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臨時パーティー

「よいしょっと…これで全部です。確認をお願いします」

「…よし、間違いなくあるな。助かった」


とある日、タンドップさんは用事があるとのことなので一人で依頼をこなしていた。

受けた依頼は家を建てるための建築資材の運搬作業。

まともに運ぶとなるとだいぶ重労働なのだか…


「にしても、噂には聞いてたが収納スキルってのは便利だな」

「お役に立てたみたいでよかったです」


どうやら、この間受けた鉱石の採掘と運搬の依頼を出した人が僕の収納スキルのことを他の人に話して噂になっているようで、今日張り出されていた運搬系の依頼書には『収納スキル持ち大歓迎』と書かれているものが多かった。


「収納スキルって言えばただの荷物持ちだと思ってたが、重いものを運ぶときにはこんなに便利だったとはな…何で誰も思い付かなかったんだか」

「冒険者はモンスターと戦うのが花形って聞きましたし、冒険に出るとき以外に使うことには中々目が向かなかったんですかね」

「そんな風潮もあったか…冒険時に便利なのは分かるが、お前さんを見てると運搬作業の専属で収納スキル持ちが欲しくなるな」

「その場合は容量も重要になりますね」


僕の場合は神様からの特典で無限に入るけど、普通ならどのくらいの容量なのだろうか?

今回みたいなときは数十キロじゃ足りないし…


「なにはともあれありがとな。依頼完了の証明書だ、また縁があれば頼むぜ」

「はい、その時はよろしくお願いします」


ーーーーー


「依頼完了の証明書を確認しました。お疲れ様です、グドウさん」


受けた依頼を報告し報酬を受け取る。

報酬は銀貨5枚、スキルで仕舞って歩いて取り出すだけで五千円なら破格だよね。

運搬作業に限って言えば天職かもしれない。


「なあ、たくさんの物を仕舞える収納スキル持ち知らないか?」

「ん?たくさんかどうかは分からないけど1人知ってるぞ…て、ちょうどよくいるな。おーいグドウ!!」


呼ばれた方へ視線を向けるとポサートさんと知らない男性が一人いる、誰だろう?


「ポサートさん?何ですか?」

「こいつが収納スキル持ちを探しててな、俺が知ってるのがグドウだけだったんだよ。で、タイミングよく居たから呼んだんだ」

「お前が収納スキル持ちか」

「そうですけどあなたは?」

「俺様は【約束されし覇道】のリーダー、デンス・イラプッドだ」


腕を組み、鋭い目付きでこちらを見下ろすイラプッドさん。

歴戦の風格を漂わせている。


「タカラ・グドウです。それで僕のスキルが必要ってことは何かを運ぶお仕事ですか?」

「そうだ、これからパーティーメンバーと近くのダンジョンに行くんだが…いつも荷物を運ぶヤツが外せない用事でいなくてな、代打を探してた訳だ」

「ダンジョン…ですか」


いつかは行こうと考えてはいたけど、こんなに早くその時がくるとは思ってなかった…

モンスターと戦ったことがないのにダンジョンに行って大丈夫かな?


「すみません…僕、モンスターと戦ったことがないんですけど…」

「問題ない、あくまでもお前は荷物を運ぶ役だ。戦闘は俺と俺のパーティーメンバーに任せておけ」

「良い機会じゃないか?モンスターとの戦い方を近くで見れるんだ、良い勉強になるぞ?」


…そうだよね、何も知らないでいきなり戦うよりは事前に少しでもモンスターについて知ってた方が良いよね。


「…ぜひ受けさせてください、イラプッドさん」

「一時的とはいえ同じパーティーになるんだ、しっかり護ってやるから安心しろ」

「新人同士頑張れよ~」

「はい!!…えっ?新人同士?」

「いかにもベテランみたいな雰囲気だけど、約束されし覇道は結成されてまだ一か月くらいだし、メンバー全員がビギナーランクだぜ?」

「イドーガ!!なんで言うんだよ!?」

「別にいいだろ?バレるのが早いか遅いかの違いだぜ?」


パーティーの名前もそうだし佇まいがただ者じゃなかったけど…まだ新人冒険者だったんだ。


「でも、たとえ新人だったとしても僕にとっては先輩ですね。改めてよろしくお願いしますイラプッド先輩」

「!?…おう、任せろ」


ーーーーー


「こいつらが俺のパーティーメンバーだ」

「ヴィーエンだよ、よろしくね」

「グリットっす」

「タカラ・グドウです、よろしくお願いします。それで今回行くダンジョンはどんなダンジョンなんですか?」

「ダンジョンの名前は【瞬きの洞穴】、通称【新人の訓練場】だ」

「新人の訓練場?」


ダンジョンの名前はともかく、新人の訓練場ってどういうこと?


「ダンジョンってのはいつどこでモンスターが湧くかが分からない場所…なんだが、瞬きの洞穴だけはそれが分かるんだ」

「ダンジョンの名前の通り、中を探索してると時々光が瞬くことがあって、それがモンスターが湧いた合図なんだよ」

「かなり親切なダンジョンですね」

「周囲の警戒の練習になるかつモンスターもあまり強くないから、新人の訓練場ってわけっす」


ここまで新人冒険者に打ってつけのダンジョンがあるなんて…ん?


「…お話を聞く限りだと、収納スキルは別にいらないんじゃないですか?」

「そうでもないぞ。モンスターを倒しながら進んでいくとドロップアイテムがどんどんかさ張っていくんだ。飯代やら宿代を稼ぐことを考えるとどうしても拾うしかないんだよ」

「新人の内は少しでも多く稼がないとね」


僕も稼げる時に稼いがないと。

今は余裕があるけど、いつまでも続くか分からないしね。


「準備ができ次第いくぞ、今日の飯代と宿代を稼ぐ…いいな?」

「「「お~!!」」」

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