翌日
私は、久し振りの学校に行った。転校生として。
何でだろうな。不思議な気分だ。つい、二か月前はこの教室で暮らしていたのに。
「えー。今日からこの学校に転校生が来ます。皆さん、仲良くしてください。では、入って。」
担任の村野先生だ。日本史を教えている。
「皆さん、初めまして、南原蒼依です。宜しくお願いします。」
「南原蒼依さんは、南の原に、蒼龍の蒼。そして依存の依って書きます。何処かで見たことが有る名前だが、関係は無いだろう。では、角脇君の隣に座ってください。」
一時限目の準備期間になった。
そして蒼依は、あくまで他人であるというふうに、角脇に尋ねた。
「角脇君、ちょっといい?」
「あの、気になったんだけど、先生が何処かで見たことある名前だってあれどういう意味?」
「ああ、思い出したくもないが、南原さんと同姓同名の男子がこのクラスに居てな。この学校に信じられないような魔物が出たとき、勇敢に立ち向かって行って、その魔物を海に運んでいる途中にきのこ雲が見えてな。それ以来、行方が分からない。きっと死んでしまったんだろうな。」
「英雄だったんですね。彼は。」
「ああ、俺の憧れの存在や。彼がこの学校を守ったことをたたえ、銅像が建てられた。余りにも早すぎたな。」角脇は涙をこぼした。
「そんな。泣かないで下さい。私まで悲しくなりますから。」皆、死んでしまったと思ってる。
そして、一通り授業を終えて、ランチタイムとなった。
「ねえ、蒼依さん一緒に食べようよ。」クラスメイトの園田さんと、井上さん、佐山さんが話しかけてきた。
此処でも情報を取得する。俺が居なくなった後どうなったかを。
「蒼依君イケメンだったなあ。実は、私、ちょっとだけ好意を寄せてたんだけどね。」井上さんがいう。
「でも、彼の分まで生きなきゃだよね。この場所を残してくれたんだから。」園田さんが付け足す。
「うん。先生たちの授業は退屈なのも多いけど、受けさせてもらってるって気になるよね。家族じゃなくて蒼依君にね。」佐山さんもいう。
くそう、そんなこと言ったら姿を見せたくなるではないか。
防衛委員会は更に勢いを増したが強くなってないらしい。
威を示すが、力はなく有名無実化しているようだ。
もっとも、それで武力を使わないで済むなら良いと思う。
午後の授業を受けて、急いで帰った。どっきりのために。




