45 カリダー現る
45 カリダー現る
錬金術師は今までの連中とは違い、奥に逃げていった。
「待て!」
宙に浮いたイージーは真っ先に追いかける。
オルクを連れたエルクも、尻尾を出したウォーラも、ナイフを構えたマリアベルも追いかける。
「ついてくるな」
イージーは一旦後ろを見てから叫んだ。対立してたのだから、しょうがない。
「事情が変わった。あいつは俺を殺そうとしている」
「はあ?」
「俺はマリアってやつに狙われている。錬金術師はその刺客だ」
「さっきのセリフか」
エルクは頷いた。
「人造人間の完成度によっては生かしといてくれ」
「約束は出来ない。が、協力はする」
イージーは頷いた。三つ巴になることは避けられた。
錬金術師は階段を降りていき、広い部屋に出た。壁にはいくつかの檻があり、黒ずんだ血痕がいたるところについている。
「出てこいカリダー。こいつらをやっつけるのだ」
奥にあった檻を開けた。
頭がトラで体がクマの獣が現れた。
「キメラね」
「ただの獣ですよ。息できなきゃ死にます」
頼もしいことを言い、ウォーラは水の蛇を差し向けた。
顔は水に覆われたが、焦ることなくウォーラに向かっていく。
「はーっ!」
イージーが飛んで、軽く掠めるようにカリダーに傷をつけていく。致命傷にはならないが、先程のように動けなくなることはなかった。
「角飛び」
動きが鈍くなったカリダーの胸辺りを角が貫く。
手負いの獣はさらに暴れた。エルクは念の為にナイフを持ち、角を生やした。
「あ」
「エルク、やるじゃない」
マリアベルが褒めてくれた。角がナイフと同じ材質の鉄になっていたのだ。
「角飛び」
鉄の角を飛ばした。
虎の頭を貫いた。が、顔を覆っていた水が散ってしまう。
「私の蛇が」
連携がうまくいっていない。練習してもいいかもしれない。
頭を撃ち抜かれたことによってカリダーは倒れ、痙攣していた。
「よし、チャンスです」
ウォーラは二本目の水の尻尾を生やした。そして二本目の尻尾を大きくしていく。
大きくなった尻尾でカリダーを覆う。カリダーは水に溶けるようになくなった。
「よし、いでよカリダー!」
ウォーラが叫ぶと二番目の尻尾の水で出来たカリダーが現れた。
「形勢逆転ですね」
ウォーラが笑うと錬金術師は歯軋りした。




