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ユニコーンを作るスキル  作者: 古山 経常
三章 水の冒険者編

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35 ショックを受ける

35 ショックを受ける



 神官を連れて帰り、ギルドで手続きをさせた。普段剣士が手続き等をしていたらしく、もらえる報酬の多さに神官は驚いていた。エルク達が言うのも何だが、神官相手に報酬をちょろまかすとか頭がおかしい。


 エルク達は薬草を納品して初めての依頼を終えた。やはり報酬はオーガに比べて安かった。


「次の仕事は?」


 エルクは焦っていた。依頼料が安くて宿屋に数日しか泊まれない。野宿は絶対にイヤなのだ。


「後は、町のパトロールとかですかね。最近、幽霊が出ると噂が立って誰もやりたがらないんですよ」


 幽霊と聞いて、マリアベルがエルクにしがみついてきた。


「よそうよ。他の依頼受けようよ」


「残念ながら、Fランクには依頼がこれしかなくてですね。その分、薬草採取の三倍は報酬を払います」


「やる」


 マリアベルは声を裏返させつつ、肯定に転じた。金には思うところがあるのだろう。


「後は神官にアドバイスをもらいましょう。奢ってくれますよね」


 神官は報酬を受け取った後、ウォーラにガッチリ捕まっていた。もらうまでは解放しないという強い意志を感じた。


「ああ。仕方ないね」


 本気のあきらめが込められていた。


 エルク達は神官を連れて宿屋兼酒場に戻った。



 酒場での食事は神官の奢りになった。毒くらわば皿までという感じで、もはや抵抗すらしなかった。


「とんだ薬草採取だったわね」


「まったくです。結局、オルクさんに乗せてもらえませんでしたし」


 ウォーラはオルクに乗ることに執着していた。別に乗せてもいいのだが、なんか予想の斜め上のことをしそうで拒んでいた。


「やはり変態さんの愛人にならなければならないのですか?」


「そんなことさせないってーの」


 マリアベルとウォーラは熱い議論を始めた。エルクはこそばゆい感覚に襲われた。モテ期到来なのかとも考えた。でも神官が余計なことを言った。


「マリアを放っておいていいのか? 好きだったんだろう?」


「は?」


 神官はニヤリと笑った。


「変態さんはマリアを追って旅に出たんですか? マリアベルさんを連れて?」


 ウォーラが疑い出した。


「エルクはマリアせいで村にいられなくなったの! その女を好きなわけないでしょ! ねえ、そうよね」


 マリアベルも確信を持てていないようだ。


 エルクは言った。


「俺はマリアに殺されそうになっている。それはジョンが死んだからだ。その逆恨みで、盗賊もお前達も、マリアに操られて殺しに来てる。だから俺は村を追い出された。冒険者になったのも力をつけて、マリアを殺すためだ。そして俺は村に帰る」


 ウォーラは驚いていた。


「変態さんは一旗上げたい田舎者ではなかったんですね」


 田舎者という単語が妙に刺さった。


「俺って田舎者か?」


「そうね。私達より確実に田舎者よ」


 マリアベルに言われショックでエルクは酒に逃げた。


「変態さん、かわいいです。チェイサーで水でもどうですか?」


 ウォーラはジョッキに水を入れて渡してくる。


 マリアベルは呆れ顔で、逃げ出した神官から財布を盗み、自分もエールを飲んだ。



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