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300年前の魔術師  作者: 卯月木蓮
第3章 筋肉と盗賊
16/20

閑話 この村色々おかしくね?

 俺の名前はシリウス。5歳だ。

 ローレンス領の領主アランとその妻ナタリアの息子で、3歳上の兄のユートと双子の妹のシャルロットがいる。


 実は前世の俺は日本人だった。

 俺は、それなりに有名な大学に通っていて来年には卒業する予定だった。

 大学の授業が終わり、特に予定もなかったので早々に帰宅してのんびりしようと決めていた。

 小学校の前を通るとちょうど下校の時間帯なのか小学校低学年らしき子供たちが下校するところだった。ワイワイと楽しそうに話しながら下校する子供たちを見て、俺にもあんな時があったんだなぁ。と微笑ましい気持ちで見ていたら、怪しい奴がいた。子供たちは気づいていない。


 そいつは、フードを目深にかぶり俯き加減で子供たちの集団に近寄っていく。その手にはきらりと光る物が握られていた。


「危ない!」


 きらりと光る物がナイフだと認識した瞬間、俺は走り出していた。

 狙われた男の子を突き飛ばした瞬間、俺にナイフが刺さる。悲鳴が上がる。

 刺された右脇にカッと暑さを感じた次の瞬間、激しい痛みを感じた。

 男は俺からナイフを引き抜くと小学生に狙いを定める。それを防ぐため俺は男の腰に抱きつく。すると、男はもう一度さしてきた。

 俺は、刺されたまま男の腕を掴み拘束する。くそ、痛えぇぇぇ。


 そのあと通り魔の男は駆けつけた教師たちによって取り押さえられたが、俺はそのまま死んでしまった。


 気がついたらきれいな肌が透けて見える衣を着た女の人がいた。

 え? 転生の女神? まじで!?


 剣と魔法の世界?


 行く行く!!


 チート能力くれるの? 


 やったー!


 俺は生きている間、困っている人たくさん助けたり、ボランティア活動したり、小学生を助けたりしたので色々と能力がもらえた。


 というわけでこの世界に生まれて早5年。

 ついに、鑑定を習得したので早速使ったのだが・・・・・・


 俺の家族がヤバイ。


 まず俺のステータス。

 Lvの最大は10だ。

 鑑定でわかるLvをこの世界の魔法のランクに直すと、1〜2が初級(村人レベル)、3〜5中級(学校通った人レベル)、6〜7が上級(達人レベル)、8〜9が最上級(一握りの天才レベル)、10が超級(勇者など神話の人物レベル)


ーーーーーーーーーー

 シリウス・ローレンス 5歳 男


 称号

 自己犠牲 異世界からの転生者 転生の女神の加護

 全てを見抜く者


 HP 2511

 MP 2287


 鑑定Lv10(New) 無詠唱(全魔法) 成長補正(大) 

 空間魔法Lv5 火魔法Lv5 水魔法Lv5 

 土魔法Lv3 風魔法Lv5 雷魔法Lv5 

 アイテム作成Lv4 回復魔法Lv4


ーーーーーーーーーー


 ちなみに村の普通の成人男性でHP500、MP200ぐらいで、Lvは2前後。

 次に、俺の兄ちゃんのユート。


ーーーーーーーーーー

 ユート・ローレンス 8歳 男


 称号

 元人工生命ホムンクルス 元ルキオン帝国軍人 土魔法を極めし者

 水魔法を極めし者 偉大なる土人創造者ゴーレムクリエイター

 木魔法を極めし者 魔石作り職人 転生者


 HP 276

 MP 13987


 『魔法陣魔法(土Lv10 水Lv10 木Lv10)』

 *鑑定Lv9以下非表示


 火魔法Lv1 水魔法Lv1 土魔法Lv1

 風魔法Lv1 雷魔法Lv1


 固有魔法

 木魔法 城塞 森界


ーーーーーーーーーー


 俺は愕然とした。

 なにこの称号。色々おかしくね?

 なんか色々極めている上に俺と同じく転生者で、MPに至っては桁が違うのですが!?

 魔法陣魔法って何!? しかもLv10だとっ!!


 いや、落ち着け、俺の兄も俺と同じ転生者だからチートってだけかもしれない。

 よし、お父さんとお母さんも見に行こう。


ーーーーーーーーーー

 アランローレンンス 29歳 男


 称号

 電光石火 元冒険者 竜殺しドラゴンスレイヤー 英雄

 ローレンス領領主 ケイスター王国準男爵


 HP 5784

 MP 4596


 火魔法Lv8 水魔法Lv5 土魔法Lv1

 風魔法Lv4 雷魔法Lv8


 固有魔法

 電光 石火

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 ナタリア・ローレンス 28歳 女


 称号

 氷の魔女 良妻賢母 元冒険者

 竜殺しドラゴンスレイヤー 英雄


 HP 4152

 MP 9672


 火魔法Lv4 水魔法Lv9 土魔法Lv3

 風魔法Lv8 雷魔法Lv3


 固有魔法

 氷魔法Lv9 氷結界フロストワールド

ーーーーーーーーーー


 ・・・。


 ・・・・・・。


 ・・・・・・・・・。


 もう嫌だ。なんなのこの家族。おかしいよ、女神様!


 悪夢はまだ続いた。

 そう、この家の獣人侍女のエリザさんとマリア姉ちゃんだ。


ーーーーーーーーーー

 エリザ 女 31歳


 称号

 ローレンス家侍女長 姿なき侍女 武装侍女


 HP 469

 MP 967


 水魔法Lv3 火魔法Lv3 風魔法Lv3

 隠密Lv8 気配察知Lv8

ーーーーーーーーーー


 姿なき侍女って何? 武装侍女?

 ・・・エリザさんは怒らせないようにしよう。


ーーーーーーーーーー

 マリア 女 15歳


 称号 

 ローレンス家侍女 武装侍女見習い


 HP 395

 MP 318


 水魔法Lv2 火魔法Lv2 風魔法Lv2

 隠密Lv5 気配察知Lv4

ーーーーーーーーーー


 あああっ!そんなばかなっ!!

 マリア姉ちゃん、マリア姉ちゃんも染められてるっっっ!!!


「シリウスお兄様、どうしたの?」


 この家の人間の能力の高さに打ちひしがれると、ふわっとしたホワイトゴールドの髪と綺麗な碧眼の双子の妹であるシャーロットが心配そうな顔で覗き込んできた。

 俺は一縷の望みにかけてシャルを鑑定する。


ーーーーーーーーーー

 シャルロット・ローレンス 女 5歳


 HP 134

 MP 50

ーーーーーーーーーー


「キターーーーーーー!!!」

「お、お兄、様?」


 こんな妹、欲しかった!

 目の前のシャルは俺の突然の喜びの声に不思議そうに小首を傾げている。


「こほん、なんでもないよ。シャルは今日もかわいいね」

「! お兄様、ありがとう」


 そう言ってぎゅーっと抱きついてきて甘え始める。


 ヤバイ、すごくかわいい。

 前々から思っていたが、シャルは将来絶対に美人になる。今から悪い虫がつかないように気をつけよう。



それから数日後


 村が盗賊に襲撃され、屋敷にまで侵入。母のナタリアは盗賊に無力化された。


(こ、これはもしかして

 ついに俺の転生の女神様から貰ったチートスキルを

 使う時がきたのか? よ、よし。やってやる!)


 俺は自分を拘束している盗賊をチートスキルの一つで

一瞬のうちに無力化し、いざ、盗賊を倒そうとして


「がっはっはー。奥さん、お待たせいたしやした。

 警備隊隊長ロベルト、ただいま参上!」


 できなかった。


 俺が行動を起こす前にロベルトが登場と同時に

盗賊の男を殴り飛ばした。

 顔面を殴り飛ばされた盗賊の男は口から折れた歯を吹き出し

見事なこの字を描いて顔面から着地。そのまま地面とキスを

しながら数ネートル(メートル)進み、動かなくなった。

 静まり返る盗賊たち。


(今、なにがおきたんだ)


「ガッハッハ、おい、坊主。俺が来たからにはもう大丈夫だ」

「ひぃぃっ」  じょーー。


 俺の頭をガシガシと撫でて安心させるロベルト。

 しかし、俺はロベルトのヤクザも真っ青な眼帯強面を

直視してしまった為、恐怖で漏らしてしまった。


「漏らしちまうほど怖かったか。

 へへ、すぐ終わらせるからここで待ってな!」


(な、なんなんだ、このおっさん。悪魔なのか?

 それにムサい、臭い、暑い、怖い。)


 俺はただ、震えながら吐き気を我慢するしかなかった。


「な、なんだ。あの筋肉ダルマ!」

「とりあえず、あいつも弱体化させるぞ」


 正気に返った盗賊たちがロベルトを囲み盾もどきが光る。


「? なんだ。眩しいじゃないか」


 ロベルトはおもむろに一番近くにいた盾もどきを持った

盗賊の男に近づくと、盾もどきごと男を抱きしめる。

 盾もどきがメキメキと音を立てながら潰される。


「ぎゃああああ。痛い痛い痛いムサい、暑い、臭い

 こんな筋肉ダルマに抱かれて死ぬのなんて嫌だああぁぁ・・・」


 口から血を吐き出し、ロベルトに抱かれたまま男は静かになる。


 その光景を見て俺はゾッとする。

 筋肉に抱かれて死ぬなんて嫌だ。

 というか、普通、抱きしめて圧死させられるのだろうか。

 キンニクコワイ、キンニクコワイ、キンニキコワイ・・・。


 俺が呆然としている間に盗賊は無力化された。



「助かりました。警備隊の皆さんありがとうございました」

「いやいや、俺たちは当然のことをしたまでだ。ガッハッハ」

「むしろ、遅くなり申し訳有りません」


 兄ちゃんのユートがロベルト隊長と眼鏡をかけたイケメン筋肉と平然と握手している。

 兄ちゃん、怖くないの?臭くないの?なんでそんなに平然としてられるの?


ーーーーーーーーーー

 ロベルト 男 29歳


 称号

 ローレンス領警備隊隊長 筋肉を愛する者

 筋肉の探求者 恐るべき筋肉達磨 脳筋


 HP 13000

 MP 20 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 アーロン 男 27歳


 称号

 ローレンス領警備隊副隊長 筋肉を愛する者

 筋肉の探求者 聡明なる筋肉 眼鏡は伊達じゃない!

 参謀 愛妻家


 HP 10000

 MP 211

ーーーーーーーーーー


 何、この人たち。鑑定しなきゃ良かった。

 やっぱり、この村色々とおかしいよ。


「わぁ、筋肉すごーい! 触ってもいいですか!?」


 声のした方を見ると、筋肉達磨の集団に囲まれて目をキラキラさせるシャルがいた。

 筋肉達磨たちもシャルにすごいすごいと言われて嬉しそうである。

 

 ああ、何故だ、何故なんだ。我が妹、心の癒し、シャルよ。

 何故あんなヤクザも真っ青な顔した集団の中で嬉しそうなんだ。


 後でシャルを鑑定したところ、「警備隊の天使」という称号が付いていた。

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