表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニコーンを作るスキル  作者: 古山 経常
三章 水の冒険者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/30

26 仲間増える

26 仲間増える



 ローブの女性はウォーラと名乗った。そして、やたらとエルクのケガを心配していた。


「大丈夫でしょうか」


「大丈夫だから、心配しなくても」


 そうは言うもののやはり痛いものは痛い。表情に出てしまうとウォーラは心配して、エルクとの距離をだんだんと狭めていった。それはマリアベルが嫉妬するほどだった。


「ちょっと近いかな」


「すいません。彼氏さんに……」


「わかればいいのよ」


 エルクに「まだだ」とかの反論を与えない素早さだった。文句を言いたいが、ここの飲み代を握っているため、うかつなことを言えない。


「でも私を庇ってくれたのは嬉しかったです。私にできることならなんでもしますので」


 エルクはウォーラの胸に注目した。ついうっかりだ。そしてついうっかり、マリアベルの胸を見てしまう。


「エルク、殴っていい?」


 真顔で言われてしまった。気をつけないといけない。


「あいつ等ひどいな。仲間はずれなんて」


 話題を思いっきり変えた。マリアベルはそれ以上追撃してこなかった。


「私が悪いのです。期待させてしまったので」


「期待?」


 エルクが聞き返すと顔を真っ赤にしてウォーラは言った。


「よろしいですか?」


 聞いたくせにウォーラは確認も取らず、エールの入ったジョッキを取り上げて飲み干した。


 酒に関係あるのかと見ていると、

「見ないでください」と軽く叱られた。


 見ないふりしてから見ると、ウォーラはくるりと後ろを向いて、エールのジョッキをローブの裾の辺りに突っ込んだ。


 ジョロ、ジョロ、ジョロ……。


 液体がジョッキに落ちる音がする。最悪の想像をしてしまった。それはマリアベルも同じだったようだ。


「何やってんの!」


「これが私のスキル、下半身から水を出す……です」


 ウォーラはジョッキをテーブルに置いた。ジョッキには水がなみなみと注がれている。


 マジかと思った。


 どう見ても、アレでしかない。


「やっぱりおかしいですよね、こんなスキル。水のスキルだと聞いて、最初は喜ばれるんですけど、みんな驚いちゃって」


 ウォーラは自虐的に笑った。さっきのやつ等と同じだ。エルクはやつ等に怒ったのに、同じように見下してしまった。何か自分に罰を与えたくなった。ちょうどそこには水の入ったジョッキがあった。


 ごくっ、ごくっ、ごくっ……。


「ぷはあ、冷たくてうまい」


 そう言うと周りの全てがドン引きしているのがわかった。ベタベタ引っ付いていたマリアベルもだが、水を出したウォーラさえも信じられないと言いたげな顔をしていた。


 エルクは言った。


「俺はスキルで価値を決めない。よければ俺達と冒険者、始めないか?」


 ウォーラに向けて手を出した。


 周りが注目する中、ウォーラは頭を下げた。


「よろしくお願いします」


 ウォーラが仲間になった。


「しかしあの水を飲んだのはびっくりしました。誰も飲んだことないのに。変態さんなんですね」


 エルクは笑って誤魔化した。


 マリアベルは怒って、エルクの足を踏んだ。


 エルクは耐えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ