28 冒険者になる
28 冒険者になる
ご飯を食べた三人は冒険者ギルドにやってきた。エルク達は初めて来るのでキョロキョロしながら、ウォーラについていった。
「あの、新しくパーティーを組みたいのですがっ」
受付に対して言った。慣れてないのか舌を噛みそうになっていた。
「ウォーラさんは……先ほどパーティー登録から外されてますね」
「はい、それで新しくパーティーを組みたいと」
「とりあえず、個人登録を先にしてしまいましょう。字は書けますか?」
エルクとマリアベルは頷いた。紙を渡される。エルク達は書いていく。
名前、来歴、そしてスキルも。隠す必要もないので素直に書く。
一方のマリアベルは悩んでいるようだ。姫という出自は隠しておきたいだろう。覗き込んでみると『エルクと結婚』の文字が。
「おい」
「何?」
悪びれた様子もない。
「いつ結婚したんだ」
「だってウォーラがいるし」
と、訳のわからない答えをする。
「あいつ、俺のこと変態だと思ってるんだぞ」
「水を飲んだからね。何度も」
「勧めてくるんだぞ。なんとかならないか。マリアベルが言えば……」
「あの子、思い込み強いからなんともできないわ」
あっさり却下された。マリアベルは『エルクと結婚』と書かれた紙を受付に差し出した。
「マリアベルさん、スキルは盗みか。お兄さんは?」
エルクが紙を渡すと、受付は目を通す。そして眉をひそめた。
「馬に角を生やす……ですか。嘘はやめてください」
受付はもう一枚紙を出して、書き直しを迫る。
「いやいやいや、本当にそのスキルなんです」
エルクと受付のやりとりを聞いて、ウォーラは驚いている。まだ彼女にはスキルのことは話してなかった。
「私よりも変なスキルじゃないですか。変態さん」
「あんたのほうが変だ」
「私は役に立ってます。変態さんの喉を潤してます」
「俺だって、このスキルで金を稼いでいた。盗賊も倒したことがある」
マウント合戦に発展し、睨み合う。
受付はため息をついた。
「パーティーの登録やめますか? 仲悪そうですし」
「やります」
「やる」
二人は同時に言った。
受付は手続きをしてくれ、エルク達は最低のFランク冒険者になった。ちなみに剣士達はDランクだそうだ。
「あちらはあなたを切った後、早速依頼を受けてましたけど、ウォーラさん達はどうしますか?」
「受けられる依頼って確か……」
「薬草採取と猪狩りです」
「薬草採取で……」
ウォーラは元気がなかった。今までと依頼の落差にショックを受けているのだろう。だがエルクからすればちょうどいい。
「頼りにしてるぜ、先輩」
エルクがそう言うと、ウォーラの目に光が戻る。
「仕方ないですね。変態さんは私がいないと何にもできないんですから」
態度がデカくなったウォーラに、エルクはイラッとした。




