第三十章:突如訪れる眠気
和兎が倒れ、保健室には不穏な静けさが漂っていた。きいは焦りながらも、必死に状況を把握しようと頭を働かせていた。和兎の手が茶子に触れた瞬間に何かが起こったことは間違いない。だが、それ以上のことはわからなかった。
「先生、なんで急に…」
そう呟いた瞬間、きい自身の視界がぼやけ始めた。突如、体に重さが襲いかかり、立っているのが難しくなってきた。
「え…まさか…」
きいは自分の身体に起こっている異変に気付き、驚いた。瞼が重くなり、頭がぼんやりとし始める。身体が鉛のように重く感じ、目の前の光景が揺らぎ始めた。
(これは…眠気?)
きいは眠気に抵抗しようと、必死に目を開けているつもりだったが、その努力も虚しく、視界は次第に暗くなっていった。まるで力強く引き寄せられるかのように、意識が遠のいていく。
「先生…私も…」
何とか言葉を発しようとしたが、口がうまく動かない。まぶたが閉じようとするたびに、頭の中に霧がかかるようだった。
(まさか…先生に触ったことで…?)
そう考えた瞬間、きいはバランスを崩し、倒れ込むように保健室の床に膝をついた。そして、そのまま意識が完全に途絶えた。
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保健室には、和兎ときいが並んで眠り込んだまま静寂が訪れた。外では夕日が差し込み、暖かい光が部屋を包んでいたが、二人の眠る姿はまるで時間が止まったかのようだった。
二人が倒れたことに気付く者もなく、保健室にはただ、時間だけが過ぎていく。
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しばらくして、保健室のドアがゆっくりと開く音が響いた。だが、和兎ときいはその音に気付くことはできなかった。
誰かが、ゆっくりと保健室に入ってきた。




