第十六話誰かの匂い。
私は風花ちゃんと共に水の里に向かう事になったのです。
「ふぅ……………風花ちゃん……………水の里に行ったことあるの?」
「いえ……………………私も行ったことは無いのですのでちゃんと辿り着けますかねえ。」
不安げにそうこたえた風花ちゃん。
すると彼女の魔神であるポンタが姿をみせたの。
「ふふっ…………それは問題ない…………この僕がいるからね。」
「おおっ!たぬきさんやっるう!かっこいいね!」
私の言葉にポンタがニタリと笑みを浮かべていた。
「だろう?」
そういいながら私の肩に乗り頭を引き寄せてくるポンタ。
「はわわっ!ポンタいかづちちゃんに何してるのおおおーーっ」
「ふん………風花……………お前はまだ子供だからなあ」
そういいながら私の頭を撫でているポンタ。
その顔は何故かいやらしかった。
でもこの時私の頭の中はたぬき鍋の事を考えていたの。
「風花ちゃん………そういえばたぬき鍋って美味しいのかなあ?」
「なっ!?この女………………………………。」
私の肩から風花ちゃんの肩に乗り換えたポンタは震えていたの…………………。
そんなやりとりをしていると上空からたかおが声をかけてくる。
「おい!!タヌ公…………………………」
「なんだ焼き鳥!?」
二人はあっという間に仲が良くなったみたいで私は安心していたの。
「水の里の入り口ってあの山のどこかの滝じゃなかったか?」
すると遠くを眺めていたポンタが目を細めた。
「ふむ……………この辺りから……………………。」
そういったポンタがクンクンと匂いを嗅ぎ始めた。
どんどん何かを探すかのように匂いをかいでいくポンタ。
クンクン……………クンクン……………………。
クンクン……………クンクンクン……………………。
「ポンタ………………………………何をしているの?」
そう声をかけたのは風花ちゃんだった。
しかしそんな風花ちゃんの声にも反応せずその行為を続けていくポンタ。
クンクン……………クンクンクン………………………。
クンクン………クンクンクン……………………………。
徐々に私の方へと近づいてくるポンタ。
そしてそれはまるで犬かのように匂いを嗅ぎ続けるポンタ。
クンクン…………クンクンクン…………………。
やがて私の周囲の匂いを嗅ぎ始めるポンタ。
「ええっ!?」
「なっ!?ポンタ………何してるのおおっ!?」
焦り声を上げる風花ちゃん……………そして私の匂いを嗅ぎ始めるポンタ。
「なになにこれ!?」
私はそう言いながらポンタから離れようとする。
だけどしつこいポンタ……………私はハッと気がつくとたかおを呼ぶ!!
「たかおーーーーーーーーーーー!!ちょっときてーーーーーーーーーーーーっ!!???」
「なんだ!?どうしたいかづ……ち!?」
私はたかおから何かを奪いそしてポンタの目の前にバッと差し出す!!
目を閉じ匂いだけを嗅ぎ続けていたポンタの目の前に差し出したのは。
すると突然目を見開いたポンタ!!
「んなっ!!???んがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!???」
飛び上がり鼻を抑え悶え叫んだポンタの身体が地面にドサッと倒れ込み悶絶するポンタ。
「ふぅ…………………なんなのポンタったら?」
「はあ…………………ごめんなさいいかづちちゃん………………っていうか………あの布きれって………なんですか?」
するとそこにいたのは私が奪った布キレを嗅いで悶絶するポンタを見ていたたかおがいたの。
「ふぅ…………………助かったよたかお。」
「ん……………………ああ…………………まあ…………な」
そういいながらその顔を赤らめた気がしたたかお。
「たかお…………………あの布キレって…………なに?」
「ん………………………ああ………………俺の腰巻き…………だ。」
私と風花ちゃんは納得し……………ため息をはいたのでした。
◇
◇
◇
すると周囲から水音が聞こえてきたの。
「これは……………………………………?」
「なにかの水音………………でしょうか?川か…………なにかの……………………。」
悶えるポンタを放置しながら私達はその水音のする方向へと足を向け歩きだしていく。
すると…………やがて周囲の木々が開けてくる。
そして私達の目の前には大きな川とその先には滝が轟々と流れ落ちる場所に辿り着いたのでした。
「ここは………………………………………………?」
「もしかして……………ここが水忍の里の何かがある川……………………………なのでしょうか?」
すると滝の近くで何かが動いた気がしたの。
「誰!!!????」
私はそう叫んでいたの。
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