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BLACK&WHITE  作者: 鷹雪
Knights of round Vol.1 Runaway
60/178

ハード・ヒット

今回が折り返し地点って感じですかね。

よかったら読後、感想その他を残していっていただけると嬉しいです。

 太陽は高く、時間は正午に近いことを推測させた。

 そんな光がまだ地平線のむこうに姿を隠していた頃、その場所には怪しげな傭兵達がうろついていた。

 だが、今はもう彼等の姿はそこにはない。静かな森林の中にある、放棄された建物でしかない。

 その場所に、3人の男達は車を乗り付けて再訪していた。


「どうだ、イゴー?}

「……」


 1人の問いかけに、イゴーはなにも言わない。

 そのかわり、だまったままウロウロと”あの場所”を歩き回っている。

 そしてしばらくすると、結論が出たのであろうか。立ち上がると大きくため息をつく。そして


「どういうことだぁー?」


 花の下にあるちょび髭を指でなぞりながら、困惑の声を漏らす。

 ついてきた2人もそこが限界だった。「早く教えろ」とうながすとイゴー・バーンは結論をようやくのこと口にした。


「リメーン達を呼ぼう。間違いない、昨夜。娘達はここに来ていた。我らの側に実際にいたんだ」


 ついに彼等の視線の先に、子供達の背中が見えた瞬間であった。



▼▼▼▼▼



 子供達にとって、初めての実戦は大きなトラブルがあったにもかかわらず。その後はトントンと全てが想像通りにうまく進んだ。

 情報を送り、賞金の受け取り確認を女性陣がする間。男達はインターネットカフェであらかじめ交渉していた中古車を売ってもらう約束を取り付けることができた。

 また、ヴィクターは情報を送る際。念のためにと、【レヴォリューション9】が計画していた犯罪の情報も付け加えておく。

 これは最初から計画していたわけではなく、家出の際に偶然にして手に入ったもので、詳細なものでは全くなかった。しかし、情報を買い取るものが居て。自分達にはもう使い道の無いものであるならいいだろう、それに追っ手に対しても牽制になるかもしれない。

 そう判断したのである。

 どうやら、以前のホークガールの情報から信用がされたらしく。また、その情報も多かったこともあってか、かなりの額を約束してきた。



 そんなわけで彼等はこの旅で、初めての罪を犯すことになる。

 そう、未成年者による集団での無免●運転である。



「ガス、いれないといけない」


 運転するルーベンがそう口にすると、後ろの席のヴィクターが地図を開く音で皆は目を覚ました。

 家出からちょうど14日目の事である。当初からどこまでいけるか、そんな見切り発車に近い逃走劇も。気がつけば早くも2週間、半月がたとうとしていた。


「40キロ先に、町があるはずだよ」

「わかった」


 彼等は車を手に入れると、迷うことなく方向を南へと切った。

 あの時、その場に残って様子を見るなんてことは考えもしなかった。だから、親達が自分達の痕跡に気がついたかどうかは分からない。

 とはいえ、西海岸を目指すのは厳しいように思えた。

 だいたい、あそこにいた傭兵達は西海岸で騒ぎを起こす計画だったし。自分達は東に西にとふらふらしながらも南下していたのである。


この頃にはもう南へ……南米にでもいくしかないと思い始めていた。



 ガソリンスタンドについたのは、それから1時間後。

 南に下りてきているからというわけでもないだろうが、太陽が熱く照りつけ。全員上着を脱いでTシャツ姿になっている。

 「なにか買ってくる」そう言い残して、女性陣は店の方へと歩いていき。男達は車に残ってガスをいれることにする。

 ルーベンは運転席からようやく解放され、うーんとうなって体をのばす喜びを味わっていた。

 その間に、トニーはノズルをひっぱってきてガスを入れ。ヴィクターは地図を開いて今後の予定を考えている。


「なぁ、兄弟。この先はどうするんだ?」

「車も手に入ったし、今後はこれで自由がきく。目標はメキシコかな」

「遠い」

「まぁね。そこまで上手くいくとは思わないけど。でも、目指すならブラジルまでいって……」



 店内では籠を片手に、ホークガールとメガンが目についたものを片っ端から放りこんでいく。

 メガンはあの夜とは違い元気になったらしく、時々2人で楽しそうに笑いあっていた。

 ディアナはそんな2人を目の端にしながら、新聞を手に取ってみた。


【ゲイター上院議員暗殺】


 やたら太文字で仰々しく書いてあるが、内容を読めばなんのことはない。不埒な襲撃者に襲われたが、上院議員暗殺は未遂に終わりました、とちゃんと書かれている。

(よかった、あたし達の情報は役に立ったんだ)

 ディアナは笑みを浮かべる。


 そして思い返してしまう。

 この2週間、思えばピンチの連続であった。爆弾を置いて家出をし。その後も色々と大変なことがあった。

 あのダイナーではうっかりヒーロー活動なんてしてしまったが、おかげでホークガールとも知り合うことができた。

 彼女の誘いで、こっちは下心はあったが。それでも自分達がやったことが、こうして知らない誰かの身に迫った危険から守ることができた。

 そうだ、自分達のような。危険な思想をもつ犯罪者達の子供がそれをやったんだ。なんておかしな話で、クールなことか。心の底から湧き上がってくるその満足感には皆もここ数日は酔いしれているのかもしれない。

 実際、車に揺られていると襲ってくる睡魔に心地よい夢を見てしまう。




 それは最初に、激痛となってあらわれ。ディアナは自分の額に手を置いた。

 彼女の持つ超人としての力、テレパシー能力になにか雑音のようなものが強烈に割り込まれるのを感じた。

 それが久しぶりに感じる。2週間ぶりの”親から子への敵意”だとわかった時には、もう全ては手遅れだった!



 トニーはノズルをじっと見つめながらまだ何か言っていた。


「でもさ、不思議だと思わないか?」

「何がだ、兄弟」

「いや、真面目な話だって。あのさ、俺思うんだよ。俺達って結構、ヒーローやれてるんじゃね?って」

「そうかな?」

「面白いよ、兄弟。犯罪者に育てられた子供達がヒーロー。まるでパルプマガジンそのまんまだ。クールだよ、チーム名は決めたかい?」


 彼等3人の間にも認識の違いがあるようだ。


「いやいや。だって、そうだろ?ルン、ヴィクター。俺達逃げて来ただけなのに、なんかいくつか凄いことしてるじゃないか」

「気のせいだろ?勝手に絡んできた火の粉を払ったり。楽に稼げるアルバイトだって言うから、恩着せようと参加して、逆に迷惑かけてひどいことになりかけたり」

「おい、ヴィクター」

「それはないだろ、兄弟。メガンやホークガールにはそれ、言うなよ」

「ごめん、口が悪かったかも。本心じゃないよ。でも、たしかに色々あった。でも、それで僕らがヒーローってのは……ん?」


 話していてヴィクターは何故かその時、自分の手に持って開いていた地図を折りたたむとポケットにしまった。

 なんでそんなことをしてしまったのか、自分でわからなくて少し戸惑う。


 答えはすぐにわかった。


 突然、見えない力がヴィクターの首に絡みつくようにかかってくるとずるずると彼の体を後ろへと引きずりはじめる。慌てて首を絞めてくる”なにか”に手をやると、そこで全てを理解した。


 同じ血が流れるせいだろうか、フォースフィールドが互いを影響し合い。隠れていたそいつの姿を明らかにした。

 それはヴィクターの母、フォースフィールドをつかって姿を隠すことができるミラ・モリスンであった。


 「くそっ、トニー!車から離れろっ」


 それだけいうと自身の体を鋼鉄化させるルーベンだが、間髪いれずにエネルギーブラストが横から襲って彼の体を吹き飛ばした。

 そして、トニーが見た先にいたのは。多分もうこの世界では2度とは会いたくないと思っている大人達。リメ―ン、ドブ、ボクストンが怒りをたたえる暗い炎を目に浮かべてこちらにゆっくりと歩いてくる姿であった。



「ヴィクター、あなたは悪い子ね。その力はなんのために使うのか、4歳の時から教えてきたって言うのに。あなたのその悪知恵を、親に向かってつかうなんてっ」


 自分の腕の中の拘束から逃れようと必死にもがく息子を押さえつけ。暗い喜びに浸りながら、母親の義務だと言わんばかりにミラはその首を締めあげていく。

 ヴィクターも抵抗しようとするが、母のフォースフィールドをつかってのロックは彼の力だけでは振りほどけなかった。

 しかし、彼には心強い仲間がいた。

 突然、ミラの背後にジャンプゲートが現れると。そこからディアナとメガンが飛び出してくる。ディアナは続いて新しいゲートを開く間に、メガンがミラを後ろから軽々と持ち上げ、それに驚く隙をついてヴィクターは母の拘束から逃れることができた。


「おばさま、それじゃご機嫌よう」


 ディアナのその言葉が終わる前に、メガンは新しく開いたジャンプゲートの中にミラを思いっきり放りこむ。

 できるなら地球の裏側にでも放り出したい相手だが、そこまでの力はない。それに、できることなら大怪我もさせたくなかった。とりあえず、この辺の近くにある草むらに、今頃頭から突っ込んでうめいているはずである。すぐにまた、ここへ姿を表すだろう。


「貴様らぁ!!妻になにをするっ」


 妻がゲートに放り込まれたのを見て、ドブは怒りの咆哮をあげて突っこんでこようとする。ディアナを守ろうと、前に出るメガンに対し、ヴィクターが止める。


「メガン。君はそいつと戦っちゃダメだ!」

「っ!?実の親をそいつとよぶのかっ!」


 一瞬の親子の会話は、ヴィクターが腕を差し出して、父親を問答無用で自分の球状のフォースフィールドに閉じ込めると。そのまま振りかぶって遠くに投げ飛ばした。100メートルほど先で、ドブが地面に何度も叩きつけられていく姿が見える。


「メガン、あいつは君とは相性が最悪だ。強い力や衝撃で力を増す。君があいつを相手に力を出せば出すほど強くなる。絶対に相手をしちゃダメだぞ」

「でも!?」

「メガン、言うことを聞いて。もしもの時はアタシやヴィクターがやるってこと、いいね?」


「何だね、そいつは君達2人の娘なのかい?」


 嫌らしい響きのある声に、3人は一斉に声の主を見た。

 リメーンである。


「誰?」

「リメーンと言う。覚えておけ、お前達の未来の指導者だ」

「はぁっ!?」

「しかし、思ったよりも馬鹿だな、お前等。、車を手に入れたら案の定、南に方向を変えたな?

 いや、それとも油断している実の親を襲撃してその命を取ろうと考えたのか?おお、それならば失敗したとしても根性があると少しは感心するな」

「……残念。親を殺そうとするほど、そこまで腐ってないの」

「そうか、つまり車でドライブと言うわけか。つまらないオチだったな。では、その車。もう乗る必要はない」


 リメーンがそう口にすると同時に、彼の後ろに止まっていた車が次々と動きだす。まるで氷の上かと間違うように、地面の上をじゃりじゃりと小石の転がる音をさるも、勢いはそのままに滑るように加速し続けてガソリンスタンドの中へと突入してきた。

 次の瞬間、ガソリンスタンドは火の柱が燃えあがる!



 ボクストンによるエネルギーブラストはひたすらルーベンの体に炸裂し。吹き飛ばされて何度も転げ回っていたが。体を鋼鉄化したことでルーベンはなんとか耐えていた。そこにトニーが援護に駈けつける。


「くらえっ!」


 やけくそのファイヤーボール攻撃だった。

 ボクストンは体内にエネルギーをため、それを吐き出すように手から吹きだしている。似てはいたが、トニーとの力の差で言えば、相手の方に分があった。

 なにせ相手と違い、こちらはどうしたって掌から飛び出す弾の弾速も遅いし(相手と比べて、という意味で)、多分相手はやろうと思えばずっと撃ちっぱなしにだってできるかもしれない。


「クソがっ!」


 トニーは今度は煙も混ぜて吐き出していく。

 どこまで役に立つかわからないが、こうなったら煙幕でも張って視界を……。

 その時、むこうでガソリンスタンドから火の柱がふき上がると、爆風が襲ってきた。

(耳が痛ぇ、なんだよこれ。追いつかれちまったのかよ)

 トニーが不注意だったのはもちろんだが、彼が頭を振って立ち上がった時。ボクストンは彼の目の前に立ち、冷たい目を向けて見下ろしていたのだ。

(しまった!?)

 すべてが一瞬の事であった。「危ない、トニー」とルーベンが声を上げるのと、彼の体から銀色の線が延びてきてトニーの体にたどり着き、またたく間に彼の体も銀色に染め上げた。ボクストンのブラストがトニーに放たれたが、見事にそれには耐えみてみせた。

 だがしかし、その後には強烈な苦痛の波が、トニーを襲う。



 ディアナ達は店内に避難していた。

 3人で外を見張る。あのリメーンとか言う奴、滅茶苦茶である。

 いきなり車をぶつけてきて、ガソリンスタンドを吹き飛ばそうとしたのだ。

「どうなってる?」

「いるよ、さっきのやつ。空飛んでる」

「ヴィクター。あなたのパパとママも元気そうよ。なんか抱き合って話してるけど」


 畜生、ヴィクターは罵り声を上げそうになって慌てて飲み込む。なんてことだ、悪いことばっかりで吐き気がする。


「ホークガールは?」

「高いところに移動してって言った。最悪でも1人で逃げてくれるでしょ?」


 それは悪くない判断だと思った。親達は多分、彼女についてなにも知らない。

 最悪自分達が捕まっても、その時は彼女に迷惑をかけないで済むならそれでもいいだろう。


「どうするの?」

「逃げるさ。でも、その前に一戦しないと無理だ」

「そうね、あたしのパパの存在は感じるけど姿はない。多分、ここにきてないのよ。そうか、ジャンプゲートを開いているんだ。それでむこうは近づいてきたから、こっちはわからなかった」

「でも、今でも僕らでは手一杯……」


 話の途中で、裏からルーベンがトニーを支えるようにしてはいってきた。その顔は真っ青になっている。

 そして、トニーは自分を抱えるようにして顔を歪めて脂汗を浮かべていた。


「まずい、トニーがやられた!」



 トニーの傷口を見た時、全員がそのひどい有様に顔をひきつらせる。

 彼の掌はベロベロになって焼けただれ、焦げ付いていたのだ。


「彼が、ボ……メガンの父親に距離を詰められたんだ。彼の攻撃はこっちが鋼化したので防げたけど、トニーもその時、咄嗟に全力で反撃してしまった。おかげで向こうは直撃して目をまわしたけど、鋼化中の攻撃だったから、自分で自分の手を焼いてしまったんだ」

「しくじった。焦って、馬鹿やった」


 トニーは唇を歪めておどけようとしたのだろうが、その試みが上手く言ったとは言い難かった。

 ディアナは黙ったまま冷蔵庫の中にあるミネラルウォーターを取り出すと、トニーの手に振りかける。傷口に振りかけられる水の痛みで歯を食いしばるトニーの姿を見て、メガンは泣きそうになっていた。

 どうしたらいいのだろう?

 誰もが混乱する中、外で男が怒鳴る声が聞こえた。ヴィクターにはそれが、自分の父のものだとわかった。



「ミラっ!?」


 ドブが驚きの声を上げ、倒れていく妻を手に抱える。

 突如飛来した矢が、ミラの肩を貫くと。矢じりから妙な衝撃波を放ち、それがミラの体を突き抜けたのだ。

 リメーンは無言でそれを見ると、更に高く飛んで高度をあげてまわりを見回す。すると小さな町の給水塔の上にいる人影を確認した。

 だが、相手もその時は次の攻撃にうつっていた。第2の矢はまっすぐにリメーンにむかっていったが、直撃することはなかった。リメーンはにやりと笑ってその矢の腹をがっしりと掴んで受け止めてみせる。

 ぴぴっと言う電子音がして、今度は矢じりが爆発。余裕を見せようとしたリメーンは地上へと炎に包まれたまま、無様に落ちていく。

(2人終了)

 ホークガールは小さくそう呟く。

 だが、車は炎上。さっきトニーたちもひとり吹っ飛ばしていたが、何か様子がおかしかったのが気になる。


 給水塔の側にはられているロープにとびついて、身軽に地上へと滑り落ちて行く。

 彼女が店内に入ると、真剣な顔をして皆が囲んでいる。そして丁度その時、ヴィクターが覚悟を決めたと言う風にかすれた声で言った。


「よし、僕がやる。それでトニーは大丈夫だ」


 全員がその言葉に顔色を変える。


「なに?どうするの?」

「ホークガール……今から僕が、トニーの手を治療する」

「そう、よかった」

「よくないよ!」


 突然、メガンが声を上げたので驚いた。それに続くようにルーベンも反対を示す。


「ヴィクターそれは無理だ。やめたほうがいい」

「駄目だ、僕はフォースフィールドしか出せないし、ディアナは魔法で攻撃はできない。トニーの”グローブ”で対抗するしかないんだ。でもそれは手が、掌が無いと使えない。このままだとなにもできない」

「でも、もし傷がなおせなかったら?そうなったら、お前とトニーが動けなくなるだけだぞ」


 だが、その言葉にはヴィクターは納得しない。(どういうこと?)ホークガールは言葉にこそしなかったが、ディアナに目を向ける。それだけで彼女は全部理解して、教えてくれた。


「ヴィクターは、他人の傷をいやす力を持っているの。でも……その力は年々弱くなっている。外にいる両親が、彼を何度か滅茶苦茶にしようとしたから」


 なんとなく、事情は察した。だが、決断は急がないといけない。時間はないのだ。


「今、外はどうなってる?」

「トニーが戦ってたのと、私が女を倒した。あの宙に浮いているのも撃ち落としておいたけど、なんか変な力を持ってたみたいだし。ちょっと確実とはいえない」

「そうなるとあとは2人。うちのドブと、あのリメーンって奴?」

「そうね」

「このまま逃げれるんじゃないか?ディー、どう思う」

「駄目。ルン、今焦っては負けてしまう。あの2人はどう見ても引くような性格じゃない。逃げるにしても、追ってこれないようにしておかないと」


 結局、ヴィクターは自分の考えを変える材料が今はないと判断した。


「よし、聞いて。ここで一度僕らはバラバラになろう。

 順番ににここから離脱していくんだ。これしかない。ディアナの親が出てこられたら、もう無理だ。地図は持ってるね?何処で合流するか、僕らならわかるはずだ。危険だけど、そうしないとこの町から出られなくなる。

 ルン、メガンと一緒に僕を運んでくれ。

 トニー、いいか?これから手を、傷を治してやるから、ディアナ達と一緒にできる限り外の奴等を引きつけるんだ。その後は1人で行け。ディー、ホークガールと一緒に最後を頼む」

「本気?」

「ディーが言うとおり、魔法使いがゲートを開けているなら援軍がすぐにだって来るかも。こっちもどうせ長くは戦えないし、もともと真正面からぶつかったら勝ち目は薄い」


そう言いながら、ヴィクターは焼けただれたトニーの手首を力強くつかんだ。それが掌に響いてトニーはうめき声をあげる。


「頑張れ、兄弟。皆を守ってくれよ」


 祈るように言うと、脂汗を浮かべたトニーはヴィクターを見てうなづいた。

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