海紫と紗希
紗希は海紫を抱き締めた。「ごめんなさい。こんなことしてしまって。」
「いえ。気にすることはないですよ。こんなときは、一緒に寄り添う事が一番ですから。」海紫が言った。そんな海紫の言葉が頼もしく聞こえた。何でだろう。涙が止まらない。迷惑はかけたくないのに。
一方、ホテルガブリエルでは。「おい!俺は、本当に出られねぇのか。こっから。」蒼依は言った。
「勿論。出られないわよ。でも、1つだけ方法はあるわ。肉体は無理だけどね。魂、もとい意識はここから抜けることができる。」
「其れならええわ。よし、ちょっくら様子見てくるわ。零音さん。俺のこと捜すんじゃねぇぞ。じゃあな。」
数時間後。詐欺罪で捕まっていた、旧蓮龍会会長だった嵐山が釈放された。「おう。丁度良いところに。あれは確か蓮龍会の5代目だったか?まぁいい。解散されたんだし。このまま暴れられても困るからな。」蒼依は、下っ端を殴った。
「おい!てめぇ、何抜かさんじゃごらァ。」驚いて滑舌も悪くなる。
「誰もいないっすよ。」「えっ、うわぁ。」「おい!釈放早々、幽霊におそわれるのか?冗談じゃねぇ。なめた真似すんじゃねぇぞ。ガキが。あぁあ。」乗っ取った。
「おい!お前らしっかりしろ。何もいねぇじゃねぇか。」
「あ…兄貴。」
「よし。行くぞ。南原家に。俺のライバルが世話んなった相手だからな。」「兄貴っ…」
怪しいと思われてることは薄々感づいている。
しかし、行かねばなるまい。このまま、妹の様子を見なければ兄としての顔が立たないだろう。「よし、あいつらは一般人だ。少なくとも、乱暴にはするなよ。」俺…もとい嵐山は、組員に釘を指した。
「なんか、おかしいですね。敵襲のようですね。お嬢様、戦ってきますね。」海紫が言った。「すみません。南原さんのお宅ですか?」「名を語る必要はありませんね。さぁ、勝負。」
海紫と蒼依が乗っ取った嵐山との対決が今始まろうとしていた。




