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ユニコーンを作るスキル  作者: 古山 経常
三章 水の冒険者編

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33 ウォーラ、本気出す

33 ウォーラ、本気出す



 剣士は仕留めたが、すぐに反撃が来た。


 ローブの男が握り拳大の火の玉を放ってきたのだ。エルクはオルクがいるためかわせない。


 そこに水で出来た蛇のようなものの一団が火の玉に特攻を仕掛けた。水蒸気爆発で火の玉が消え、爆風が広がった。


 水の蛇の出所を探ると、ウォーラに行きついた。いつもとは違い、ローブの裾から水が出ていた。まるで狐の尻尾みたいだった。


「変態さん! そいつは私に任せて、戦士を倒して」


 ウォーラは尻尾を逆立てた。尻尾から水の蛇が現れる。


 エルクはそんなスキルの使いかたがあるのかと感心した。ただ飲み水を出すだけではなかったのだ。


「死ね。エルク!」


 戦士は剣士のロングソードよりも大きくて重い剣を持って斬りかかってきた。


 エルクは剣士を刺した角を切り離し、新たな角を出した。


「角飛び」


 角が飛ぶと、剣の平べったい部分を盾にして受け止めた。そして落ちた角を拾い、オルクに向かって投げてきた。


「角の壁」


 オルクかの体に角が生えて、角を弾いた。


 戦いかたを変えなくてはならない。相手はオルクを狙ってくる。


 角の壁を解除して、オルクに跨った。


「エルク!」


 マリアベルが声を上げ、駆け寄ってくる。


 エルクはマリアベルをオルクに乗せ、馬車から離れた。


 戦士は鎧をガシャガシャさせつつ、追いかけてくる。


 馬対徒歩なら分があるが、ウォーラを置いていくことになるので、振り返って対峙する。


「いくぞ」


「うん」


 角を生やし、突進することにした。


 戦士は腰を据えて、剣を引く。



 その頃、ウォーラは水の蛇を大量に敷設していた。蛇は浮いていて、動いたら蛇に触れてしまうくらい埋め尽くしていた。


「ウォーラ、こんなスキルを隠していたのか?」


「か弱いほうがチヤホヤしてくれるじゃないか。それをマリアなんて女にうつつを抜かして……。私に優しくない人は殺します」


 かなり勝手なことを言って、ウォーラは蛇をけしかけた。


 火の玉を作ると先ほどのように爆発するので、ローブの男は何も出来ない。蛇に鼻も唇も噛みつかれ、息が出来ない。敵を斬れれば助かったろうが、男はその術を持っていなかった。地面を転がり、やがて動かなくなった。


 残った蛇を神官に向けた。そのうち一匹が消えた。


「うりゃあーっ」


 マリアベルがオルクから飛んで、盗賊のスキルを使って蛇を手にした。蛇は抵抗することなく、つかまれたまま。それを顔に向けて投げ付けた。


 戦士は剣の平べったい部分で蛇を弾く。蛇はただの水に戻った。マリアベルはそこに蹴りを加えた。それも弾き返された。


「邪魔だ」


 戦士は大きく振りかぶる。狙いはマリアベルだ。


 マリアベルは左へジャンプした。


 戦士の剣も追う。そこへ角の生えたオルクが突っ込む。体を捻っての無理な体勢で角を受け止めた。


 そしてマリアベルは背後に回り、ナイフで首を切り付けた。激しく血が吹き出しつつ、角を押し返す。


 今度はマリアベルが足を斬りつけた。


 戦士は剣を払ってマリアベルを追っ払うと、エルクは角を二股に分かれさせた。


「枝毛」


 分かれた角が腕にはまり、戦士は両腕を上げたまま動きを封じられる。エルクはそれを切り離した。


 マリアベルは手足を斬りつけ、さらなる血を流していく。


「エルク、とどめを」


 頷いたが、鎧は貫けない。どうするべきか迷っていると、オルクが勝手に後ろを向いて、蹴りを放った。戦士は吹っ飛ばされ、動かなくなった。


 後は神官だけだ。


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