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大野家
「悠梨亜。死なないで。」母、真知子は、一生懸命に祈っていた。しかし、運命は残酷だ。呆気なく、悠梨亜は死んでしまった。冷たい悠梨亜の体…此処まで育ててきた我が子をこんな短い一生で終わらせるなんて死神とはこんなにも冷酷なんだろうか。
彼女はたった一人の娘。一人っ子だ。そんな最愛の娘を失った悲しみは到底例えられるほどのものではなかった。深い悲しみ…北極海の深いところのように、冷たくて深い。前向きになることが大切だと言うが、それも経験のない人の言う戯れ言、希望論に過ぎない。
何て思っていると、悠梨亜は息を吹き返していた。死んだはずなのにまた心拍数が増加していった。別に人工呼吸器を着用している訳ではない。自発呼吸だ。「悠梨亜!」母は、感動した。悠梨亜が復活したのだ。今ならイエスの復活も信じることが出来る。そう思った。
一方、南原蒼依の霊は、彼女…大野悠梨亜の体に憑依した。「紗希。今から行くからな。」彼女は寿命だったが、蒼依が憑依したことによりまた息を吹き返した。「お母さん。迷惑かけてごめん。」「悠梨亜、よく戻ったね。嬉しいよ。」何とも感動的な物語がそこにはあった。
次回「入学式」お楽しみに。




