蒼依死す。
「ここは、何処だ?草の陰か?」
「馬鹿言え…。そんなはずはねぇだろ。」
「僕達、どうなってしまったんだろう。」
「ハッハッハ。皆さん、お疲れ様。お前たちは昏睡状態に陥ったんだ。」
「どうすれば、目覚めるんだ。」
「さぁ?時が来れば、目が覚めるんじゃねぇの?」
「真面目に答えてくれませんか。そろそろ。」
「分かったよ、君達は、あの女子たちを見守っていれば良いんだ」三人とあと一人が言う。
場所は変わる。
ここは、四方市にある四方市総合医療センターのとある一室。一人の少女が、悲しみの涙を流していた。
「ねぇ、お兄ちゃん。しっかりしてよ。早すぎるよ。もっと、色々な所に連れていってくれるんだよね。」
「残念ですが。御臨終です。手は尽くしましたが。」
「お兄ちゃん。そんな…」
「帰りましょう。紗希さん。悲しいですが。自己紹介まだでしたね。私は、普通の会社員で南原家を支えろと仰せつかった、執事を務める筒井です。」
「筒井さん。私、どうすれば良いのかな。」
急に執事が来るということが怪しいと感じたが、それよりも蒼依が死んでしまったということに対する悲しみが大きく、甘えることにした。
家に帰って、まず、龍秀高校に電話した。蒼依が死んでしまったということを伝えたのだ。
レジェンドの死…龍秀高校の英雄の早すぎる死を悼む人が沢山、葬儀に来ることになった。
今まで、女性の身体であったが、気を失ってから、男性の状態になっていた。
そして、通夜前日。深い悲しみとともに眠りについた。
そして出棺の時が来た。斎場に向けて霊柩車が向かう。
「お兄ちゃん。」在りし日の兄、蒼依の姿を思い出して涙が零れた。
そして、斎場に着いた。
棺を開けてみると、中には、青竹の杖と白装束を着たマネキンが入っているだけだった。「お兄ちゃん!」
彼、南原蒼依の遺体は、そこに存在しなかった。
前々から、怪しく思っていた執事の筒井が遺体をどこかにはこんだ何処かに運んだのかと思ったが、その日は、来なかった。
兄が意識を取り戻して、歩いたと言うのか?だとしたら、一体どこに。
沙希は、疑問に思った。
だが、今更ながら、葬儀をキャンセルすることは出来ず、やることにした。
2歳年上のお兄ちゃん。後輩として、龍秀高校に迎えてくれるはずだったお兄ちゃん。その兄は何処へ行っちゃったの?
「どうも、角脇です。蒼依の兄貴には、大変お世話になりました。このようなことになってしまい。残念です。」
多くの方が、慰めの言葉をかけてくれる。
でも、違和感を覚えた。
だってお兄ちゃんは、何処かへ行ってしまったのだから。
そんなことを思いながら、葬儀を終わらせた。
さて、これからどうなるのでしょうか。
まだ終わりません。むしろこれで半分来たというところでしょうか。




