第三十三章:まどかとの対峙
和兎ときいは新聞の掲示板を見つめ、しばらく無言だった。きいは新聞を握りしめ、顔が怒りで赤く染まっていた。
「許せない…!先生、まどかさんのところに行こう!こんなの、絶対に許せない!」きいは感情を抑えられず、和兎に言い放った。
「待て、きい。感情的になっても状況は悪化するだけだ。冷静に対処しないと—」
「でも、こんなにデタラメを書かれて…」きいは食い下がったが、その勢いに押され、和兎もため息をついた。
「わかった。事を大きくしないためにも、僕も一緒に行こう。ただ、感情に流されるなよ。冷静に話すんだ」
「うん、でも言いたいことはちゃんと言う!」きいは決意を固め、和兎とともにまどかのいる報道部へ向かった。
---
報道部の部室に到着すると、まどかは机に座り、何かの記事を書いていた。彼女は二人が入ってくるのに気づくと、にやりと笑った。
「おやおや、保健室のロマンスの主役がいらっしゃったね。どうだった?私の書いた記事、評判良いよ?」
「こんなもの、ふざけてる!」きいは怒りを抑えられず、まどかに詰め寄った。
「まあまあ、そんなにカッカしないで。みんな楽しんで読んでくれたみたいだしさ、冗談半分で書いただけだからさ」まどかは肩をすくめて、笑いを浮かべた。
「冗談?冗談で済むと思ってるの!?私たちのこと、勝手に書いて、学校中に噂を広めて…!」きいの声は怒りに満ちていたが、まどかはその様子を楽しむかのように笑い続けた。
和兎は静かに、冷静に場を見守っていたが、きいの勢いに押される形で次第に険しい表情になっていった。
「きい、落ち着け」と和兎が低く言ったが、きいは振り向きもせずにまどかに食い下がった。
「ふふふ、可愛いなあ、きいちゃん。そんなに怒ると顔が真っ赤になっちゃうよ」まどかはきいをからかい続けた。しかし、その笑いも一瞬で止まった。
まどかの表情が一変し、冷たい真顔に戻った。そして、低い声で言った。
「ところで、先生たちは、どこまで真相に辿り着いたんですか?」
突然の変化に、きいは言葉を失い、和兎も警戒の色を強めた。まどかの目が鋭くなり、まるで真意を試すような視線が二人に向けられていた。
「…真相?」和兎が問い返す。
「ええ、先生も気づいているんでしょう?この学校で起きている“本当のこと”に」
まどかの口調は完全に変わり、和兎ときいを見透かすようにじっと見つめていた。彼女の言葉には何か深い裏がありそうだったが、それが何なのか、二人にはまだ掴みきれなかった。
和兎はその問いの意味を探りながらも、まどかに挑むように視線を返した。
「真相とは何のことだ?言いたいことがあるなら、はっきり言え」




