25 返り討ちにあう
25 返り討ちにあう
「あ? 誰だ? お前」
当然の問いが返ってくる。しかしすでに沸騰しているエルクは無視。
「お前、その子のこと笑ったろ。スキルをバカにして」
そう言われて、剣士はキョトンとした。
「俺はスキルをバカにするやつは許せねえんだ。表、出ろ!」
剣士に言ったのだが、背後を戦士に取られた。神官も、ローブの男もエルクに向いている。
「なんだ? 怖いのか?」
「ああ、怖いね。表に出たら、スキル使われるだろ」
見抜かれていた。逃げしか選択肢がなくなる。
「逃すか」
戦士に羽交締めにされ、動けなくなる。
「オラ!」
剣士は素手で殴ってきた。店で刃傷沙汰は起こす気がないのだろう。
悔しかった。馬がいないとエルクは無力なのだ。
殴られまくるとローブの女性が言った。
「追放でいいです。だからその人を助けてください。お願いします」
泣いていた。助けるつもりが、助けられてしまった。
女性の発言に剣士も戦士も従い、エルクへの暴行は終わった。女性の泣く声だけが響く。みな剣士達に非難の目を向けている。
「空気が悪いぜ。他で飲み直すぞ。勘定」
剣士が巾着のような財布から金をテーブルに置いた。店の人が確認して受け取ると、女性を置いて出ていった。
「派手にやられたね」
マリアベルが笑って言った。
「まあな」
エルクは不満そうに答えた。
「臨時収入も入ったし、そっちの人も飲もう」
マリアベルは巾着のような財布をテーブルに置いて笑った。
それを見て、エルクも笑った。




