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蒼依の風~Deux of Meine Rosto~  作者: 恋住花乃
セカンドライフ
32/100

湯殿温泉に浸かる。

蒼依あおいの生活の始まり。

蒼依は、女体化した。「お兄ちゃん。いや、お姉ちゃん。可愛いね。」紗希が言った。

「おい。俺、いや私は可愛くないよ。紗希照れるようなこと言わないでよ。」

「お姉ちゃん、混乱してる?」

「何を言ってるのよ。混乱なんてしてない。」

「もう慣れたのか?女体に。」と咲耶が言う。

「あぁ。もう慣れた。そうでなければ生きて行けない。」

「そりゃ良かった。ワシも一旦、若者文化の勉強をして年相応に成らないとな。」鴎耶が言った。


「じゃあ。私達は一時間後に上がるので、その頃合流しましょう。」

「そうだな。蒼依。」

初めての女湯に浸かることとなった。


廊下をすすみ、暖簾を潜る。そして、脱衣場へ。蒼依は、興奮して鼻血が出ることを恐れた。しかし、もう慣れているかのように何も起こらなかった。

「お姉ちゃん。肌綺麗だね。艶が凄いよ。」

褒められて恥ずかしいけど、妹の新たな一面が見れた気がする。

男の時は、あまり、触れ合う事が出来なかった。恥ずかしいと言う気持ちと喧嘩しそうだということで。

でも、女性同士の今なら、気を置くこともなく話せると思う。

「じゃあ、お姉ちゃん。御風呂行こうか。初陣だから、油断しないでね。」

「何よ。その初等兵みたいな扱い方は。」

と言いつつも、蒼依は納得していた。慣れない女性の身体だ。いつどうなるか分からねぇ。と。

まずは、礼儀の一つ、かけ湯。あまり熱くなくて、支配人の心遣いを感じた。

そして入浴した。硫化泉と言うべきか。硫黄の臭いがする温泉であった。

「あぁ。やっぱり、温泉は体に良いねぇ。」

「美少女がそんな話し方をしないでよ。」

「紗希、嫉妬してるの?」

「えっ!お姉ちゃん、やめてよ。」

「あら。図星?もう、紗希ったら単純なんだから。」

紗希にお湯を掛けられた。どうやら照れてるようだ。やられたらやり返す。ハイリターンですよ。

流石に、お湯を掛けるのは、周りの人に迷惑かなと思ってやめたけど。

やっぱり、 妹の事好きなのかも。今まで過ごしてきた時間を無駄に思った。何で、もっと妹と触れ合わなかったのだろうかと。

「湯煙や 我らを戻して 過去の時」という俳句を詠みたくなるほどの後悔だ。

俺の才能は、所詮作者の才能。幾ら、俺が詩を詠んだってこいつは俺の評価を下げる一因となるんだ。

皆には、決して僕を見捨てないでくれ。頼む。


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