外伝 北川白太郎vs山賀大蔵
今回は、白太郎目線で、いかにして虎頼院高校が四方市に移転したのかをお送りしよう。
今、俺は、虎頼院高校に反逆した山賀を目の前にしている。
「よぉ、北川。俺は、この年になるまでろくな愛情を受けずに育ってきた。でも、俺は、恵まれてると思ったよ。」山賀が言う。
「山賀大蔵。可哀想なやつだ。」
「おう。なんか言ったか?」
「テメェ、可哀想なやつだと言ってるんだ。」
「どうせ、両親は俺が居なければ良いと思ってる。なぁ、南山の白虎、お前、ここで一緒に死のうか?」
「ふざけるな。死んで良いやつなんていねぇよ。」
「あら、そうやって同情するから、人間は脆いんだ。人脈を頼りにして、お世辞と言う嘘で相手をごまかし、裏ではなに抜かしてるかわかんねぇよ。そんなやつをお前は信じてるんだよ。」
「例え、嘘であっても、日本人には顔を立てるって習慣があんだろうが。見え透いた嘘は相手を傷付ける時もあるが、喜ばせる嘘もあるだろう。」
「なんだよそれ。嘘で喜ぶ?冗談は、やめろ。」
「お前の苦労はよく分かるよ。過酷な生活が、お前を変えちまったんだな。」
「知ったかぶりが!お前、本当に死にたいのか?良いだろう。」
おもむろにマッチを手に取り、火を付け、下に落とす。
当然ながら、あまりもえない。
「止めろ!学校に火を付けるんじゃねぇ。」
「俺の心の病がわかんねぇ奴がそんなこと言うなよ。俺は、そんな奴が大嫌いなんだよ。世間は、カースト社会だ。上下がはっきりしている。お前みたいな金持ちの息子も居れば、俺のようなクズも居る。世間は、こんなにも残酷なんだ。」
「やめろよ。こんなことしてもなんともなんねぇよ。」
俺は、火を付けるのを止めようとした。
「来るな。撃つぞ。これ以上は肉の塊になるぞ。」
銃口を向けられた。どうすれば止められる?
奴は、ライフル銃を持っている。迂闊には近寄れない。
「じゃあな、あんた。俺は、反省しない。最期までトラブルメーカーで居てやる。」
何を思ったか、大学偏差値ランキング一覧にマッチを付け燃やした。そして、ライフル銃をその火の付いた面に押し当てた。
「おい、止めろ!よせよ。本当に死ぬぞ。」
「良いんだよ。俺の人生くらい、自分で決着付けさせろよ。死に神に決められるなんて、残念だ。それか、お前も一緒に添うか?」
「嫌だ。俺は、まだ死にたくない。」
「そんなに、死が恐ろしいか。さぁ、あと二十秒で、この引き金を抜く。急いで逃げろ。」
二十…俺は、教室を出た。
十九…廊下を猛ダッシュ
十八…爆発を勧告しながら逃げる。
七…なんとか昇降口に出られた。
「六、五、四、三、二、一。何も悔いは無い。恋愛はしなかったが別に興味はない。あばよ。」
山賀は、火の付いた紙面に銃を放つ。火薬に引火し、爆発した。
「はぁはぁ、あと三秒。二、一。…あれ?」
爆発音がした。これは、山賀は死んだようだな。
隣が理科室だったのが運悪く、マグネシウムリボンに引火してしまいなかなか火が消えなかった。
校舎が半焼してしまい、山賀の霊を恐れ、南山市から四方市に移転したのである。
ちょっと恐いのも書いてみたくてね。




