11.護る強さ 1
お久しぶりです。勢いだけで書き上げたのでいまいちかもしれませんが良かったらお読みください。
今回も全4部の構成になります
ルディ・パーティ(本人は勇者パーティと思っている)は新たにアヤメとリリオの二人を加えて旅を続け、次の街へと辿り着いた。
「さて、この町でもまた調味料やその他食材を買い込んでいかないとな。女の子ばかりで食べる量が少ないとはいえ人数が増えたからなぁ。減りが早い」
「なによ?私たちのせいだとでも言うわけ?」
「すみませんルディさん。私たちもお金は出しますから」
不満そうな顔をする姉のアヤメと申し訳ない顔で謝る妹のリリオ。
「私はお金が無いから、またルディと一緒にお金稼ぐわね」
「サラに協力してもらえるのはありがたいけどサラもアヤメ達もお金の事は気にしなくてもいいよ?当座のお金はシーダ達から預かっているし私もアウロラ様からもらったお金があるから贅沢三昧を続けなければ当分余裕だし」
ルディは魔王退治の旅の時もパーティの金庫番であった。彼が締めるところを締めなければ旅の途中で路銀が尽きて魔王退治どころではなかっただろう。
「なら私たちのお金もルディさんに預けます!」
「ちょ、ちょっとリリオ!?」
「姉さんはすぐにお金を使ってしまうでしょ?それに食事の準備はルディさんが中心でやってくれているんだから最低限必要な分は除いてお渡しするのが当然でしょ!」
「なら私も稼いだお金はルディに渡すわ。でも欲しいものがある時は相談に乗ってもらえるかしら?」
「それはもちろんだけど・・・別に無理に渡さなくてもいいよ?シーダ達は……その……世間の相場を知らなかったから預かってただけなんで……」
「仕方ないでしょ!お金なんて使ったことが無かったんだから!」
「私もです。……教会では見たこともありませんでした。そういうものがあるというのは知っていましたが」
「私も実家を出てからは寮暮らしだったからな。それに任務が忙しくてお金を使う暇もなかったしな」
「私はちゃんと知ってるわよ?一緒にしないで」
「ウルザの場合は相場を知っていても欲しいものは金に糸目をつけずに買うじゃないか!余計に質が悪いよ!」
シーダは王女でソフィスティアは聖女とある意味俗世離れしてるし、アーデも元は貴族のご令嬢だ。自分で買い物など殆どした事がない。
ウルザはさすがに世間慣れをしているが研究に必要なものは際限なく買ってしまうためお金を持たせられない。
その結果ルディが金庫番になり、買い物を含めた一切合切の雑務をこなすようになったのが前世でのルディの役割であり、それは今も続いていた。
「それにしてもリリオが料理できる子で本当に助かったよ。流石に8人分の料理となると疲れるからね。いつも手伝ってくれてありがとう」
「そ、そんな。私なんて……」
リリオが頬を赤らめて俯く。ルディはその先にあるソフィよりは小さいが十分な大きさを誇る果実から目を背けた。
「リリオの胸ばかり見てるんじゃないわよ!」
アヤメがことさらに自分の妹とは真逆の胸を反らしながらルディの足を蹴り飛ばした!
ちなみにアヤメとリリオは15歳。髪はシーダよりもより深みのある黒髪で、アヤメが右側、リリオが左側で肩より下まで伸びた髪をサイドテールでまとめている。
胸の大きさはアヤメがシーダよりも少し小さく、リリオがアーデやウルザ並みに大きい。ただし身長が年相応なのでソフィと同じく胸や発達した腰つきが妙に際立つ。
だからリリオは一人でいるとよく変な男に絡まれるらしくなるべくアヤメはそばにいる事にしているのだそうだ。
「ルディのエッチ」
「兄様、私でしたら構いませんから……ど、どうぞ」
「いやいやそんな目で見てないから!」
ルディはシーダとソフィにそう言い訳しながらとりあえずお店を探すべく街の中央へと歩いて行くのだった。
街の中央はお決まりの広場になっていた。すると広場の一角で何やら人がにぎわっているのが見受けられ、全員が思わずそちらに目を奪われる。
どうやら何かやっているようだ。
道化師としては見過ごせないと早速向かうルディの後を追う女性陣。向かった先には一人の美少女が立っていた。
「さぁ!決められた時間内に私に一発でも当てられた方には賞金として大銀貨5枚を差し上げましょう!ただし勝負される方は前金で小銀貨1枚をお支払いくださいね!どなたかいらっしゃいませんか?」
腰まで伸びた艶やかな黒髪、腰にはわずかに反りのある長剣が差してあり、来ている服も前で左右を重ね合わせる感じの上衣とロングスカートとズボンが一つになったようなものを穿いているという珍しい出で立ちだった。
「あれはヤマトの武芸者ね。着物に袴、腰には刀。典型的なサムライの格好ね。でも女の武芸者なんて珍しいけど」
「ヤマトっていうとアヤメ達の国のはるか東、海を渡ったところにある島国だったよね?師匠から話は聞いたことがあるよ。師匠はそこで『水芸』と運命的な出会いをしたんだ!って熱く語っていたから」
「……ホント、あなたの師匠って何者なの?氣功だけじゃなくて海を渡って水芸まで覚えてくるなんて……」
「あれがサムライ。彼女……かなりの腕ね。立っているだけなのに隙が無い」
「サムライとは昔戦ったことがありますが、彼らは盾を持たない代わりにあの刀を用いてこちらの攻撃を躱したりいなしたりして相手の態勢を崩し、反撃してきます。時にあの刀という武器の切れ味の鋭さは腕の立つものなら鉄でも切り裂くそうですよ」
東方出身のアヤメが細かく説明するとルディやシーダ、アーデが各々感想をもらす。
そうして見ている内にひとりの男が少女に勝負を挑んだ。男の目線が彼女の大きく膨らんだ胸元をとらえていた事から勝負にかこつけてよからぬ狼藉を働こうと考えているのが誰の目にも明らかだった。
しかし結果として、男は目的を果たすことが出来なかった。
いざ勝負が始まると、少女は腰の刀を抜くことなく見事な体裁きのみで相手の攻撃を避け切り、指一本触れさせることが無かった。
「時間です。ここまでですね」
少女が礼儀正しく一礼すると、次の対戦相手が現れた。
「なかなかやるようだが俺はそうはいかねぇぜ?」
「あ、フラグ」
「フラグって何ですか兄様?」
「なんか『お決まりのパターン』ってやつらしいよ。この場合は男が負けるパターン」
ルディの言う通り、男は結局フラグを回収して終了。最初の男よりは善戦したとだけ言っておこう。
「次は俺だ嬢ちゃん」
今度はいかにも悪っぽい男がニヤニヤしながら現れた。
相手が類まれなる美少女なのと、着物の下の隠しても隠し切れない膨らみが次々とよからぬ男たちを呼び込んでいる気がする。
しかも今度の相手は手に何かを仕込んでいる。
サラはそれに気づいてルディの顔を見る。
当然それに気付いていたルディが、試合開始と共に即座に拾った小石をその手にぶつけた。
「がっ!?」
男の握った拳からは砂や砂利が零れ落ちた。おそらく開始と同時に投げつけて視界を奪うつもりだったのだろう。
「卑怯な!」
少女はとっさに腰の刀を抜き放つと一刀のもとに切り伏せてしまう。
「切った!?」
「いや、刃の方ではなく逆むきです。峰打ちというやつですね」
シーダの勘違いをアーデが正す。
少女は一瞬で刀を抜き放つと同時に刀を返して打ち付けたのだ。しかし一連の動作が速すぎて男が切られたように見えたのだった。
「勝負事とはいえ許せません。反省してください」
刀を鞘に納めつつ少女が男に言い放つ。
「他にどなたかいらっしゃいませんか?」
そう問いかけても目の前で少女が見せた腕前に、男たちは明らかに尻込みし、そそくさといなくなるのであった。
「もう少し稼ぎたかったのですが、仕方ありません。ここまでにしましょうか……」
「俺が挑戦するよ」
そう言って少女の前に立ったのは小銀貨1枚を手にしたルディであった。
次回投稿は1月31日(日)の13時の予定です
ちなみに大銀貨一枚で10万円、小銀貨一枚で1万円です。大銅貨1枚(1千円)にすれば良かったかな?




