12.護る強さ 2
すみません!投稿日時を間違えていました!本日投稿します!
「ルディ!?」
「兄様!」
「ルディさん!」
シーダにソフィスティア、リリオが驚いて声を上げる。
「この小銀貨は君にあげるから、俺が勝ったら少し付き合ってくれるかな?」
「……いいでしょう」
少女はあからさまにルディを警戒していたが見るからに戦い慣れてないルディの様子に負けは無いと判断してルディの申し出を受け入れた。
「ありがとう。俺の名はルディって言うんだ。君は?」
「私はトモエと言います」
ルディの名乗りにサムライの少女・トモエもまた律義に名乗り返す。
「それじゃあトモエ?ヤマトでは試合の時にお互いに一礼するのが礼儀だって聞いたから勝負は一礼してから開始という事でいいかな?」
「ヤマトの流儀をご存じなのですね。わかりました。では……よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
二人は静かに頭を下げると何も言わずに対峙する。
ルディは全身の力を抜いて立っていた。その姿にトモエが警戒を強める。
(なんて完璧な自然体。見たところ何かの武術に長けているようには見えないのに……。この不自然さは何?)
注意してルディの動向を見ているトモエに一瞬でルディが肉薄する!
(はやい!)
想像を超えた速さに驚いたトモエが思わず腰の刀を抜こうとする。その瞬間!
パァン!
トモエの顔の目の前でルディが両手で柏手を打った!
驚きながらも身についた動きで一瞬で刀を抜き放つトモエ!
それを驚異的な反応速度で上体を反らして躱すルディ。
(躱された!?)
刀を振り切って空いた胴体にルディが軽く拳を当てる。
ポスッ!
「俺の勝ちだね」
こうしてルディ対トモエの対決はルディの勝利で終わった。
その後、トモエを連れてルディ達は街の食堂に来ていた。
「さぁトモエも食べて!お腹空いているでしょ?」
「で、ですが……」
「お金の事なら気にしなくていいよ。それに、持ち合わせも無いんでしょ?」
その言葉にトモエがひどく顔を赤くするとその場で俯いてしまう。
「どうしてわかったんですか?」
「あの手の大道芸の場合、ちゃんと賞金を用意してある方が珍しいよ。まして少額ならともかく賞金の額が高すぎた。だからきっと高額賞金で人を集めるつもりなんだなってすぐに気づいたよ」
その言葉にトモエはますます恥じ入るばかりだった。
「腕に自信があったんだろうけど危ない橋を渡ったね。もしも他の人に負けてお金が払えなかったら今頃どうなっていたか……」
「ごめんなさい……」
「もういいよ。さぁとりあえずは冷める前に頂いちゃおう。俺もお腹ペコペコなんだ。神経使ったからね。……女神様からもらった肉体じゃなければ今頃また昇天してたよ……」
ルディは小声でそう独り言ちるのだった。
食事をしながら各自簡単な自己紹介を済ませる。
トモエは剣の修行のために大陸に渡り、武者修行を続けながら旅をしているという事だった。そのため同じく東方出身で武者修行中のアヤメとはすぐに意気投合していた。
年齢は17歳とアヤメよりは少し上なのだがお互い女の身で武芸者という事もあり年の差を忘れてお互いの苦労話にうんうん頷いていた。
その横で少しだけリリオが面白くなさそうな顔をしているのがルディには微笑ましかった。
「ところで毎回あんなことをしているのかい?今まではどうやってお金を稼いでいたの?」
「毎回ではありません。今までは宿で食事の手伝いや繕い物の仕事などをさせて頂いて路銀を稼いだりしてました。もしくは強さを競う大会とかがあればそれに出場してその賞金を頂いたりしてました。もっとも大きな大会はなかなかありませんので魔物退治等の依頼を受けたりもしてましたが……」
「前半はともかく見かけによらず随分危ない事をしてるなぁ。さっきもそうだけどいくら腕が立つにしても女の子なんだからやり方は考えた方がいいよ?」
ルディは心配してそう言ったのだが、トモエはその言葉に急に顔を暗くするのだった。
「……やっぱり、女が強くなりたいと思うのは間違いなのでしょうか?父様が言ったように女は嫁に行って家に入り、子供を産み育てて家を守るのが正しい姿なのでしょうか?」
ヤマトは古来より男尊女卑の国だ。男は戦で身を立てて王より土地をもらいその土地を耕して生活するのだ。
そのため家督は男が継ぎ女は嫁に行き家と家とを繋ぐための道具の様に扱われることが多いという。なのでトモエの様に女でありながら剣の修行を積んでいる人間はヤマトではそう多くない。
「もし良かったら詳しく話を聞かせてくれるかい?」
ルディがそう声をかけると「つまらない話になりますが」と前置きして話始めるのであった。
次回投稿は2月7日(日)の13時の予定です。




