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BLACK&WHITE  作者: 鷹雪
DEADMAN CALLING
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もう1人の探偵(ヒーロー)

よかったら一読後、感想その他を残していっていただけると嬉しいです。

 冷めたコーヒーに舌をチロチロと出して舐めながら、アインは警察署の中にある娯楽室の隅で、体を縮めるようにして落ち込んでいた。

 あの場では自分がリーダーで、そしてああいう事態にならないようにもっと心配りをしておく必要があったのだ。それを、よりにもよって上手くいったからとまさしく犬のように尻尾を振って自分で報告などしていたから、こんなことになってしまった。

 証拠は警官が自らの手で損壊。さらに、それをみたパトリオットはすっかり別人のように大人しくなってしまい。人格崩壊したなどといわれたら、どうしようというレベルだ。


 戻ってきた時、警部は言葉少なくねぎらいの言葉をかけてくれたが。その表情は曇ったままであったから、本音は一目瞭然である。

(うう、またミスってしまったッス)

 噂ではなんでも司法省がこの話を聞きつけて、偉く腕の立つのを送りこむという話をさっき聞いた。おかげで楽天的な性格をしているアインも、こうして落ち込んでいるしかなかった。


「ありゃ、毛むくじゃら。ここにいたんだ!」

「……ああ、イハラ刑事じゃないッスか。なんか用ッスか?」

「君を探していたんだよ、毛むくじゃら君。さぁ、お姉さんとデートしよ」

「……今日もまた、とびきりウザイっすね。まだ仕事中ッス。それにあんたは職場恋愛禁止が出てるでしょーよ」

「ほらほら、気にしない気にしない」


 そう言ってアインの腕つかんで気やくす引っ張りながら、あいての”女性”は明るい笑みを浮かべている。

 このお姉さん(お兄さん?)はイハラ刑事。風紀課の刑事で、元は殺人課でバリバリ活躍していた。

 だが、ある日のことである。この人は肉体の変調をきたすと、それこそ一回転では済まないような凄まじいあらゆる価値観を崩壊させる経験をしてしまう。

 その辺の説明をすると色々とドラマを語ることになるため省略するが、とにかく色々あって殺人課を放り出されたこの人はサンダーランド警部などの計らいにより、風紀課なら”色々な意味で”都合が好かろうという事で今はそこで”毎日を楽しく”仕事をしている。


 イハラには夜、近づくな。誘いには絶対に乗るな。

 これはここで明日を生きるための重要なルールの1つにきっちりと追加されている文言である。

 超人になった事で”性別”を好きに変更できるようになってしまったこの人は、気分か、ホルモンバランスかは分からないが。毎日を男、女と変化させて”夜の生活”を楽しんでいることでも有名だ。

 ここに務める男も女も、イハラの顔を見てムラムラしたら体の方をしっかりと確認する必要がある。性別を変化させ、フェロモンで相手を魅了するアフロディーテの息子のごとき迷惑なこの刑事は、本人の意思を無視して誘惑してくるのだから。



 イハラに引っ張られて連れて行かれた先は、よりにもよってサンダーランド警部のオフィスであった。

 正直言えば、アインはここで回れ右をしてしまいたい欲求にかられたものの、ダ―クハートが部屋にいること気づきその衝動をなんとか押さえることができた。


「イハラ、毛むくじゃらと一緒にお呼びにより参上しました―!」

「よし、良く来た。2人とも」


 この程度の事で、怒鳴ったりしたりはしない。こちらの肉体に触れようとしなければ、基本的には怒らないようにしているのだ。


「お前達に来てもらったのは他でもない、聞いてるな?馬鹿が留置場にいるが、それを血祭りにしてやろうと検事がこちらに向かっている。

 お前達は今からこの件の専属という名目を与えるから、捜査に協力しつつ、彼女の邪魔をして時間を稼げ。ついでに、真犯人も見つけるように捜査もしろ」

「……あー、良くわからないッス。どういうことなんで?」

「それは、俺から話そう」


 横からダ―クハートが口を出してきた。


「知っていると思うが、パトリオットの今の状態は危険だ。バットを振りまわさないからと思うから”普通”は安全と考えるのだろうが、奴が危険なのはこうした状態のときがヤバイ」

「ええーっと、そうなんすか?」

「例をあげて説明しよう。今のヤツの状態なら、何を言っても、何をやっても、問題ない。言われたことはすぐに聞くし、素直に全部答えるだろう。つまり、検事がここに来て『あなたが殺したのですか?』と聞けば『あなたがそういうならそうかもしれない。いや、きっとそうだと思う』と躊躇いなく答える。弁護士をつけても多分結果は同じだ。

 『黙れ』と片方に言われれば多少は戸惑うふりもするだろうが、結局は聞かれたことを肯定してしまうだろう」

「つまり……『はい』『はい』と素直に全部認めるようになる、ということでいいッスか?」

「まぁ、そう単純に理解してくれて構わない」

「質問でーす!それなら、アタシが今口説いたりしちゃったりすると、それも応じてくれるってこと?」

「……酷い質問だが、その通りだ。今ならお前の性別がどっちだろうがお構いなしにお前を抱くだろうし、抱かれるだろう」

「ワオッ!」

「興奮するな、阿呆が!お前は任務を与えているんだぞ。そんなアホな事を始めたら、今度は売春宿の潜入捜査に回してやる!!」

「それー、ヤバいからって前にはずされたんですけどー」

「話を戻そう。今のあいつは、事件の捜査に混乱をもたらすだけの迷惑な奴でしかない。しかも、この先のどこかで必ずまた”元に戻る”ことになる」

「また、暴れるようになる、と?」

「表現としては正しくないが、その通りだ。それがいつなのかは誰もわからん。今日の午後かもしれないし、明日かもしれない、来年なのかもしれない。だが、とにかくまたバットを持って暴れだす」

「迷惑千万ッスね」


 思わず、アインはうんざりした声を漏らしてしまうが、サンダーランド警部はその言葉を叱らずに同意した。


「同感だが、とにかく今はなんとかする必要がある。捜査を進める前に検事がしゃしゃりでてきて、当て推量で捜査をかき回されたらかなわん。お前達は、なんとしてもそれを阻止しろ」

「でもー、聞けば優秀な人らしいじゃないですかァ?邪魔しても意味ないかもしれませんよ?」

「だから邪魔をすることが重要なんじゃない、時間を稼ぐことが必要なんだ。お前達は検事の判断を遅れさせ、最悪の事態がおこらんように努力して貰う」

「ふーん、それでいいんですかね?捜査の方も自分達が?それとも警部?」

「いや、俺はどうせ身動きが取れなくなるだろう。そこで、今回は外部の力を借りて変則でいく」

「おおっ、それでダ―クハートの登場ってわけッスか?」


 だが、アインの弾む声に対しダ―クハートは首を振って否定する。


「いや、悪いが俺は力を貸せない。はっきりいうが、これが終わったら俺はすぐにこの町を出て騒ぎが終わるまで戻らないつもりだ」

「え?」

「ついでだから言っておく、アイン。お前の指示に従わずに勝手なことをしでかした2人には今日から有給休暇を取らせて追い出した。あいつらもこの町にはすぐに出ろと言ってある。この件が終わるまでは、戻ってこないことになっている」

「ど、どういうことなんスか?」

「魔術的なことだ。説明はできるが、そんなの聞いてもよくわからんだろ?

 とにかく、俺は町を出てその2人が変な気を起こして戻ってこないように見張る。だから、俺が捜査をすることはできない」

「ありゃー、じゃどうする?」

「心配ない、イハラ。この不気味な探偵とそう変わらないが、もう1人楽しい奴がいる。そいつに頼むつもりだ」


 サンダーランドが指を指すのでその手を払いのけると、最後にダ―クハートはその探偵について口にする。


「奴の名前は…………」



▼▼▼▼▼



 その頃、エグザイルは真っ暗な部屋にある電球をつけると「いいわ、入ってきて」と後ろに声をかける。

 すると何かを手にしっかりと持った魔法使いの弟子であるコーラ=ビーティがゆっくりとこの地下室への階段を下りてきた。

 2人は中央で向き合うと、エグザイルが口を開く。


「さて、電話でも話したけど、急いでいるの。単刀直入に聞くから簡潔に答えて頂戴。持ってきてくれた?」

「はい」

「わかった、ありがとう。即金で払うわ。それで悪いけど、今すぐこの部屋の中で使ってほしいの」


 いきなりの申し出であったが、コーラ=ビーティは特に慌てるでもなく自分を指差して『自分が使うのか?』と疑問を投げかける。


「そうよ、最初に言ったけれども急いでいるの。私はあいつじゃないから”それ”を使えないけれど、あなたなら使える。そうよね?」

「確かにそうです。しかし、この場合は別途ガイド料という形で追加料金が発生しますが?」

「当然よね。払うわ。今すぐ始めて」

「では、灯りを消してください」


 すぐに2人のいる地下室は真っ暗な闇に落ちる。

 するとなにか陶器のようなものが奏でる独特のカチャカチャと音がすると、ポゥと薄明かりがついて地下の闇の中にわずかな灯りてらされる。

 それは魔法使い達が使う呪具の1つで、一般的には”心伝香”と呼ばれている。正式には長くて仰々しい名前があるのだが、言うのが面倒くさいと言う、たったそれだけの理由でこう呼ばれるようになっていた。この呪具は、まだ世の中に電話が無かった頃、時と場所を問わずに互いが連絡し合うのにこれは使われていたものだ。

 時代が流れ、便利な世の中になってもこういった品々は、”その筋”の人間に今だに使われ続けている。なぜ彼等がこれを使うのをやめないかというと、電話と違い”絶対にのぞき見されることはない”という安心感があるからだった。


 香炉より立ち上る煙が、ひと際多くあふれ出るのを確認するとコーラ=ビーティは「できます」とだけ短く口にする。


「それじゃ、今からいう2人を呼び出してみて頂戴。1人はデッドウーマン、もう1人はコピーキャット」

「わかりました。ただ、彼等に話しかける時はこちらの状況を伝えることになります。つまり、もしかしたら相手がこちらを不審に思って応答を返さない場合がありますが?」

「どちらも顔は知っているけど、確かにそういう反応もあるでしょうね。とにかくやって頂戴」


 「わかりました」などといつもの調子で答えることなく、コーラ=ビーティは黙って指示に従った。

 わずかな沈黙の後、「反応がありました。このままお待ちください」と口にする。

 この頃になると、香炉から吹きだす煙が空中に散る時間が遅くなり、ゆっくりと吹きだまりのようなものを作っていく。そして、そこにゆっくりと人の顔が煙にレーザーを照射して映す青白い光のCGのようjに浮き上がらせてくる。


 それは髪をばっさりとボーイッシュにした小顔で、それにしてはやけに大きな猫を思わせる釣り目の女性が現れてきた。


『これはこれは、驚いた。本当にエグザイルなの?』

「そうよ、呼びかけに応じてくれてありがとう、デッドウーマン。唐突で悪いけれども、助けてほしいの。トラブルなのよ」

『そのようね。ならひとつはっきりさせて、依頼主はあなた?それとも”彼”?』

「そういうのは……向こうとあとでやって。デート券でも、食事の約束でも、好きに……」

『あら?あなたの元からさらってもいいって話よね?』


 いささか話が危険な方向を向いているようだ。話しているエグザイルの顔に変化は全く見られていなかったが、逆に”ガイド”に徹しているはずのコーラ=ビーティの眉間にはビキビキと音を立てるように皺が寄ってきてもう少しすると憤怒の表情が出来上がりそうな勢いである。


「悪いけど、こっちは本当に助けがいるのよ。力を貸してくれないなら、時間の無駄よ。話もここまでってことになる」

『んん、珍しく真面目じゃない。それならまず話を先に聞こうかしら』

「うちの町にいるカーネル”サウザンド”パトリオットって知ってる?」

『新聞やテレビで見たことがある。それってあれでしょ?”彼”が自分が面白いからといって周りを巻き込んで”飼っている”っていう愛玩動物の自称、ヒーロー』

「……まぁ、訂正を入れたい部分は多々あるけれど”だいたいは合っている”わね。そう、そいつに問題が発生したわ」

『興味はある。話して』


 エグザイルは先程連絡を貰ったダ―クハートの情報を簡潔に相手に伝える。すると、さっそく相手のデッドウーマンは疑問を口にした。


『そのペット君が殺した?それはないわね、だってあれは”そういうことはできない”から”飼っている”んでしょうよ』

「……そうらしいわね」

『ええ、”私達”の間ではそういうものなの。でも、その程度の事でトラブルとはおかしな話ね?』

「そうよ、これには続きがあるの。今朝、早い段階で警察はパトリオットを発見。投降させたのよ」

『おやおや、それはまた面白そうな話ね。投降したということは、つまり言葉で説得できたってこと?アークシティには面白い奴もいるのね』

「同感よ。ところがそこで、よりにもよってパトリオットの”道具”を彼の目の前で破壊してしまったというの」

『……それは馬鹿なことをしてしまったわね。どうせ、無知の愚か者がやったことでしょうけど・・・ 大きなリスクを自分たちの手で作り出してしまったというわけね』

「わかってもらえたかしら?」

『ええ、ならばこちらもはっきりと返事をする。まず、引き受けてもいいわ。ただ、ちょっと理解に苦しむところがある。私は言ってしまうと”彼”に近しい存在よ?いまのそのペット君に近づくのは、”彼”が側にいるのと同じくらい。良いことではないの。それは”彼”も承知しているはず。

 そういえば、この連絡はもう1人にも送っているようね?誰?』

「コピーキャット、知ってる?」

『ああ、彼ね。それならわかった。なるほど、”彼”が何を望んでいるのか理解したわ。

 エグザイル、これがデッドウーマンからの返答よ。”引き受けてもいいが、すぐには駈けつけることはできない。それでもいいなら喜んで力になる”、これでいいかしら?』

「……わからない。どういうこと?何を言いたいの?」

『あなたは”彼”の代理なのでしょ?なら、これを”彼”に伝えればいいのよ。これはね、”2人だけ”の秘密よ。それよりも、あなたはさっきからこっそりこの会話に聞き耳を立てている”もう1人”と話をなさい。

 エグザイル、久しぶりに話せてよかったわ。またね』


 そう言うと、応答を切ったのだろう。空中にあったデッドウーマンの幻影が崩れて煙に戻っていってしまう。


「”もう1人と”ですって?ちょっと!コピーキャット、聞いていたのね!?なぜ返事をくれないの」


 エグザイルはデッドウーマンの言葉の意味を理解し、眉をひそめてそう不満を口にする。すると一拍を置いて反応が返ってくる。


『すまなかった、準備があったのだ。少し待て』


 それは低いハスキーな声であった。

 すると香炉から立ち上る煙がまた一段と濃くなって噴き出し、すでに宙を漂っていた煙とあわさると、その勢いのまま地下室の天井角へと押し流されていく。

 何事かと目を丸くしてそれを見ている2人だったが、煙の中に先程と同じように。だが今度は顔だけではなく全身像で、映し出されたそれは凄い速さで煙の中を見る見るうちに大きくなっていき ―― 気がつくと、なんと煙の中のそれは、そこから”本人”が勢いよく飛び出してきた!



 カチリ、という音とともに地下室に吊るされた電球がつけられると、そこには3人がたっていた。

 突如としてこの部屋にあらわれた怪人は、季節と時間などお構いなしのトレンチコート姿に帽子を深くかぶった姿で現れた。その、帽子の影に隠れた顔からは、どんな表情をしているのか窺うことはできなかった。


「エグザイル、お譲さん。失礼をしたあげくのこの登場だ。申し訳ない」

「コピーキャット、あなた、なにを……!?」

「凄いですね!霊気エーテルの中を転移してきたのでしょ?そんなことができるとは、自分の目で見たのに信じられません」


 言葉の無いエグザイルと違い。コーラ=ビーティはなにやら感嘆の言葉を述べると、手の中の香炉の蓋を閉じて煙が出るのを封じる。


「ま、まぁいいわ。それで、話は聞いていたのよね?」

「ああ、引き受けよう。多分連絡が来るだろうと”わかっていた”ので転移の準備をしていた。思ったよりも君は早く連絡をよこしたが」

「ということは、ミス……?えっと、コピーキャットはあらかじめここにくるつもりだったと?」

「コピーキャットでいい、お譲さん。私には、性別などなんの意味も持たない」

「あの、お顔を拝見したいのですが……」

「これはまたまた失礼した。エグザイル、すまないが君の”顔”を借りるよ」


 コピーキャットはそういうと手を前に差し出し、サッとそこから横に流してから帽子のつばをあげる。

 コーラ=ビーティはそこにあらわれた顔を見て「あっ」と小さな声を漏らした。隠れていた顔があらわにされると、そこには驚いたことにそのまんまのエグザイルの美貌があった。それだけではない、髪こそ本人とは違って黒になっていたが。長さまでもが本物そっくりにいつの間にか伸びていた。


「これは私の能力の……まぁ、”副産物”のようなものだ。他人の姿を真似る。といっても、髪の色は変わらないし、声も似ることはない。癖のほうもまったくコピーできないな。とはいえ、これをしないと私の本当の顔を見ては、皆が驚いてしまうのでね」


 もったいぶっているのではないだろうが、ついついコーラは小声でエグザイルに聞いてしまう。

(あの、この人の本当の顔とは?)

(無いわ。霞がかかってるみたいに見えないのよ。なにも無い顔)

(うわー)

 納得したらしい。



「さて、さっそく来てくれて嬉しいわ。コピーキャット。はじめる前に、質問はある?それと、出来たら方針だけは教えていってほしいわ。あとはあなたのやり方にまかせる」

「わかった、エグザイル。ひとつある。私の依頼は、そのパトリオットなる容疑者にかけられた嫌疑を晴らす事、と理解していいのか?」

「違うわ。パトリオットが起こしたとされる事件の真相。それとこの件で危険な存在になりえるパトリオットと対決することよ」

「……」

「なに?なにかご不満かしら?」

「事件の捜査は問題はない。だが、パトリオットなる人物との対決というのは説明して貰いたい」

「わかったわ」


 うなづくと、エグザイルは同じ顔をした相手に少し話しにくそうに口を歪めた。


「はっきり言うと、現在のアークシティでこのパトリオットと対決できるような超人はほとんどいないのよ。アークナイトは財団の仕事で外遊中。ブラックサンは警察との連携でやっぱりここを離れていて、警察の中でも超人達が中心になって外に出ているの。

 他にも人がいないではないけれども、ここでの問題はダ―クハートとサンダーランド警部の求めるように事を納めてくれる人物が必要ということなの」

「なるほど、だから対決といったわけか」

「今は警察の留置所にいるそうよ。気になるなら見てくるといいわ」

「いや、いい。わかった、依頼人の求める形になるよう善処する」

「ありがとう、コピーキャット。本当に助かるわ」

「それでは、いきなり出悪いが方針の説明に入ろうか。まず、エグザイル。この顔はしばらく借りるぞ。次に、警察とはしばらく連絡を取らないつもりだ。むこうもきっとその方がいいだろう」

「そうでしょうね。検事がやる気満々だそうだから、現場にあなたのような存在がいると知ったら、うろつくことを決して許しはしないでしょう」

「なのでこっちはこっちで好きにやらせてもらう。目処が立ったら知らせることにする。誰にそれをしたらいい?」

「アインっていう、犬みたいな可愛らしいコがいるの。彼に話して頂戴」

「わかった。きっと、そうしよう」


 そう言いながら3人は地下室の出口へむかって歩き出した。

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