉だと私は思う。

ただ、カウンセリングの方に言われたありがとうの意味が私には分からず

それは、今になっても理解は出来ない。

私の話を聞いてくれたその方に感謝の心を持つことも無く私は

医師を待った。

数分後、看護師に呼ばれ医師の前に主人と行った。

椅子に腰掛けると医師は優しい眼差しで私を見ていた。

そして、先ほどのカウンセリングの方と同じ言葉を私に話した。

ありがとう。と言われた。

私は、その言葉には理解が出来なかったが・・・もう自分を隠さなくて

良いんだという気持ちになれ涙がこぼれ落ちた。

医師は、きっと勘違いをしていただろう。

ありがとうという言葉にこの患者は救われ涙を流したのだと・・・

でも、それは違った。私の心の中は・・・誰の声も届いていなかった。

私の苦しみなんて理解できる人間などこの世に存在しないと

そう思っていた。

それでも、薬や休憩などをして改善するならばと医師の指示に私は

従った。



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