27 また飲む
27 また飲む
二日酔いだ。朝から、いや、昼から憂鬱だ。
マリアベル達はもう起きているのか、この場にはいない。
食堂に行くと、二人は仲良く談笑していた。
「遅い」
「悪い。酒には慣れてなくてな」
「私のせいかと思ってしまいました」
ウォーラは顔を赤らめている。水を飲んだことを言っているのだ。
「水を飲んだほうが悪酔いしないって言ってたんだけどね」
マリアベルはまだ怒ってるのか睨んできた。
エルクはスルーして、ウォーラに話しかけた。
「俺達冒険者になろうと思うんだが、先輩として仕切ってくれないか」
「私がですか?」
「ウォーラしかいないんだ。な」
確かにその通りなので言うと、ウォーラの目にやる気が見えた。
「任せてください。私がパーティーのリーダーになる日が来るなんて」
想像がエルクの上を行っていた。アドバイザー的な位置だと思ってたのに、リーダとは。調子に乗りやがって。彼女を加えても初心者に毛が生えた程度だろう。あの剣士達でさえ、そんなにランクが高くないそうなのに。
「まずはギルドに行って登録です。私は追放されたので、その辺の状態がどうなってるのか確認しないと」
ウォーラは自虐的に笑った。まだ心の傷は完全には癒えていないみたいだ。
「そのためには腹ごしらえです。水も用意しましたよ、変態さん」
ウォーラはジョッキをエルクに渡した。水が入っていた。
エルクはマリアベルに目で助けを求めた。しかし無視された。
エルクは黙って水を飲んだ。




