第十五話水の里へ。
「す……………凄い…………………いかづちさん……。」
私はそんな風花ちゃんの声で我に返ったの。
「はっ!わ………………私………何をしていたの?」
「えっ………………いかづち…………お前まさか!?ついにイカれたのか?」
たかおのその声に私がたかおに目を向けるとたかおの頭の体毛が逆立っていた。
「はっ!?たかお………………あなたまさか………ペンギンになってしまったの?」
「どういう意味だ……………。」
「だってそのツンツンヘアとそのお腹……はあ」
「はあ………じゃないはあじゃああーーーー!!」
私がうるさいたかおを制すると、そこには倒れた二体の巨体な魔物があったかに見えた。
そこでぷるぷる身体を震わせていたのははくさい様だった。
「はくさい様!?どうかしましたか?」
「いぬ……………………」
「ん!?ついにボケましたか?はくさい様!?」
「な…………ちっがあああーーーーーーう!!」「顔を真っ赤にし興奮するはくさい様…………その顔はまさに茹でダコだった。」
私はつい……………本当に……………つい…………………。
思った事を口にしてしまっていたの。
恐る恐る………………はくさい様に目を向ける私。
「ばっかもーーーーーーーーーーん!!!」
その声が周囲に響き渡る。
◇
◇
◇
本当に二人ともすぐ怒るのだった。
するとくどくど言っていたはくさい様が何かを思い出したように目を見開いた。
「くっ……………………やはり………………か。」
「「えっ!!???」」
私たちが目を向けるとはくさい様はどこかに視線を送っていたけど。
そこに倒れていた巨体はなんと一体だけ………それもあの地極の魔神である地龍の姿が消えていたの。
そして辺りに目を向けてもあの地極の姿も消えていたのだった。
「少し前から奴の気配が小さくなったと思っていれば……………既にここから逃げていたか。」
「えっ!!???」
「消えた……………………なんて。」
私も風花ちゃんも地極の気配を探るもやはりもうここからは消えてしまっていたの。
「くっ…………………ヤツめ…………………きっと風の魔神具と雷の魔神具はひとまず諦めたのだろう。」
「そうなんだね」
「そうだったんだ。」
するとやはり次に頭に浮かぶのは他の里の事だった。
「ここから近いのは…………………水の里か………。」
そう言ったのははくさい様だったの。
私も風花ちゃんもはくさい様のその言葉にキョトンとしてしまう。
はあ………………………っとため息をつくはくさい様。
「何ですか?その深いため息………………?」
「なんでしょう………………」
私たちの言葉に声を上げたのはポンタだった。
「じいさん……………………俺はこの風花の魔神だ………………詳しく話してくれないか?」
するとポンタの声にこたえるはくさい様。
「ああ…………まさか我が弟子たちがちゃんと話聞いてくれないからその魔神の1人に話す事になるとは………はあ………まあいい聞いてくれ……。」
泣きそうな顔で何かを話そうとしているはくさい様……………そんな私たちははくさい様の涙目を目にしていると…………はくさい様はとりあえず話はじめたのです。
◇
◇
◇
ここから数十里離れた場所に水の都と呼ばれる街がある…………そしてその街の近くに水の里があるのじゃ。
◇
◇
◇
そこでは水忍達が暮らしており…………風忍同様………大きな里の一つにもなっておるのじゃ。
そして水忍の里をまとめあげているのは、その里の長であり……………我ら忍びの長の中で一番の高齢であり………そして我ら忍びの長をも、まとめあげておる『水雲』様じゃ…………………。
彼は歴代の長の中でも一番の術の使い手でもある。
彼の水遁にはどんな敵でも敵わぬであろう。
だが…………………。
やはりワシは……………今不安を抱えてしまうのだ。
あの土忍地極の土のもう一つの弱みともなり得るのもまた『水』……………ワシは何か嫌な予感がしてならないのじゃ。
◇
◇
◇
「そう言ったはくさい様は渋そうな顔を見せた………………まだその顔は茹でダコのままですのでしばらく放置して……………………。」
ギロリと私に目を向けたはくさい様。
どうやら私の内心はまたもやはくさい様に聞こえていたらしいのです。
更に顔を赤らめていたはくさい様。
「ぷるぷると震えながら何かを溜め込んでいたはくさい様。」
「あっ!!いかづち………………ちゃんってば……………それ……………以上は………………きっと良くないかな………………………って私は思うのです……………。」
そう声を上げた風花ちゃんだった。
そして何かプツンっとキレたような音が聞こえた気がしたの。
「ばっかもーーーーーーーーーーーーん!!はよ水の都に行かんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!???」
こうして私たちは水の都に向かう事になったのでした。
◇
◇
◇
お読みいただきありがとうございました。




