表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/42

09 天空城決戦へ04

「9時、12時方向より熱源多数、距離400mあまり!」

「そちらは連合自警団に対応させろ、先陣隊は?」

霧島司令官は堅剛に作られた、シャトルバス二台繋げたような超大型装甲車の

作戦指揮室でモニターを凝視しながら目の前のオペレータ達に命令した。

「別の敵勢力の急襲により進行困難とのこと、現在交戦中です」

霧島は顎髭をゆっくり摩りながら舌打ちをする。

「大陸の連中めが、あざとい奴らよ・・・夏冬めしくじりやがったな」

そう吐き捨てると霧島はキャプテンチェアーから立ち上がるとその容姿からは想像できない動作で

コンソールを巧みに操作した。全部隊の詳細一覧をすごいスピードでチェックする。

「・・・しかたがない、こちらの部隊から第10~13の3小隊を応援に向かわせろ。他はミサイル護衛を優先だ。

いいか、自警団の連中を盾にして目標へ進行するんだ、”内の”部隊にはそう伝えろ」

それを聞いた、傍らにいた副官と思しき人間が霧島に小声で耳打ちする。

「いいのか?自警団が全滅となると、後々が大変だぞ。本土内の防衛に当たらせる人員など―――」

「わかっておるよそんなこと。だが対空システムを取り戻さない限りは大陸軍の―――」

そこへ、メモを持った伝達員が霧島の傍らに急ぎ足で歩いてきた。

「失礼します。作戦キャンプの観測員より連絡がございます」

「なんだ、囮の奴は全滅したか?予定よりも早いな・・・で、阿熊の連中はどのくらいの数を拠点から引き離せた?」

伝達員はそれを聞いて、少し困惑した様子で霧島に伝える。

「い、いえ、まだ全滅はしておりません。それどころか、現在敵勢力を打破しつつこちらに向かっているとのことです」

「なんだそれは?!作戦が狂うではないか!」

報告が耳に入るや霧島は怒号を上げた。

「おい霧島、作戦中だぞ。おいそこっ!他の隊員は集中しろ」

副官が急いでなだめるが霧島は見る見るうちに気分を害していった。

「おい、自警団との連絡担当員に確認しろ!たしか、宗田とか言ったはずだ。

あいつらに回すものは粗悪品でいいといったはずだ!」

すると、何か思い立ったのか副官は手元の端末を弄ると物品目録をチェックし始めた。

「霧島、これを見ろ・・・」

副官に渡されたタブレット端末を奪い取ると内容を釘居る様に見つめる。

画面には本来こちらの小隊に回される物品の内、幾つか(いずれも高性能)なものが

出発直前になり更新され連合自警団、第五小隊配備に変更されていた。

届出人は自警団第6小隊・鏡及び自警団本部長縄文寺。

「馬鹿ども・・・あの連中・・・今更何が出来るというのだ・・・大馬鹿ども」

霧島は椅子に座りうなだれた、しかし、先ほど見た名簿が何か頭に引っかかるのか暫く思案する。

(まてよ・・・第6小隊の人間が申請を出した?確か小型核弾頭を運ばせた奴か?!)

「副官、現在こちらに搭載のアレは何機ある?」

「作戦用核弾頭か?虎の子の”2発”だが」

(2発!!)

霧島はその時、感づいた。こちらに運ばせた核弾頭は全部で5発、内2発は自警団に撃たせている。

ということは。

霧島がいきなりニヤつきだすので副官は不思議になり尋ねた。

「どうした?」

「いや、失礼した。伝達員、観測員にはそのまま監視を続けろと伝えろ。現状で問題はない」

「??了解いたしました、失礼いたします」

伝達員は霧島の態度を怪訝に思いながらも決して態度には出さずに戻っていった。

霧島は再びモニターに視線を戻すと囮役になった辰達の思惑をくみ取っていた。

(間違いない、あいつらはなんとか姫路城に陣取る主力のにたどり着いて・・・・やるつもりだ!

結構結構、玉砕して我らの隊に貢献するが良い)


「前方のもう一機のデコイ車を最大出力で主線から外して射撃方面へ向かわせろ!

そのまま3秒後にスモーク拡散と同時に自爆!」

辰はドローンからアイに指示を出す。

”了解、Bデコイ、主線より外れます”

主線から外れた直後、遠くからおびただしい弾丸を食らうがそれと同時に車体は爆発し

大きな黒煙を辺り一面にまき散らした。

それを、確認すると大きな対戦車ライフルを持った小柄阿熊は周りの連中に叫んだ。

「ちっ、お前ら、移動するぞ!」

様々な武装をした阿熊は一斉に後退し始める。

走りながら小柄な阿熊の傍らにいた阿熊が問う。

「”針”いいのか?今、チャンスだったんちゃうんけ?」

針と言われた”ヒグマ”は反論する。

「馬鹿、ああいうときは闇雲に撃っちゃだめなんだよ。よくおぼえてろ!」

「ケッ!偉そうに!」

針は、滑走しながらここに来る前に自身の頭である”女将”に有ることを伝えられたことを思い出していた。

(女将、わかってる。前にいた連中はまた”毒爆弾”を使うに違いない。

何としても女将の城に向かわせてなる者か!)

針はそう言うとガンツアーズを迎い撃つべつ次の射撃ポイントへと急いだ。


国道をそれこそ”弾丸”のように突っ走るガンツアー。

”Dデコイ車大破、Eデコイ車、被弾率80%強”

「D車は推力停止後、5秒後に爆破。デコイ車の残りは?!」

”残存デコイC車・E車のみ、弾数それぞれ残り僅か”

辰はそれを聞くと苦渋の表情を浮かべた。

(クソっ、やっぱり”お膳立て”があっても厳しいか・・・)

必死に応戦するものの阿熊は道中、応援がしきりに駆け付け数を減らすことなく

こちらへの攻撃の手を緩めることはなかった。

そんな中、ルイが悲痛な面持ちで無線で辰に伝える。

”オッサン、それよりもいよいよこっちもマズってきた!”

「何?!」

辰はドローンのモニターに表示されている、ガンバスのステータスを確認した。

(―――全体の残弾数が30%切っている!!!)

”今姫川市街中央には入った!だが、城までにはまだ少しかかるぜ!”

「ルイ!なんとか弾薬補充に回れんか?」

「無茶言うな!これでも弾薬節約させるために阿熊の連中をできるだけ避けつつ向かってるんやぞ!」

ガンバスだけではない。辰のドローンも搭載兵装をかなり使い込み、残りの銃も僅か2丁となっていた。

(くそっ、万事休すか・・・だが、何としてもたどり着かなくては・・・本丸に!!)

辰がそう新たに決意し銃を構えた矢先、辺りに鼓膜が裂けんばかりのサイレンが響き渡る。

「おいっ、なんだ突然!?」

荒廃し、無造作に生い茂る木々や瓦礫の至る所、近くまたは遠くからサイレンが鳴り響く。

ルイは困惑した様子でアイに尋ねた。

”なんだ、どこで鳴ってる!?”

”音声発生源確認。姫川市内すべての防災スピーカーより発生しております”

「防災スピーカーだと?!」

そう言うと辰は徐々に迫りくる半壊した市役所や城の方面を凝視した。

すると突然、女性と思しき美しい声が響き渡る。

「聞こえますか?聞こえますか?今、戦場に立つ全ての人間たちに告げます」

「いったいなんだ、誰がモノ言ってる?」

辰達が困惑する中、防災スピーカーからは落ち着いた口調の声が発せられた。

「私は、この地域の全ての阿熊の統領を務める阿熊です、他のモノからは女将と呼ばれております」

突然のことに一同は絶句し、敵の阿熊も、反対方向で交戦中の自警団や自衛隊、

全ての者全員が動乱した。


「なんだこいつは・・・」

「どうした、何故女将が出る?!」

「なに、阿熊の女の声?!初めて聞いた・・・」

「全隊、迎撃態勢を維持したまま一時待機せよ」

「ふざけるな辞めさせろ!周りの護衛は何をやってる!!」

「おっさん・・・何が起こってる?!」


「今、ここにいる全てのものよ、私の話を聞いてください」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ