龍秀高校の裏
ここは、龍秀高校校長室。龍秀学園三代目理事長、龍野秀保がそこにはいた。
「父上。是非とも、高等学校長の座への就任をお願いします。」秀保は言う。「よく言うわい。来年度の生徒に、『南原蒼依』なるものが居る。その者は、打ち払えと。つまりは、入学を認めないと言うことだな。」
「いえ、そうではなく。仮にも、我が龍秀高校は、創立以来、アルバイトを決して認めていません。そんな我が校が、アイドル活動という水商売に手を出す生徒を認めるなんてもってのほかです。」
「桐壺の更衣並の罵詈雑言を浴びせかけて、心を折れば良いんだな。」
「まぁ、そんな感じです。私も、来年には最高学年となり、さらに勉強に打ち込まなければなりませんから。説得する暇もありません。」
「そんで、それが終わったら、俺はあんたを殺して、理事長の座を奪い取る。それでええんやな。」「そんなことが出来るんですか?私は、貴方の息子ですよ。」
「おおっと。少し口が滑ってしまったようだ。何しろ、俺は、人間の倫理観を理解できるほど立派なものじゃないんでね。俺は、南原蒼次。南原蒼介の出来損ないのクローンなのでな。」
「貴方には、少々警戒しなければならないようですね。」
「冗談だ。俺は、お前に反抗したりしない。息子の言うことを聞かない親なんて居るかい。息子が折角頼ってくれたんだ。顔を立ててやろう。」
「ありがとうございます。父上。」
「やるんやったら、徹底的にな。お前の学年には、死んだとされている南原蒼依の魂が存在しているかもしれん。祟られても其を跳ね返す勢いの覚悟を持て。」
「分かっております。この百年に及ぶ、龍秀高校の伝統を絶やすこと無きよう、誠心誠意、粉骨砕身して事におよびます。」
南原蒼次…彼は、とある研究によって産み出されたクローンである。これまで短命であったクローンに対し、人間を超える寿命を持つ画期的なクローンである。どういうことかというと、インジュリーケアストーンと呼ばれる特殊な石を体内に埋め込み、傷を抑制しているのだ。
彼は、最初のクローンであり、また、最後のクローンともなる。
他の良い方法が発見されてしまい、この型は生産されなくなってしまったようだ。
今、龍秀高校の裏が暴れだす。




