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異世界”半”転移譚  作者: 武ノ宮夏之介
第五章「全王会議」
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5話「全王会議⑤」

こうして3日間が経ち、3日目に入る前に寝て現実世界で一日時間を潰してこちらへと再び戻ってきた。これで、向こうでは起きたら2学期が始まる感じだ。


王への謁見のドレスコードは、セルスさんに相談して決めてもらった。

幸いというかなんというかお金はいっぱい持ってる。報奨金どころか、まだ前回の報酬金すら使いきれてないのだから。


「シュンスケ様、お迎えが参りました」


「あ、うん」


ということで、俺たちはそれぞれ着飾り――フィーナはそのままだし、メジェネアは素足のままだが――馬車に乗って一路王城へと向かった。


暇があれば瞑想してることに慣れてしまったが、さすがに王への謁見前まで瞑想はとラビィに嗜められたので馬車の窓から見る景色を見て過ごす。




王城もどでかい城だった。

正面から入る際に――


「冒険者パーティHalfass(ハーファス)ご一行、到着!」


という声が聞こえた。

入門の際、こうやって叫ぶのかな?

……毎回叫ぶ人大変そうだな。


そうして俺たち一行は城の中に入り、そして謁見前の待機室という場所へ案内された。しばらくそこで待たれるようにと言われたのでコーディを撫でながら待っている。


「緊張されてますの?」


「そ、そりゃあ……俺の世界で言えば首相に会うようなもんだから……」


「首相?ですか?」


「まぁその……この国の王みたいな人で……いや実際にはもっと上が――」


思ったが、うちの国って色々面倒臭いな。

君臨すれども統治せずの皇帝がいる国なんて……皇国シエンが同じかな?


とりあえずラビィと話してはマナーなんかのやり取りをしていると、俺の番が来たということで王の間へと移動した。


そして――


「あんたが人間の王? ふーん、まぁいいわ! そこをど――もがもが」


このバカクソ妖精!

見ろ、居並んだ貴族たちも圧倒されているし、王に至っては……笑ってる?


「よいよい、妖精殿。よくぞいらっしゃった。シュンスケだったな、近う(ちこう)」


といって、こちらへおいでおいでしてきたので王の前まで向かってまず謝った。


「も、申し訳ありません。このバカ妖精には後で言って聞かせますので!」


「よい。妖精女王からもその妖精殿については聞いておる。こたびは――」


それから砂国の封印を解除したことについて礼を言われた。

そして――


「そのほう……いや、そちらが2万5千年前に自らを主として封印した女王陛下か」


「ああ、そうなのじゃ。わらわの名はメジェ・ネ・アラシア21世。今や冒険者のメジェネアじゃ。よろしゅうにな」


いや、お前もかよ!

と俺が何か言う前に王様は納得したように答えた。


「うむ、血塗られし魔物の件お聞きした。また今回の件で砂国との交易も始まり感謝に絶えん」


そういうとゆっくり礼をした。

いや、王様がそうポンポンと頭を下げていいのか?


だが考えてみたら、2万5千年も前の人が目の前にいるわけだし、メジェネアにとっては子孫級の未来の人間だからこういう対応もありえるのかな?

と、ぼけーっとしているとラビィが突いてきた。


あ、しまった。


「そ、それで、今回の件について……」


「そうだったな。こたびの護衛もお主たちにまかせようと思っておる。しっかりな」


ということで護衛の件を改めて、王様から依頼されそれを了承する形で謁見は終えた。


……なんだろう。

フィーナの一言から始まり、メジェネアの王に対する対等っぷりで俺はただぼーっとしてるだけのような謁見だったように思う。あれで良かったのかな?







「陛下! よろしかったのですか? 例え前女王と言えど、今は取るに足らぬ冒険者ですぞ!」


「ほう?ならば、それを伝えてくるがよい」


「い、いやそれは……」


「よいか? 相手は前女王といえど砂国にとっては伝説の女王陛下。そんな方が冒険者となったと言っても、あちらにとっての重要人物だ。友好国としてあちらとの関係を築けるのもこういう場にきてくれたのも、あの少年――いや、英雄殿のおかげだ。努々履き違えるでないぞ」


「それに、当人は恐縮しきりで陛下への失礼な態度もとられておらなんだ」


「確かにそうですが……」


「まぁお主らの気持ちも分からぬでもない。しかしな、今回の――」


という感じで瞬介との謁見について、王は貴族たちに語るのだった。







屋敷に着いて、俺は重いため息を吐いた。


「やっと終わった……。フィーナはまだしも、メジェネアの奴」


「それは仕方ありませんわ。あの方は生まれからしての王族ですもの」


「それもそうか……それで、どうだった? 俺の対応っていうか」


「よろしかったのでは? さすがに少し緊張がすぎておりましたが」


「そ、そりゃあ普通の高校生――冒険者からすれば仕方ないというか」


「コウコウセイ?」


「いや、なんでもない」


とにもかくにも、無事に謁見が終わったということであとは出発の日までゆっくりしてていいそうだ。

と言っても、俺は鍛錬と瞑想ばっかりだが……。


ちなみにスパーリングというか、ラビィとリンスとは一日一回は試合形式で模擬戦をしている。今のところ全戦全敗だが……。

何せ相手は迷宮攻略を独力でこなしてきた百戦錬磨だ。

普通の高校生の範疇を超えつつあるにしても、俺からすれば遠い存在だろう。


王都の協会本部というところも見学してきたし、城下町も一通り見て回り色々とあったがとうとう王がここを出発する日がきたのだった。


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