二人の朱梨
目の前には沢山の不良達、久しぶりに、雀山の朱雀の力がみなぎってきたぜ。
「いくぞおおお。」先手を決めたのは、不良達だった。
其をかわし、急所に蹴りを打ち込む。
「いって、何すんじゃゴラァ。…いたたた、やめろぉぉ。」
男は弱いからね。此の手の攻撃に。
これじゃまるで私がビッチだと思われてしまうじゃないか。
そうこうしてる間に。
「あなた、強いね。」とショートカットの女の子が話し掛けてきた。いや、ソプラノな声の男の娘?まぁ、そんなところだ。
「あら、見てたんですか?お恥ずかしいです。」と私…西村朱梨は言った。
「そんなことないよ。恥ずかしがらなくて良いからね。ボクは此の学校を牛耳る『杉岡ファミリー』のボス、杉岡朱梨だよ。見たことないけど転校生?」
「まぁ、そんなところかな。そう言えば、異端調査育成科ってどこ?」
「もしかして、異空間からやってくる転校生って君の事?」
「そうだね。君も異端調査育成科に所属してるの?」
「うん。宜しくね。君は、何て言う名前なの?」
「西村朱梨だよ。」
「ボクと同じ名前なんだ。宜しくね。同名同士。」
「さぁ、行こうか。朱梨ちゃん。何か違和感を感じる。まぁ良いか。」
教室に入ると、何時もと違う何かを感じた。南山市の尊円独立未遂事件(橘隠行の変)の時ともちょっと違う。普通の教室なのに、日常と非日常が混ざって、不協和音を奏でているようだ。
そうこうしてるうちに、ある男の子が入ってきた。
「どうも、西村さん。秋野海紫です。」
「しーちゃんて呼んでね。」
「ちょっとやめろ。恥ずかしいから。」
「じゃあ、そう呼ばせてもらうね。」私は言った。
ガラガラガラッ…
「どうも、桜坂だ。今日から、一人転入生がきた。自己紹介の前に、精神テストを受けてもらおーか。」
「精神テスト!?」
「そう驚かなくてもええ。要するに、死ぬか死なないか。判断するだけだ。何、簡単なことだ。さぁ、行くよ。」
ちょっ…待て、心の準備が出来てな…
風が吹き荒れる。殺気を感じた。赤いオーラに包まれる。
「俺には今、不死鳥が見えた。じゃない。合格だ。どうやったら、失われた四方市を取り戻せるか。『異端調査部』で考えよう。」
「私は、部活入る気は無いん…」
「そんなこと言っても無駄だよ。入る定めなんだからさ。」もう一人の朱梨に言われるとは。困るわ。
しばらく続きそうだね。




