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初めてのダンジョン

「此処が【瞬きの洞穴】だ」

「見た目は案外地味ですね」

「洞穴つったろ、グドウが想像してるようなダンジョンはこの近辺にはねえよ」

「でも気持ちはわかるよ」

「ダンジョンといえば…みたいなのはあるっすからね」


…よし、気持ちを切り替えていかないと。

ここからはモンスターが出るんだ、護ってくれるとは言え何が起こるかなんて誰も分からない。


「役割を確認するぞ。俺が先頭を歩く、次にヴィーエンとグドウ、最後尾にグリットだ。前方から来るモンスターは俺が、後方のモンスターをグリット、ヴィーエンは必要に応じて支援、グドウは戦闘が終わるまでヴィーエンから離れるな」

「「了解」」

「はい」

「んじゃあ、いくぞ」


ーーーーー


「おらぁ!!」

「グギャァァァ!?」

「ほいっと」

「キャイン!?」

「瞬いたよ、気をつけて。【筋力増強〔パワストロ〕】


襲いかかってくるモンスターをイラプッドさんが殴り倒し、グリットさんが剣で斬り払い、ヴィーエンさんが支援魔法で2人の能力を底上げして戦いやすくしている。


「これが…モンスターとの戦い…」

「…一旦片付いたな。グドウ、ドロップアイテムの回収をしてくれ」

「は、はい!!」


呆けてる場合じゃない、スキルで素早く回収していく。


【ゴブリンの目玉×7】

【コボルトの牙×5】

【ビッグラットの爪×3】


こんなにドロップアイテムがあるとテンションが上がっちゃう!!

ゴブリンの目玉はちょっと気持ち悪いけれど…


「回収終わりました。それにしてもたくさんありますね、いつもこんなに落ちるんですか?」

「グリットがドロップアップのスキルを持ってる…が、今日は運がいいだけだな」

「ドロップアップと言っても効果は小だしね」

「あるだけありがたいと思ってほしいっすよ」

「ドロップアップを持ってる人がいると多く稼げたり?」

「多少はな、戦闘の回数が多ければその分ドロップする可能性が増える。だから俺たちは出くわしたモンスターは片っ端からぶちのめす」


まさにサーチアンドデストロイ…いや、探してはいないみたいだからエンカアンドデストロイ?


「ボス部屋までにそれぞれ15個は集めたいな」

「ここのモンスターは倒しやすいけど大したものは落とさないからね」

「ゴブリンの目玉なんて銅貨にすらならないっすもん…」


気持ち悪いだけじゃなくて買取価格すら低いゴブリンの目玉…でも、買取をしてくれるなら何かには使えるってことだよね?


「ゴブリンの目玉って何に使うんすかね?」

「全身黒い魔女みたいな老人がギルドから受け取ってるのを見たって人がいるみたいだけど…」

「まさに魔女だな」


…まさかあのお婆さんが?

怪しいポーションを作ってるって言ってたけど、モンスターの目玉を材料にしてるってこと?


「どうしたんすか?顔色悪いっすよ?」

「えっ!?だ、大丈夫です、ちょっと変な想像しちゃっただけなので」

「こんな気持ち悪い目玉が取引されてると聞けば変な想像もするわな」

「これを欲しがるなんて変な人もいるね」

「あ、僕も1個は欲しいかも…」

「「「えっ?」」」


ーーーーー


「これで15個ずつになりました」

「よし、ボス部屋に向かうぞ」

「そこまでに出るっすかね」

「そう簡単には出ないでしょ」

「…何か目的のモンスターがいるんですか?」

「カルバンクルっていうレアモンスターが出るかもしれないんすよ」

「カルバンクル?」

「額に宝石が嵌まってるモンスターで、その宝石が高値で売れるんだよ。このダンジョンで目撃情報があるから探してるんだ」

「今んとこ一回も見たことないがな」


レアモンスター…そういうのもいるんだ、僕も見てみたいな…ん?あれって?


「あんなにかわいいモンスターもいるんですね」

「かわいいモンスターだ?」


視線の先には銀色でエルフのように長い耳を持ち、尻尾がフワフワしてる小さい猫のようなモンスターがいた。

全体的にキラキラしていてまるで宝石みたいだ、ちょうどおでこにも宝石が…って!?


「「「「カルバンクル!?」」」」

「キュイッッ!?」


僕たちの声に驚いたのかカルバンクルが逃げ出そうとする。


「ヴィーエン!!」

「まかせといて、【眠りへの誘い〔リプーラ〕】」

「キュ…zzz」

「寝ちゃった…かわいい」


このまま眺めていても飽きないかわいさだ。

小動物が寝ている姿って良いよね、この子はモンスターだけど。


「起きないうちに倒すぞ」

「こんなにかわいいと倒すの躊躇うっすね…」

「倒さないと額の宝石は手に入らないよ?」

「…あの時みたいにやればもしかして?」

「どうしたグドウ、何かあるのか?」

「すみません、ちょっと失礼しますね」


カルバンクルのおでこに手をかざし、宝石だけを取るイメージでスキルを発動させる。


【カルバンクルの宝石×1】


「よし、上手くいった」

「へー、収納スキルってそんな使い方もできるんだ」

「ただ荷物を運ぶだけじゃないんすね」

「よくやったグドウ、倒して手に入れるとなるとうっかり宝石を傷つけることがあるからな」

「zzz…キュ…キュイー!?」


起きたカルバンクルは一目散に逃げていった。

起きる前に触ってみたかったな…残念。


「ボス部屋まではもうすぐだ、気を抜くなよ」

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