第5話 クレーター製造をする令嬢
___大会前日
「お嬢様、これは明日の大会で着るお召し物ですわ。公爵様が用意してくださっていたのですよ。それと・・・こちらも」
リリアンは重たい剣をロゼッタに差し出した。
「まぁ、ありがとう。お父様のためにも頑張らないといけないわね」
リリアンから剣を受け取ると、軽々と持ち上げる。
「とてもきれい」
「その剣は公爵家に代々伝わる剣だそうですよ。公爵様が大事になさっていて、よく手入れをされておりましたわ。」
とても重たくて両手でもいっぱいいっぱいなのに、片手でお嬢様が持てるだなんて…
相当お強くなられたのですね。
「今日はリューク様は?」
「今日は、リューク様が疲れをしっかり取ったほうがいいとおっしゃいましたの。お肉を食べろと言われたので夜は肉料理をお願いしますわ」
___大会当日
「予選は木の剣を使って行われる」
「そうなんですね」
「騎士団の訓練場を開放し、A・B・Cの三つのブロックに分けて予選を行う。ロゼッタは初出場だから、最初の試合はAブロックだ」
「はい…緊張してきましたわ…」
「大丈夫だ。俺が付いている」
「それに訓練通りやれば誰もロゼッタには勝てない!俺もだ!!」
「え?リューク様に?」
「それくらい強いんだ。今のロゼッタは」
にっこり微笑むリューク様に少しドキドキしてしまいましたわ。
「ありがとうございます。リューク様のご指導のおかげですわ!」
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「Aブロック予選、今回初出場のロゼッタ・フォン・ローゼンベルク公爵令嬢 対 見習い騎士 サミュエル・ランドール」
「真ん中へ」
「礼!!」
「「よろしくお願いします」」
「はじめ!」
公爵令嬢なのに隙が全く無い…
構えがなんか、副団長みたいだ…
コワイ…
でも、打ち込んでみるか。
左側を狙って打ち込む。
え…見切られてる…うそでしょ…
移動速度も尋常じゃない…
ん?あれ?なんで地面を殴ろうとしてるの?
「ちょっと力加減の練習しますわね。少々お待ちください」
パンチを繰り出す令嬢。
ドゴォオオオン。
リリアンには聞き覚えがあった。
これは公爵家の訓練場でよく耳にする轟音だ。
(お嬢様…あの音はお嬢様だったのですね…)
会場に隕石でも落ちたかのようなクレーターができていた。
「あれ?力加減むずかしいですわね」
カラン…
サミュエルは木の剣を落として驚愕の表情。
「棄権します…」
司会「‥‥勝者ロゼッタ・フォン・ローゼンベルク公爵令嬢」
わぁぁぁぁ 会場から歓声が起こる。
「え?まだ何もしてないのですけれど…」
「やったなー、ロゼッタ。だが会場に穴あけたらダメだろう」
「リューク様、すみません。次までには修正しておきませんとね」
リリアンは思った。ツッコミどころそこであってるのだろうか?と…いやあっているのか?




