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ユニコーンを作るスキル  作者: 古山 経常
三章 水の冒険者編

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32 剣士と戦う

32 剣士と戦う



「なんだ、お前の馬車か。乗っけてけよ。俺等は疲れてんだ」


 剣士はオーガの頭をポンポンと叩いた。


「まさか、連れ立ってこんなところにいるなんてな」


「薬草取りか?」


「Fランの仕事か」


 剣士以外も悪口に参加していた。ウォーラは息が整わずに何も言えない。それに調子に乗った連中は下卑た笑いを浮かべた。


「冒険者になりたてだから当たり前だろ。いいから降りろ」


「Fランが俺達に勝てるとでも?」


「一対一で戦えないやつが見下すな。僕ちゃんFランの冒険者が怖いから集団で攻めるでち。ってか?」


 煽ってやった。すると見事に表情が変わった。


「一対一がお望みならやってやろうじゃねえか! おい、手を出すなよ」


 馬車から降りてロングソードを抜く。


 相手は鎧を着ている。盗賊の頭と同じタイプではある。しかしせっかく一対一にしたのにこっちが総力戦で挑むと、向こうも総力戦になる気がする。エルク一人でやるしかないのだ。


 エルクはオルクに角を生やした。


「角飛び!」


 角が飛び、剣士に襲いかかる。


 ガキィィン!


 剣士はロングソードを振り下ろし、角にぶち当てた。角は折れて、切断面が地面に突き刺さる。


「危ねえ危ねえ。馬から角が生えてくるなんてな。だから店の中じゃやられ放題だったわけだ」


 一人納得している。


「角飛び」


 今度は螺旋状にして打ち出した。


 剣士はまた角をはたき落とす。だがロングソードがかなりの高さまで弾かれ、体勢を崩した。


「角突き!」


 角を伸ばして突く。


 剣士は地面を転がり、角を避ける。角は地面に刺さった。


 剣士はその角を触って勢いよく立ち上がり、ロングソードをまっすぐ突き出した。


「枝毛」


 進路を遮るように角から角を生やした。


 しかし剣士はそれを屈んで突破した。突きの勢いは死んでない。


 エルクの負けに思えた。


「モグラ!」


 地面に突き刺さった先端をカーブさせて剣士の後頭部を狙った。突きが届くか角で突き刺すかの勝負だ。エルクは賭けに出た。


「エルク!」


 自分の名を叫んだ。


 すると剣士だけでなく、馬車に乗っていた彼の仲間達もこう言った。


「エルクを殺す。マリアのために」


 言うために動きを止めた剣士は、無事角に刺されて絶命した。


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