湯煙の中。
「ねぇ、紗希。今までお兄ちゃんのことどう思ってた?」蒼依は、話した。
「えっ!どうしたの。お姉ちゃん。」
「ほら、男の時はあまり接するのが恥ずかしくて。話すことも、ろくに出来なかったからさ。」
「お姉ちゃん。そんなことを思ってたの?紗希は、少し寂しかったけど、あんまり気にしてなかったよ。」
「そうか。今まで済まなかったな。」蒼依は、紗希を抱き締めた。
「えっ!お姉ちゃん。うわぁ。」紗希は鼻血を出してしまった。
「おい、大丈夫か。我が妹よ。」
その頃、咲耶達は。
「良い湯だな。今日も湯殿温泉は変わらない。」
「いやぁ、蒼依ちゃんと入りたかったな。」
「じいちゃん。惚れてんの?」
「あぁ。青春が舞い戻ってきた。」
「その様子見てきますよ。」と森永心音は言った。
「貴方、どう見ても男ですよね。」
「白峰咲耶君?私は、能力を使って女体化するのは朝飯前だ。」彼は、露天風呂の竹垣を登り、隣の女湯に行った。
「なんなのですかね?僕の名前も知ってるし。」
「ワシも知らん。」
戻って蒼依サイド。
「おい、大丈夫か。紗希。」
「大丈夫ですか。紗希様。」
「大丈夫よ。お姉ちゃんの美貌に興奮しちゃった。」
「紗希、今日はおかしいよ。」
「そうかな。まぁ良いや。」
「ところで、貴方、龍秀高校の方ですよね?」さっき男湯からやって来た女性が言う。
「はい。元龍秀高校ですが。それがどうかしましたか?」
「実は、私、四方市ご当地アイドル設立委員会の理事長、坂田唯の代理人を務めている森永と言うものです。」
「まさか、私にそのアイドルになれと言うことでは無いですよね?」と蒼依は尋ねた。
「その通りです。実は、美しい方を捜していて、遥々、四方から湯殿に来たのです。それより、私には確信が有りました。ここに居ると。」
「それはどうも。仕方ないですね。分かった。やりましょう。」
「有難う御座います。詳しくは、御風呂を出てからお話しします。」
「お姉ちゃん、人気者だね。」
「まぁ、これも人助けのためだ。」
風呂を出た。話を聞いてみると、龍秀高校と県立雀山商業高校、台武学院高校、南山市より編入した、虎頼院高校の四つの高校から一人ずつ、選出するらしいのである。龍秀高校からだけが見付からなかったらしい。
「では、明後日に最初のミーティングを行いますので、『四方ビジネスホテルの宴会場 鳳雅』にお越しください。」森永が言った。
「私、アイドルやってみる。」
「お姉ちゃん。頑張って。私、応援するから。」
蒼依は決意した。このままデビューするまで頑張ると。
さて、森永心音は此れからは登場しない。後は本人達に任せましょう。




