その頃
蒼依達が、遠足に行っている間、ここ市営スタジオYomoでは会議が行われていた。龍野秀保の退任を決定し、次期後援会会長に誰がなるか決めるためだ。家格を重視するもの、真面目さを重視するもの、結局、その日は何も決まらなかった。
その頃、龍秀高校では、ある残虐な事件が起こっていた。
武田忠次が殺されたのである。校内には防犯カメラが仕掛けてあったが、運悪く彼が死んでいたのは男子トイレである。
いくら男とは言え、トイレに防犯カメラを仕掛けるというのは犯罪であるので目の届かない範囲での殺害であった。
俺は、四方市警の刑事をしている安藤と言うものだ。
通報を受けて直ぐに現場にやって来たが、とてもこの世のものとは思えない、残虐さであった。当時学校には、三年生しかおらず、この男は一年だというので、恐らく遠足ってことを知らなかったのだと思う。学校側に謹慎終了を伝えられ、学校に来たがトイレで殺された。この学校の支配者か誰かが始末したのかもしれない。
「安藤刑事。今回の殺人事件。凶器は如何なる物にて候わんか?」
「やめろよ。八助。古臭い言葉は。ええと、そうだな。何か物凄い大剣のようなものであろう。しかし、何だろう。トイレの個室も傷が付いている。こんなに破壊された現場は初めてだ。おい、飯野。教員及び事務員のアリバイを徹底的に調べろ。」
「分かりました。一課の御命令とあらば喜んで引き受けさせていただきまする。」
「俺は一度署に戻る。八助。引き続き頼むぞ。」
「分かりました。」
俺はその時何も思わずに署に引き返したのだ。
そして、署に向かったとき絶句した。署は閑散としていたのだ。人が居ないのならまだ分かる。だけど、皆、例の大剣使いに斬られていたんだ。俺達、警察官は日夜訓練に励んでいる。決して冗談じゃない。でもそんな俺達でも対応しきれないなんて。
「くそっ!何が起こっていやがる。俺達は銃も持っているんだぞ。いくらリーチが長くても皆殺されるはずはねぇじゃねぇかよ。あぁ。本部長。貴方を失うなんて俺達はどうすれば良いんですか。」残された警察官は3名。だけど。これだけは絶対に仇を取らなければ、8割は復讐、2割は市民の皆のために。




