入学式前
紗希はその思わぬ知らせに驚いた。悠梨亜が目覚めたと言うのだ。「紗希ちゃん。迷惑かけてごめんね。ウチは大丈夫だよ。一緒に入学しようね。」
「悠梨亜。本当に大丈夫なの?心停止したって聞いたけど。」「ごめんごめん。もう大丈夫だよー。」
「そっか。じゃあまた入学式で逢おうね。」
入学式は、2日後に近付いている。ついこないだまで生きていたお兄ちゃんが3年生で歓迎してくれるはずだったのに。でも悠梨亜が無事でよかったよ。お兄ちゃんは死んでしまったけど、親友を失うことはなくて良かった。
「お兄ちゃん。私。お兄ちゃんの分まで頑張るから。天国で見守っていてね。」
思い出す度、涙が溢れた。
「紗希様。大丈夫ですか。月曜日はあちらの世界に行くのでお気をつけて。」執事、秋野海紫は言った。
「秋野君。迷惑ばかり掛けてごめんね。」紗希は言う。
「いえいえ。そんなことないですよ。いづれ、日本が統一されることをのぞんでいます。これは、その調査なのですから。僕が学んでいる学科の研修でもあります。お気になさらず。」
「それって、どう言うことなの?」紗希は食い入るように海紫に質問する。
「下手に説明すると、向こうの理事長とかにお叱りを受ける恐れがありますが、簡単に言うと。政府から勅令を受けた我が学園に、異変を調査する学部が設置されました。そこには、文学部等の他の部を希望していた人達が無作為に選出され、強制的に在籍させられました。本当に意味がわかりません。」海紫は、不本意ながら経緯を説明した。主に背くのは執事としてあってはならぬこと。そう思って。
「そんな理不尽なことが有るの。驚いたよ。」
「月曜日は、報告と授業を受けに行くので彼方の高校に行きます。どうやら、こちらの世界では破道が弱まるらしい、あっ!イヤなんでもない。」海紫は口を押さえた。
心停止して。軽く大丈夫だよーって受け流すのって怖いなw




