第二十六話毒露の力。
「ああっ……………うくぅぅぅ。」
突然水菜様が力が抜けたように手をつき苦しみだしていた。
すると妖である毒露が口を開く。
「ぐふふ………………………お前本当に綺麗だなあ…………………」
「くっ…………………あなた……………それならこの水の里から去ってくれないかしら。」
ギロリと毒露の目玉が蠢いた。
それは水菜様を捉え離さなかった。
「ぐふ…………………お前の場合は俺の嫁としても餌としてもどちらにもなりそうだなあ。」
巨大な黒い肌の怪しげな妖はまさに怪物………そして言葉を話し知能というものを併せ持っていたの。
そこへ静かに立ち尽くしていた水璃ちゃん。
「あなた………………妖よね…………………ここをこんなに壊して…………………私はあなたを許さないんだから!!!」
そう言い放ち構えた水璃ちゃんが飛び出していく!!
「私の槍をくらいなさーーーーーーーい!!」
ヒュンヒュンっと槍を振り回していく水璃ちゃん。
そして飛び上がった水璃ちゃんは槍を突き刺していった…………………かに見えた。
すると毒露が笑みを浮かべた。
「お前も可愛いなあ…………………………………。」
「えっ!?こんな時に何ふざけてるの!!いいわ!!くらいなさーーーーーーーーい!!!」
そして。
ズブズブと刺さっていく彼女の槍。
「えっ?なに……………これ……………………………?」
すると巨大な腕が飛んでいき…………………水璃ちゃんは巨大な手に掴まれていたの。
「水璃ちゃん!!????」
「水………………璃…………………………ちゃん。」
私と風花ちゃんの声が響き渡る。
似たりと笑みを浮かべた毒露……………するとやつの身体はどろりとした体液を纏いだした。
「ぐへへ……………………水忍…………………しかもお前は上玉の女だなあ」
水璃ちゃんを押さえつけよだれを垂らす毒露…………だがその時……………周囲の空気が変わった。
水璃ちゃんの隣に立っていた球利ちゃんはブルルっと身体を震わせる。
すると球利ちゃんの身体が発光していく。
その手の槍先から水を滴らせ始める。
「あなたを倒します…覚悟しなさいっ!!」
「面白い!!!やってみるがいい。」
「たあああーーーーーーーーーーーーっ!!」
ガキンっと激しく衝突する水璃ちゃんの槍と毒露の鋭い爪。
だが流石にその体格差が全く違った。
ぶおんっと風圧を周囲まで届かせ腕を振り回した毒露…………………。
「くっ!!こんな!!!」
「クククッ……………………………おらあああーーーーーーーーーーーっ!!!」
「えっ!?あっ!!!」
そのまま吹き飛ばされたのは水璃ちゃんだった。
だけどスタっと立った水璃ちゃん。
球利ちゃんが槍を回転させていく………………するとバババーーーーーーーーーーっと水がまるで矢のように放っていく!!
「フンっ!!!!!それなら俺にもできるぞお。」
息を吐き毒露はまるでコピーしたかのように水璃ちゃんと同じような攻撃を放っていた。
バババババーーーーーーーーーーーっと………あっという間に水璃ちゃんたちの攻撃がかき消されてしまう。
「えっ!?どう………………して……………………。」
「クククッ…………………………………俺強い。」
そう言い放った毒露。
だけど水璃ちゃんの目はまだ諦めてはいなかったように見えたけど。
「くっ………………やっぱり…………………私には無理……………なの?」
そう呟く水璃ちゃん。
その時!!
毒露の巨大な拳が水璃ちゃんに放たれた。
「!!!!!?????」
油断……………油断してた?あんな拳で攻撃受けたら………………きっと私はこのまま殺されてしまう。
そうなったら。
水璃の脳内ではそんな最悪なシナリオが思い浮かべられていた。
しかしそれは現実に起こるかのように本当に巨大な拳が迫ってきていた。
最悪………………………このまま私は妖により…………………。
「きゅううううーーーーーーーーーーっ!!」
我に返った水璃ちゃんの目の前に立ち構えていた球利ちゃん。
「球利!!!!???」
ドゴンっと激しく轟音が鳴り響いたのでした。
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