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第二十四章:秘密の道具②

朝、きいは保健室にそっと入ってきた。いつもの元気な様子とは少し違い、慎重な足取りで和兎に近づく。


「和兎先生…これ、借りてきたよ。」彼女は和兎にだけ聞こえるように、小声で囁きながらバッグから小さな黒い装置を取り出した。


「これは?」和兎は、きいが手にしている装置を目を細めて見つめる。


「これね、すごいんだよ。」きいはさらに声を潜めて説明を続ける。「他のカメラに干渉して、映像をすり替えたり、ハッキングして映像をジャックすることができるんだ。しかも、ボタン一つでライブ配信もできちゃう!」


「ライブ配信?」和兎は驚きを隠せずにその装置を手に取り、慎重に観察した。「まさか、こんな機械が高校生の手に渡るとは…。」


「お父さんに聞いたら、『特別に』って貸してくれたんだ。」きいは誇らしげに微笑む。


「お前の家は一体…」和兎は思わず呟いた後、すぐに話を元に戻した。「それで、これをどう使うつもりなんだ?」


「今までの学校のカメラ映像って、犯人に見られているかもしれないでしょ?だから、私たちが逆に映像をコントロールすれば、犯人を追い詰められるんじゃないかと思って。」きいは得意げに話した。


「なるほど…映像をすり替えて、犯人が油断する隙を作るつもりか。」和兎は少し考え込んだ。「それなら、次に保管庫に近づいたときに仕掛けるのがいいだろうな。」


きいは大きく頷いた。「そう!映像を操作して、犯人に『自分たちが何もしていない』と思わせるんだよ。これで完全に優位に立てる!」


「でも、逆にこちらの意図がバレたら一気にピンチだ。使い方には気をつけないと。」和兎は慎重に話しながら、装置のボタンを軽く押して試してみた。赤いランプが一瞬点灯し、すぐに消えた。


「作戦はこうだ。今夜、保管庫の映像をすり替える。犯人が動き出したら、すぐに僕たちが行動できるように準備を整える。」


「了解!」きいは目を輝かせ、やる気満々だった。


和兎はその姿に少し苦笑しながらも、心の中では慎重に計画を練り直していた。犯人が予想以上に手強いことはすでに分かっている。今回の罠で、果たしてどう動くのか——次の一手が決まろうとしていた。



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