鴎咲丸
そして、咲耶と蒼依は、夕食を食べた。
「いやぁ。やっぱり船の中で食べる新鮮な魚介類は最高だね。」蒼依は言った。
「蒼依さん。有り難い。いつもの食事が何倍も楽しくなるよ。」咲耶が返す。
「漁船鴎咲丸。明日は、久し振りに陸に上がろう。蒼依君も陸に還さんといかんしな。」鴎耶が言う。
「湯殿温泉郷と言うところに我が家があるのだが、そこに案内するよ。」
「咲耶。あんたのお陰でゆっくり休めるぜ。温泉町に住んでいるのは、羨ましいことだな。」
「蒼依君も温泉好きなのか?趣味が合うのぉ。ほれ、若返りすぎてな。高校時代の体に戻っちまった。」鴎耶が言った。
「なんという若返り効果だ。そんな温泉がこの世界に有ったとはな。」
食後、三人で風呂に入った。
シングルベッド四つ分の広さの風呂であり、三人で入るのには十分な大きさであった。
「 希にとんでもない作用を引き起こす温泉だけどな。良い風呂じゃ。基本は。」鴎耶は言った。
「でも、蒼依さんが、女子になっても皆鼻血出すだけで済むから大丈夫じゃないですかね。」咲耶が言う。
「それ、俺の肉体が変化すること前提で言ってるのか?」
「勿論。その可能性は十分有りますゆえ。」
「馬鹿野郎。俺はな。高音出さなきゃ大丈夫だ。余計な心配しなくて良い。」
三人は風呂を出た。
「俺は、運転する。三時間後には着くだろう。咲耶、準備をしておけ。今は七時か。10時には着くだろう。そこに船を停めて、日が明けるまで寝よう。」
咲耶と蒼依は同じベッドで寝た。まるで女性二人がそこにいるように。




