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無花果の回ー4

「助けてくれ~!」「誰か~警察と冒険家をよんでくれ!」「クソ俺達が足止めするから皆は逃げろ!」

その声にいち早く反応したエステル・キュレイトは颯爽と声の方角に走り出す。


俺はどうしようか迷ったがとりあえず金髪ポニーテールの後を追いかける。


30秒程走った後目にした光景は巨大な蛸が人間と亜人合計三人を蛸足で巻き付けながら海へ引きずり込もうとする場面

それを必死に周りの人間が抵抗するが下半身魚、上半身青色の人間(但し所々に鱗が見えるし目がギョロギョロで歯が尖ってる)半魚人に邪魔され上手く蛸に攻撃できないでいる。

半魚人には冒険者風の剣や槍を持った奴らが戦っているが鱗に邪魔され攻撃が通らず苦戦しているようだ、

一般人が叫びながら逃げまどい半魚人かそれを追う、冒険者6人が半魚人を迎え撃つが半魚人の数は3、人数はは冒険者の方が多いが半魚人の方が明らかに押している、そうこうしてる間に巨大蛸がゆっくりと人間二人亜人一人を海に引きずり込もうとしている。


俺は腰にあるナイフを引き抜こうとするが同時に横にいた金色の影が走り出す。



「レテルカ起きなさい!獲物よ」

そう呟き右手を巨大蛸に向ける次の瞬間エステル・キュレイトの右手が赤色に光り直径1メートル程のペイズリー柄のような何かが浮かび上がる。


「あれは…」


俺は記憶を辿る、恐らくヘイヌが俺をゴブリン村に移動させた時の魔法陣に似ている……俺はその光景に目が離せないでいた。


赤い魔法陣から飛び出てきた物体

それは馬。


体長は三メートル程あり蹄の辺りには炎、鬣の先の辺りにも炎がゆらゆらと退屈そうに瞬いている。

「レテルカはオクトパスを私はシーマンをやるわ」

今度は左手を地面に向けると先ほど出た赤色の魔法陣が現れる。


魔法陣の中から黒色の柄が飛び出すエステル・キュレイトは柄を掴み一気に引き抜く、引き抜かれたのはレイピア・刀身が赤く手の甲を包む金属部分は赤と金色の細工が施され見る者を離さない美しさがある。


レイピアを引き抜くと同時に赤い魔方陣は消えエステル・キュレイトはさらに加速をつけて半魚人シーマンへと向かう。



馬の嘶きが聞こえ目線を海側に向ける。

レテルカと呼ばれた炎を纏った炎馬は空中を走り巨大蛸に向かう、

巨大蛸は炎馬レテルカを見た瞬間危険を察知したのか海へと逃げ込もうとするが一緒にして間合いを詰めレテルカは蛸の顔面に噛みつきそのまま噛みちぎる!青い血が散布

衝撃で蛸足が弛み捉えられていた人間と亜人の三人が海に落ちる。


「ふっ」


エステル・キュレイトが海の方向に右手を翳すと落ちていく三人の真下の空中に赤の魔方陣が現れる

そのまま海に落ちると思いきや赤い魔法陣の上にポヨンと落ちそのままポカンと口を開け自らの無事を確かめる。


エステル・キュレイトは三人の無事を確かめた後シーマンに斬りかかる


跳躍

左手に持ったレイピアを肘を曲げ突きの構え、右腕を前に出し半魚人シーマンの一匹に狙いを定める。

半魚人シーマン(もうシーマンでいいや!)は近づいてくる者に危険を感じ慌てて回避行動をとるが


「遅いっ!」


その言葉が放たれた瞬間にはシーマンの首から上は別の場所に転がる。

何が起きたのか分からないままシーマンはそのまま倒れる。

残り二匹のシーマンは逃げるのは無理と悟りエステル・キュレイトに同時に襲い掛かるが一閃・二閃赤い起動を描きながら踊るレイピアを阻止できず同じく首から上が別の場所へと転がりシーマンは青い血肉が溢れる断面を見せ崩れ落ちる。


エステル・キュレイトはレイピアについたシーマンの血を血振りするとレイピアは赤い粒子になって消えていく。


「クルルル」

炎馬レテルカを見ると巨大蛸を引き摺りながらエステル・キュレイトに向かって歩いている。

巨大蛸の目には既に生気は無く事切れてるようだ。


「食べ過ぎてお腹壊さないようにね。」

と呼び掛けると

炎馬レテルカは「クル」と鳴きレイピアの時と同じように赤い粒子になり消えていく。


空中の魔法陣に取り残された三人を思い出したのかエステル・キュレイトは器用に指先で魔方陣を操ると音もなくスルスルと移動し三人を地面に降ろす。


「怪我は無い?」

そう聞かれた三人及び周りの剣や槍を持った男達はエステル・キュレイトの美貌に顔を赤らめ口々に

「平気です」

「助けてくれてありがとうございます」

「付き合って下さい。」

「いや!俺と」

等と口走っている。

エステル・キュレイトは

「皆無事でよかったとりあえず直ぐに警備兵を呼んできてくれ。向こうに不当な扱いを受けている奴隷の子供達がいるからその連絡も頼む後は……」




ここで俺は思った。

今のうちに何処かに逃げようあの金髪ポニーテールエステル・キュレイトはきっと真面目な性格っぽいから一緒にいると疲れそうだ。

俺は抜き足差し足でドロンする。

彼女と行動を共にすると絶対トラブルに巻き込まれそうだし。




「それから向こうにサウス商会の男が三人いる。それについてはそこにいる少年が………あれ?」

エステルは先ほどまでいた黒髪黒目の少年を探すがその姿はどこにもいない。

きっと魔物との戦闘を見て怖くなって逃げ出したのだろうと思い。

少年に罪悪感を感じていた。







ーーーーー



アグニカ国に来てそうそうトラブルに巻き込まれてしまった。

全部カンダタが悪い俺は悪くない、うん。


とりあえず服をどうにかせねば手頃な服屋が無いか道行く人に聞いてみるが無視する者や、煩わしい表情をする者、嫌々道を教える者等様々な対応。

金髪ポニーテールの言い分では奴隷にも権利があるとか言ってたけど随分低いみたいだな。


目的の場所に到着

ボロくさい小さな小屋の上に看板があり

【道具&装備&情報屋ロリータ屋】と書かれているロリータて……



胡散臭い……

他に行く当ても無いので中に入る

店の中は8畳程のスペースに床や壁が木目調のデザインで割りとオシャレだが店内は思いの外ガランとしている

真ん中のテーブルにはくたびれた服が数点。

壁に掛かっている盾やら兜は錆びているわ。壁に立て掛けてある棚には道具類の薬草的な何かだと思うが葉の部分が萎びているわ。

隣の小瓶はポーションかな?中身がドロッとして絶対期限切れじゃんと思わせる中身だわ



………やべぇ店じゃん。



情報屋はともかく道具と装備類がまともな物がない。

どうなってるんだ?商売する気があるのか。


カウンターの奥からノソノソと50代位の肥った人間のおばさんが出てきて俺をみるなり。

「なんだいあんたはうちの店は首輪も着けてない奴隷に売るものなんか無いよ。さっさと帰りな!」


店の名前ロリータとは程遠いい外見の肥ったおばさんが罵声を飛ばす。

髪の色は紫の中に金色のメッシュ、体型を隠すような幅広い白のローブを身につけ、暑くもないのに扇子を扇いでいる。扇子には厭らしい程宝石が散りばめられているのが以下にもお金大好き感をアピールしてやがる。


にしても首輪を着けていない奴隷は奴隷以下的な扱いだな。



「おばちゃん適当に服見繕ってよ金ならあるから奴隷服来てるけど俺は奴隷じゃないからね」

そう言って懐から小袋を取り出し中から札束を無造作に掴みテーブルの上に置く。

なんか嘗められてる感あったので金持ってるアピール



ババアは目を見開き、芋虫のような指先で器用にさつたばを数える。指にまで豪華絢爛な指輪が多数。あえて言おう悪趣味だと。



ババアは此方を一瞥した後もう一度俺の顔をみた後に




ニコッとスマイルゼロ円を向けてきやがった。

「あらっ失礼しました。10万エーンなんて景気が良いこと。

え~っとお客様はナイフ持ってるって事は冒険家ですか?だったらある程度丈夫な服にしましょうか?その分値は張りますけど」


「お任せで」

「ハイハイ!」

肥ったおばちゃんは札束を胸の中にしまうとルンルン気分で奥の在庫室に向かっていく。


所詮は金か……フッ


一エーンは日本通貨だと一円。

この星の通過は割りと簡単だ、というより日本とほぼ同じだ。


1エーン5エーン10エーン500エーンは硬貨

1000エーン5000エーン10000エーンは紙幣


硬貨の裏表には剣、門、寺院、鳳凰、龍、等がデザインが施され、紙幣の方は恐らく偉いであろうオジサンやオバサンが描かれている。誰だろう




じつに分かりやすい。日本と金の通貨が似ているのは転生者の仕業ではないだろうか……

と軽く推理してみたり。


バースと船員達から計100万エーン程貰ってきたから当分は何とかなるだろう。






ん?


本当だよ。

貰ったんだよ。



脅して巻き上げた訳じゃないよ。





本当だよ。

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