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異世界”半”転移譚  作者: 武ノ宮夏之介
第六章「瞬介の体育祭」
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3話「瞬介の体育祭③」

それは突然の爆発だった。


校門から聞こえた音に反応した俺は――トイレにいた。

教室側からだったら見えなかった光景は、角に位置していたトイレからはきちんと見えたのだ。目差し帽を被った複数人が2台の車から銃のようなものを持って校舎に乗り込んできた。


ここにいるのはたまたまだったが、まさか自分のせいでかと思ってしまうのは仕方ないだろう。

……こんなに大胆な行動に出ること自体、予想はしてなかった。


とりあえずこの状況から脱しなければ、そういえば結局誠太は来てるのか?


俺はトイレの大部屋に籠ってコミュニケーションツールを使って連絡を取る。


"誠太、教室にいるのか?"


その返しは早かった。


"いや、昼から行こうと思ってるからどうかしたのか?"


「……家にいてくれたか」


"なんか校門爆破されて、車が数台。強盗が何人も校舎に入ってきた"



と打ったところで、きゃーとか悲鳴が響き渡っていた。


"……お袋に連絡を入れる。瞬介はどこにいるんだ?"


"一階のトイレ。たまたまここにいた。とりあえず様子を見て行動に移す"


バタバタという音とともに、色んな所から悲鳴だったり怒号が聞こえたりその混乱ぶりはここまで伝わってきた。


"ばか、動かずにじっとしてろ。おいらもできることはなんでもするから"


"ん? 今なんでもするって"


"冗談言ってる場合じゃないだろ!"


「まぁそうだけど……、とりあえず静かになったら動くか」


今の俺は全力が出せるので、ちょっとやそっとじゃやられない。







瞬介が便所に待機している間も状況は動いていた。

教師は全員捕縛され、その様子に生徒は思った。

これは冗談なんかでもどっきりでもない状態なんだと。


いきがり殴りかかろうとした学生もいたが、銃で殴られると引き摺られた。

そして全生徒(瞬介、誠太以外)が連れていかれた場所は体育館だった。

全員が指に結束バンドで拘束された。


「全員、静かにしろ」


どこからか持ってきたマイクで全生徒を制した。


「安心しろ、お前たちに危害を加えるつもりはない。だが――」


そうして溜めたところで犯人らしき人物は怖い声で言い放った。


「大人しくしていることが前提だ。いいか? ……分ったな」




一方その頃、外は大騒ぎになっていた。

どこのテレビ局も生中継で、高校という舞台での全生徒を人質に取った立てこもり事件というスクープに誰誰が不倫していたというニュースから速報で、ヘリまで飛んで報道が行われていた。


当たり前だ。

まず絶対にありえない複数人による謎の学校襲撃立てこもり事件なのだ。


誠太の母親、恵子はこの状態に苦虫を噛み潰すかのように苦い顔をしていた。


「……誰よ、喋ったの。にしても――」


誠太からの一報はとんでもなかった。

最初は何の冗談かと思ったが、影で瞬介をガードしていた刑事からも同じ情報が恵子の下に入ってきたのだ。


この状況はもうすでに瞬介を狙っているというのがこれで確定的なのだ。

今までこの状況で巻かれていたのだが、ここまで強引に犯行に及ぶのには何か理由があってのことだろう。……ただ予想外なのは瞬介1人に大してのここまでの大胆な行動力だったのだが。


「瞬介くん、無事でいなさい」


そうつぶやくと、恵子は指示をしながら犯人からの要求を待つことにした。







「手が早いな。もう周囲を囲ってるのか」


トイレから見える範囲、校門からグラウンドまでにはびっちりと警察や報道陣が囲っていた。外ではヘリも飛んでいる。


「……さて」


俺はスマホで、ニュース映像で情報を探っていた。

どこにどういう風に配置されているのか、それによって俺がどう動くべきかを探るために。


幸いと言っていいか、どこのチャンネルもこの事件についてやっているし、ヘリも飛んでいるので犯人たちが生徒や教師たちを全員体育館へと連れていく様子も知った。


ここから感じる気配は、圧倒的に体育館からだがポツポツと数人ずつで行動しているのを感じる。


とりあえず俺としては、この数人ずつを潰していったほうがいいだろうと思っている。だが――


「まずは相手が"どこの"奴らなのか……」


異世界側で見た銃、あいつらが持っているその武器に見覚えがあった。

あの時護衛がぶっ放したあの経口とか、造りが独特だったので覚えている。

ということは――


「……まさか異世界へ行く手段、……持ってるのか?あいつら」


どうやら色々と解明しなければいけない謎があるみたいだ。

そのためにやることを俺はしばらく考え、そして行動に移すためにあることを誠太たちに頼むことにする。


誠太と悠人。


まず絶対的な味方である2人がいなければというある作戦。

今まで半分の力でしか判断できなかったが、今の状態では全力で望める。

そんな状態でこの急場を凌ぐ方法は――




俺は誠太と悠人にコミュニケーションツールで作戦を立てると、早速動くことにするのだった。


さあ、うまくいってくれよという思いと共に。


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