36 ごねる
36 ごねる
昼間まで寝ていた。マリアベルとウォーラはすでに起きていて、勝手に昼ご飯を食べていた。
「だらけすぎじゃない?」
マリアベルはエルクを見るなり言った。
「二日酔いはさてない」
「私の水、のおかげですね」
そうではないと否定できないため、無視する。
「仕事は夜からだから、寝てても問題ないだろ?」
「ねぇ、やっぱり行かないとダメ?」
「ダメだろ、普通に」
「えー」
「えーじゃない」
「いいじゃないですか。マリアベルさんがいなければ、変態さんは私とイチャつき放題ですよ。夜の散歩デートなんて雰囲気ありますし」
「ダメよ! そんなの」
「でも幽霊いますよ。マリアベルさん怖いんでしょ?」
「幽霊より、二人きりにするほうが怖いわ。だから行くわよ」
マリアベルはしぶしぶといった感じで、参加を表明した。本気でウォーラと二人きりにするのがイヤなのだろう。ひょっとして、ここに二人でいるのもそういう理由なのかもしれない。
「残念でしたね変態さん」
「俺は何も言ってない」
「そういうことにしておきましょう。愛人デビューは先になりそうです」
ウォーラはオーバーに残念がった。どこまで本気かわからない。だが一応は戦力になるのだ。
「オルクは寝かしておくから、ウォーラが頼りだ。あの蛇みたいなので幽霊やっつけてくれ」
「えー」
今度はウォーラがゴネ出した。
「えーじゃない。これはマジだ」
「私は守られる側じゃないんですか?」
「俺は馬がいないとスキルが使えない。ウォーラは使えるだろ」
「マリアベルさんだって使えます」
「そうだ。スキルは二人が頼りだ。幽霊に通用するかわからないけど」
ウォーラは渋い顔をしていた。
「リーダーだろ?」
「リーダーのうまみ、なかったじゃないですか。報酬は三等分だし、神官のお金を私にくれないし」
「あれはマリアベルの儲けだ。俺ももらってない」
「不公平です」
「前のパーティーのほうがよかった?」
「それは……、今のほうがいいです。変態さんみたいにからかえる人いなかったんですもの」
「確かに」
マリアベルと二人で盛り上がっていた。
エルクはため息をついて、遅めの朝ごはんを注文した。




