2.今後どうするか(チャールズ)
両家の集まりで突然アネットの婚約者のポールが、「アネットとの婚約を解消して、ジャネットと婚約したい」と、言い出した。
「は?何を言ってるんだ、ポール君。今日は、君とアネットの結婚式の打ち合わせを…」
「すみません、おじさん。僕はジャネットを好きになってしまいました。ですからアネットとは結婚できません、代わりにジャネットと結婚しますので、どうか許して下さい」
「ごめんなさい、お父様。私達愛し合ってるの」
2人で頭を下げる様子に、一気に頭に血が上った。
「ふざけるな、貴様!貴族の婚約を何だと思っている!!」
胸倉掴んで怒鳴るが、相手は堪えない。
妻や息子のエディやポールの両親も、ポールを責めたてて撤回しろというが、ポールは首を横に振る。
「すみません、おじさん。でも気持ちは偽れません、僕はジャネットを愛しているんです。アネットには申し訳ないけど、この婚約は共同事業の為のものですし、同じ家の者なのだから、アネットからジャネットに代わっても、何の支障も…」
そこまで言ったところで、我慢の限界がきて、殴り飛ばした。
「そういう問題じゃない!アネットの気持ちを、踏みにじりやがって!!」
アネットがずっとポールに恋をしていた事は、家族全員知っていて、応援していた。
二人が一緒にいる姿を見て、微笑ましく見守っていたものだ。
(それを…よくも)
再び怒りがわいて、殴ろうとした時、ジャネットが止めに入った。
「やめてお父様、彼だけのせいじゃないわ。私達愛し合っているの。お願い許して」
半泣きで止めに入るジャネットにも、怒りがわいた。
「何が許してだ!絶対に許さん!」
そこまで言ったところで、アネットが倒れるのが見えた。
「アネット?」
「きゃああああ、アネット!」
「アネット、しっかりしろ!」
慌てて抱き起すと、アネットは気を失っていた。
「アネット…」
「アネット…可哀想に」
「父上、今はアネットが最優先です。この2人の事は後で考えましょう」
「あぁ、そうだな」
エディの言葉に、冷静さを取り戻した。
(そうだ、まずはアネットの事を考えなければ)
「とりあえずアネットを部屋に運んで、あぁ医者も呼ばなければ…。すまないが、今は話し合いができる状態じゃない。今後の事は後日にしよう」
「確かにそうだな…。アネットちゃんには、申し訳ない事をした」
「本当にごめんなさい、息子の教育が行き届かなかったばっかりに…」
ポールの両親が頭を下げるが、今は謝罪を受け取る気にもなれない。
「とりあえず娘が目を覚ましてから、改めてご連絡しますので今日の所は…」
「はい、失礼いたします」
「アネット…ごめんよ、僕のせいで…。おじさん、アネットは僕が運びます。僕のせいだから…」
「お姉様…ごめんなさい」
アネットを抱き上げようとすると、ポールとジャネットがふらふらと近づいて来て、アネットに触れようとする。
咄嗟に怒鳴りつけた。
「触るな!貴様らに、アネットに触れる資格などない!エディ、ジャネットを部屋に連れていけ!私がいいというまで、一歩も出すな!」
「お前もだ、ポール!帰ったら話がある!」
ビクッとする2人にはもう見向きせず、アネットを部屋へと連れて行き、医者を呼んだ。




