34 企む
34 企む
「助けてくれ」
神官はあっさり降参した。
「マリアのスキルは影響してないのか?」
「神官は神の僕。スキルに対する抵抗力はあります」
「それで、マリアの相手をするなんて……」
「ねえ」
エルクとマリアベルは呆れていた。
「二人、なんか仲良しさんです。しかもさっきオルクさんに乗ってましたよね。特別扱いはずるいです」
ウォーラはムスッとした。
「私はエルクの妻だよ。ギルドの書類に書いて、お墨付きをもらってるんだから」
「むむむ、オルクさんに乗るには変態さんの愛人になるしかないのですか。バストタッチじゃダメですか?」
ウォーラは胸を突き出してくる。
「ダメだ。オルクが濡れる」
「残念だね。それよりこの神官どうする?」
「私をチヤホヤしてくれなかったので、死ぬべきだと思います」
「エルクだってウォーラのことチヤホヤしてないじゃない」
「変態さんは私の水を飲んだらどうなるかの実験中なのです。だから生かしてるんです」
かなり横暴なリーダーだ。
「だったら利用しない?」
「利用とは?」
「あのオーガの首を引き渡したら金になるんでしょ? 換金させて、全部もらうの」
「あなた、神官に対して酷いわね」
「殺すほうが酷くない?」
「確かに」
「変態さん、後悔する前にやっておかないと後悔しますよ」
「はぁ……」
やっておかないとが殺っておかないとに変換された。
「金は取っておいたほうがいいって」
「あることないこと話されますって」
「Fランにボロ負けしたなんて、恥だから言えないわよ」
ウォーラが目を見開いた。そして何度か頷いた。
「確かに薬草摘みにきたFランに殺されたって言いづらそうですね。やりましょう」
殺害派を説得して、神官は救われた。安堵した彼をエルクは可哀想だと思った。これから報酬をぶんどられるというのに。




