追跡
俺は、夢を見て目を覚ました。
「さて、今日も旅にでるか。」
俺はこの旅を通して何を得るのか。それも分からずに旅を続けている。
辛い、孤独な旅だ。それでも、回りの皆は俺に手を差し出す。
「いちゃりばちょーでー。一度会ったら、皆兄弟と言うことさ。」村民は言う。
「この部屋は自由に使ってくれていいさね。あんた、辛い日々を乗り越える修行に励んでるんでしょ。その真剣な眼差し見てると分かるんだわ。」
ここは、沖縄県ではないが、琉球方言が使われていた。
沖縄街と呼ばれる沖縄人の集落である。此処になにかとっかかりを感じた。
「お兄さん本当に泊まっていいんですか。」
「なんくるないさー。そう言えば、自己紹介まだだったね。僕は玉城。玉城 広信。何かあったら言ってくれよな。」
「ありがとうございます。玉城さん。私は、南原蒼依。一晩御厄介になります。」
「宜しく。南原さん。このへんには宿舎は無いのでね。民宿じゃないけど泊めてやるんさ。来客が来れば、泡盛とつまみを用意して飲み会が始まるんさ。最も、あんたには関係のない話だろうがね。」
「飲み会ですか。興味は有りますがね。」
「長生きしてもらうには我慢してもらうしかないのぉ。」
「ところで、親戚に南原さんっておりませんか。」
「南原?ここの町長さんかな。南原兼政さん。」
「連絡してもらえると有り難いのですが。」
「おう。ちょっと待ってて。会ってくれるか分からんけど。」
暫くして面会の許可が出た。
「しかし、町長さんに何か御用があるのかい。」
「ちょっとしたことが有りましてね。気になることが。」
「ほう。町長さんのお宅はこの山の頂上。なあに、十分から二十分で着く。心配せんと行ってらっしゃい。」
そして、邸宅を開けると。主人が出てきた。
「南原蒼依です。」名刺を見せると主人は驚いた。「なんと!!我が妹と同じ名前ではないか。んで何の用じゃ?」「その妹はどうした?」「見知らぬ者に言う義理は無い。」
「言わないとお前の妹は甦らない。それでもいいのか?」
「わ…分かったよ。助けてくれるんだろうな? 勿論。」「約束する。」
「この業者に焼いてくれるよう頼んだのだ。早く楽にさせてやりたかったのでな。」
主人の言い方に呆れて頬を叩いた。




