第2話 ラズのメイド愛
ストロベリアの街。白い洋館。
朝。モーニングタイム。
「コアンの作るサンドイッチは、最高だね」
今日は、朝から、ご機嫌な様子。
でも。
「僕の苦手なトマトを入れたね…」
ラズは、冷たくにらみつける。
これだ。
「い、いつもは食べてくれるじゃないですか。お仕置きは、やめてください。普通に仲良くしませんか」
「え。普通に、仲良くしてくれるの?」
ラズは、サンドイッチを皿に置いて、コアンの手をつなぐ。
「じゃあ、トマトをぬいてくれるかな」
「は、はい」
言われた通り、トマトをぬく。
「ありがとう。コアン」
笑顔のラズ。
かなりの気まぐれ。本当は素直に仲良くしたいだけ。
メイドのコアンへの愛情は、たっぷり持っている。
第2話 ラズのメイド愛
ストロベリアの街。イチゴ商店街。
イチゴ売りの集まる通り。
街の大半の人が、ここでイチゴを買う。
食べ物のイチゴ以外にも、イチゴ味のマジックポーションとか、イチゴ味の歯磨き粉などが売っている。
「イチゴの種がほしいんだけど」
ラズが、種屋に声をかける。
後ろには、メイドのコアンがいる。
苺王国のイチゴの種は、魔法の種だ。
植えると、一日で実を実らせる。
その中でも白いイチゴ“白リッチ”の種は半日で実る。
種には、上級の魔法がかかっっている。
高級品だが、作るのは簡単。種が希少なのだ。
若く、美味しい、魔法の白イチゴ。
「この白リッチを育てるのは、ウンディーネの役目だからね」
「は、はい」
「出来た白リッチを、僕が売るから」
種を買って、帰路につく。
白い洋館。玄関。
「今日も、白魔法のホウキは元気だね」
洋館の掃除は、動く“白魔法のホウキ”が全てやってくれる。
ラズが、メイドのコアンの仕事を減らすため、買った魔法の錬成アイテムだ。
水をかけるだけで、元気に掃除をしてくれる。
「おかえりなさーい。ラズさん。コアンさん」
留守番をしていた、水の精霊ウンディーネのミーズが出迎えた。
ミーズ。12歳。
水色の長すぎる髪の幼女。
白い洋館の中庭で、イチゴの栽培を担当している。
まだ子供で、寝る時間が早い。
朝方精霊だ。
「ミーズ。種を買ってきたから、頼むよ」
「まかせていーよ」
ミーズは、楽しげに種を受け取って中庭に向かう。
「今日の用事は、これでおしまいだね。余った時間で、僕の相手をしてくれよ」
「昼食のご準備があります」
「それは、もう少し、休んでからでいいよ」
帽子とコートを脱いだラズは広間でソファに座る。
そして、コアンの腕を引き寄せる。
ひしっ。
座ったまま、くっつき合う二人。
ラズからは、苺の香水が香る。甘い香り。
「言うこと聞かないと、また、お仕置きだからね」
お仕置きも、普段も、ただ仲良くしたい。
ラズは、メイドのコアンが大好きだ。
「昼食の準備か。新しく使用人がほしいね」
「わ、私が、頑張ります」
コアンの言葉に、首を振るラズ。
「キミの仕事を減らそう。何か、お得に雇える使用人はいないかな」
考える。
一名、思い当たるヤツがいる。
厄介者になりかねない、面倒な使用人候補。




