41 見回った
41 見回った
夜の見回りでは何も起こらなかった。すでに消化試合みたいになっていたが、賃金が発生するため、みな真面目に取り組んでいた。イージーも空から怪しい人がいないか探ってくれた。オルクがいないエルクよりも役に立っている。
帰り道、明日こそ役に立ってみせると誓うエルクにウォーラは言った。
「明日役に立たないと立つ瀬がないですね。変態さん」
「リーダーはウォーラだろ」
「私は戦ってます。変態さんは馬を休ませてサボってるじゃないですか」
「オルクのおかげであのパーティー、潰せたんだろ」
「私も戦いましたけどね」
「まあまあ、活躍しなくても仲間だからいいじゃないか」
とイージーが言う。
「活躍しないから前のパーティーを追放されたのよね。ウォーラは」
マリアベルが追い打ちをかける。
ウォーラはムッとしたが、イージーが彼女の両手を握ってきた。
「ウォーラ、私は見捨てないぞ」
イージーは意外に熱い人だった。
ウォーラは戸惑った。
「みんな仲間だ。スキルが変だからって見捨てない」
「そこだけはいいところなんですけどね」
「ちょっと待ってよ。私、悪もんみたいじゃない。ウォーラがエルクをイジメるから庇っただけだから」
「そうだつたのか。確かにウォーラにも悪いところが……」
「私は悪くありません。チヤホヤしてくれないのが悪いのです」
「その考えかたはどうかと思うが」
「イージーはチヤホヤしてくれないんですか?」
ウルウルとした目でイージーを見上げる。
「それは男にやるやつだ。私にやられても困る」
「私は男女関係なくチヤホヤされたいのです。変態さんも、マリアベルも、イージーも」
ウルウルを強めた。
「二人とも助けてくれ」
イージーはそのまま上空へ浮いて逃げた。
「なぜ?」
ウォーラは二人に聞いたが、軽く肩をすくめてやり過ごされた。




